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簡素化による機能減に不満の声
従来版のUbuntu Serverは、LVM構成が標準だった。これがUbuntu 18.04 LTSでは通常のパーティション構成になる。このため利用者からは「暗号化ボリュームやLVMを設定するすべが無い」「LVMを標準にすべき」といった要望がバグ報告ページに寄せられている。
現状では、LVMやソフトウエアRAIDなどを設定したい場合は、従来版のインストーラーを採用したインストールイメージを利用する必要がある。従来のインストーラーを利用したい場合は「http://cdimage.ubuntu.com/ubuntu/releases/18.04/release/」から「ubuntu-18.04-server-amd64.iso」をダウンロードする。
この回避策も一見するだけでは分かりにくい。標準のUbuntu Server版が置いてあるディレクトリーに従来インストーラーを同梱するイメージが無いためだ。Ubuntu Serverダウンロードページの「RAIDやLVMを利用するインストーラーは別ページに用意してある」旨の注記を見落とすと、単に機能が削がれたように受け取れてしまう。例えばUbuntuのインストールイメージに関する「Ubuntu CD Images」公式ページのバグ報告では、live版と同じ場所に置くべきという提案が上がっている。
Ubuntu 18.04 LTSのデスクトップ版では、デスクトップ環境こそUnityからGNOMEに変更したものの、GUIの基本環境となるウィンドウシステムは刷新を見送った。Ubuntu 17.10で標準にしたアクセス制御機構付きの「Wayland」ではなく、アプリケーションの互換性を理由に「X Window System」に戻している。
次期Ubuntu Serverのインストーラーの標準がどうなるか。使いやすさと互換性維持のバランスを取る試みがしばらく続きそうだ。