魔神皇:我が精神の深き所までも貴様らごとき者に踏み荒らされようとはな……。だが、高貴なる精神の大元には、一指たりとも触れさせん!!
*魔神皇と戦闘。
魔神皇:…………わ、我こそは……ぜ、全知全能の、ま、魔界の……支配者、ま、魔神皇なり……。……私が……この私が……敗れるなどと……いうことが……あってはならぬ……。……私が敗れる……そんな……バカな……魔界を支配し……世界を手に入れようとした……。……この私が……私が敗れる……私が……ぼくが…ぼくが……負けるなんて……バカな……。……ぼくが、ぼ、ぼ、ぼくが……負けない……ま、ま、負けない……負けないもん……。……ウッ、ウッ、ウワーン。負けないもん、負けないもん、ウェーーーーーーン!!ウェーン、だ、だって、みんなが悪いんだー。みんながぼくを苛めるんだー。ウェーン、ウェーン、いじめるいじめる、ウェーン。ウッ、ウッ、ウッ……。
*泣き出した魔神皇を、レイコは抱き上げる。いつのまにか、魔神皇は、子供の頃のイデオの姿になっている。
レイコ:イデオ……泣かないで……泣いちゃダメ、男の子でしょ。しっかりしなさい……。ほら、私はここよ。ここに、あなたの傍にいるわ。だから泣くのはやめて……。
イデオ:……ウッ、ウッ、ウッ……もうどこにも行かない?
レイコ:ええ。
イデオ:もうぼくを置いてかない?
レイコ:いかないわ。だから、涙を拭いて。
イデオ:……うん……ぼく、もう泣かない……。だって、レイコがいるもん……。もう泣かないよ……。
*イデオが元の姿に戻る。
イデオ:……ぼくは愚かだったよ。君がいるのに気が付かなかったなんて……レイコ……。……今、君の愛を感じている……レイコ……もう離さないよ……。
レイコ:……私もよ……。もう、あなたを離さない。あなたに寂しい思いはさせない…………。
イデオ:……レイコ…………。
レイコ:……イデオ…………。
イデオ・レイコ:……ああっ…………。
*主人公は黙ってそこを立ち去った。
レイコの声:イデオを魔神皇にした歪んだ精神も、元に戻りました。だから、あなたは中にいられません。早く外に出て……。
レイコの声:イデオも、元々は素直な人……。でも、彼の周りには少しも愛情もありませんでした……。
レイコの声:……彼のしたことを、許してもらえるとは思いません……。でも、2度とあんなことはさせません……私が誓います……。
レイコの声:……あなたと一緒に魔界をさまよった時……苦しかったけど、楽しかった……。でもそれは、私にとって、イデオを救うための道でした……。
レイコの声:……○○、感謝しています……。あなたのおかげでイデオを救うことが出来て……今、こうして一緒にいられます。
レイコの声:あなたとは、もう2度と会えないでしょう。……もし……。……もしも普通の時、普通に知り合えたら……あなたとは、いい友達になれた……かも知れません……。
レイコの声:……さあ、歪んだイデオの精神が、元に戻ります……。早く……外に……。
レイコの声:……あなたのために戦ってくれた仲魔たちは、元の世界には連れていけません……。召喚の契約を解いて、自由にしてあげてください……。
>仲間の契約を解きますか?
(ここではyesを選択)
(別れの挨拶は、悪魔の種族によって変わります)
*悪魔を解放し、主人公は学校に戻ってきた。
>外には元通りの街が見える……。
>結局、軽子坂高校は、元のまま元の場所に立っている……。再び平和で退屈な日々が始まった……。
>校歌が流れる。
>狭間偉出夫と赤根沢玲子は消えた……。
学校は元に戻った。戻ってこなかった生徒達数人は、行方不明とされ、人々を騒がせたが、やがて忘れ去られた……。
平穏な日常は取り戻された。
だが……狭間偉出夫と赤根沢玲子、二人が消え去った後に取り残された者にとって、もはや、以前と同じ日常が戻ることはなかった……。
敵として仲魔として戦ってきた無数の悪魔たち、彼らは確実に存在している。
我々とは別の世界と、その住人達を見知ってしまった者が、今後、それら悪魔たちと全くの無関係でいられるだろうか。
別々の世界同士が触れ合うとき、日常が壊れ平穏が失われるとき、それはいつかやってくる。
もしも……ではなく……きっと……。