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仏下院で新移民法案可決、勾留期間延長など盛り込む 与党内に亀裂
【4月23日 AFP】フランス国民議会(下院)は22日夜、移民の勾留期間の延長などを盛り込んだ新しい移民法案を61時間に及ぶ審議の末に可決した。ただ、新法案には批判も多く、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領率いる与党内にはかつてない亀裂が生じている。
新法案は与党の中道新党「共和国前進(REM)」の支持を得て賛成228票、反対139票、棄権24票の賛成多数で可決された。しかし、REMのジャンミシェル・クレマン(Jean-Michel Clement)副代表は法案に反対し、採決を棄権した後、離党を表明した。
採決は当初20日に行われる予定だったが、1000項目を超える修正提案が与野党からあり、週末を徹してピリピリした空気の中で審議が続行された。与党だけでも200項目以上の修正提案が出された。
新移民法案では、移民を勾留できる期間を現行の2倍の90日間に延長するほか、難民認定手続きの申請期間を現行の120日から90日に短縮し、申請が却下された場合の再申請は2週間以内に行わなければならないと定めている。
ジェラール・コロン(Gerard Collomb)内相によれば、難民申請者の審査待ちの時間を6か月まで半減し、経済移民を送還しやすくする一方、難民認定された人には仕事のあっせんやフランス語の教育など社会に溶け込むための支援を強化するのが新法の目的。
マクロン政権は均衡の取れた法案だと擁護しているが、右派議員からは規制が緩すぎるとして、左派からは抑圧的だとして、批判を浴びている。また、非政府組織(NGO)は難民認定の再申請期間が2週間しかないことについて、申請者の主張をより強固に裏付ける証拠を集めるには短すぎると指摘している。
フランスでは2017年、史上最多となる10万人が難民申請を行った。移民向けの滞在施設の不足から、アフリカや南アジアから来た多くの人々が首都パリの路上で寝ることを余儀なくされたり、北部の港町カレー(Calais)で貨物トラックに忍び込んで英国に密航する機会をうかがいながら野営したりしている。(c)AFP/Katy Lee