12年もののブレンデッドスコッチで有名なものをいろいろ飲んでいましたが、一つだけ避けていたものがあります。
オールドパーです。なぜかというと...値段がシングルモルトばりに高いからです。ケチですいません。

oldParrオールドパーの由来となったのは、イングランドで152歳まで生きたと言われるイングランド人、トーマス・パーです。ラベルには、ピーテル・パウル・ルーベンスが描いた肖像画がつけられています。
キーモルトは、スペイサイドのクラガンモアを使っています。

オールドパーは日本で初めて紹介されたウイスキーとしても知られ、イギリスを訪れた岩倉具視の使節団が持ち帰り、明治天皇に献上されたと言われています。
それ以来、オールドパーは日本でも特別の存在感を持つようになり、吉田茂、田中角栄といった歴代総理大臣にも愛飲されていたとされています。
また、サントリーオールドの「S」と「O」が赤文字になっているのも、オールドパーの「O」と「P」が赤い文字になっているのにインスパイアされたとも言われていますし、オールドの名前もオールドパーのリスペクトともいえます。

もちろん、スコットランドなど海外でも著名であるが故に、まがい物も出回っていたようです。それを防ぐために、注ぎ口の根元にプラスチックの玉を取り付け、中からウイスキーが出てきても外から入れられない構造を採用しました。
ただし正規輸入品では、玉を入れないボトルを採用しています。

いつものようにロックで飲んでみると、飲み口はとても柔らかく、アルコールの刺激は控えめ。香りはレーズン、カラメル、ナシ、メープルシロップと、甘さと豊かな香りを持っています。 奥からやっとウッディな香りが顔を覗かせます。

味わいは甘みと酸味が感じるほどで、スモーキーさも少なく、 まろやかで飲みやすく仕上がっています。

加水されるとまろやかさが増していき、ハイボールにしても飲みやすいものになります。

価格は750ml、40度で4300円ほど。価格を見れば12年もののシングルモルト並みの値段です。
確かに飲みやすくて万人受けしますが、バランタインなどを飲んでしまうと、取り立てて買うべきと言うほどでもなくなっています。それだけ今のウイスキー事情が贅沢になったのかもしれませんね。 

オールドパーは、18年やスーペリアといったラインナップもありますが、12年よりもさらに高いです。

<個人的評価> 
・香り A: 癖もアルコールの刺激もなく、甘くて華やかな香り。
・味わい A: 甘さと酸味が主体で、スモーキーさも辛さも少ない。
・総評 B: 申し分ない味でロックでもハイボールでもいけるが、価格を考えると二の足を踏んでしまう。