嬬恋の事後強盗 金融取引で数百万損失か 逃走の警部補 父親「すぐ出てきて」

 群馬県嬬恋村大笹の商店で2日未明に発生した事後強盗事件で、強盗容疑で指名手配されている県警捜査2課の警部補、宮腰大容疑者(37)=高崎市新保町=が金融商品取引をし、数百万円の損失を出していた可能性があることが9日、捜査関係者への取材で分かった。県警は損失を穴埋めするため犯行に及んだ疑いもあるとみて、投資の実態などを慎重に調べていくもようだ。

同級生「信じられない」


 捜査関係者によると、宮腰容疑者が投資していたのは、一定の金を担保として取引業者に預けると多額の資金が運用できるもの。県警は金融機関などからの借入金があったかも含めて捜査している。

 事件を巡っては、県警が8日に氏名や顔写真などを公表。県警によると、9日夕までに県内外から「似ている人がいる」「同じ車を見た」など計23件の情報提供があった。事件当日の2日午後に宮腰容疑者がいたとみられる富山県からの情報もあった。県警は逮捕につながる有力な情報がないか精査する。

 一方、宮腰容疑者の実家がある富山県高岡市では9日午後、宮腰容疑者の父親が報道陣の取材に応じ、「多大な迷惑を掛けてしまい、本当に申し訳ありません。本人にはすぐに出てきてもらいたい。早く自首してほしい」と話した。

 氏名や顔写真が公表される公開捜査に切り替わり、富山県内の知人らにも驚きが広がった。高校の同級生の男性(37)は「こんなことを起こす人には見えなかった。(事実なら)信じられない」と語った。男性によると、宮腰容疑者は野球部で、部のまとめ役だった。高校時代は問題を起こさず、真面目な性格だったという。

 別の同級生の男性(37)は、宮腰容疑者が県警に就職が決まった際、本人から直接報告を受けたという。事件後に宮腰容疑者から連絡を受けた同級生は知る限りでいないとし、「同級生として、まずは無事であってほしい」と訴えた。

 宮腰容疑者の実家近くに住む70代の女性は「(氏名と顔写真が載った)新聞を見てまさかと思った」と話した。



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