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- ロッテ対西武 移籍後初登板初勝利の西武榎田(撮影・中島郁夫)
久しぶりに先発勝利を味わった。西武榎田大樹投手(31)は、毎回走者を背負いながらも、粘り腰で6回5安打2失点。
「阪神では先発であまり投げられなかったけど、西武で機会をもらい、1勝できました」と喜んだ。初回、味方の守りの乱れもあり2点を先制されたが、好フィールディングやけん制も駆使。移籍初登板初先発で、チームの連敗を2で止めた。
開幕の約2週間前、岡本洋介との交換トレードで阪神から移籍した。左の先発が手薄な西武が働きかけた。周りは寂しがってくれたが、通告を受け、思ったのは「チャンスだ」。藤川球児も「チャンスだぞ」と言ってくれた。先輩のエールが力になった。甲子園で鍛えられた自負がある。
「2ボールでスタンドがざわついて、3ボール、四球で『おいおい』と言われる」と、虎ファンの熱狂を懐かしむ。「今は何も言われなくて、不思議かも」と笑った。
14年6月8日ソフトバンク戦以来の先発で、13年7月17日巨人戦以来の先発勝利。辻監督は「スライダーで緩急をつけられていた。十分ですよ。よく投げてくれた」とうなずいた。榎田は、内容に不満を残しながらも「反省して、次に生かしたい」と力強く言った。来週は登板機会がないため、いったん登録抹消されるが、首位を行くチームに貴重な左腕が加わった。【古川真弥】