イベントで頒布した「マタニティマークのパロディ」のノベルティがきっかけで炎上しました。
私は彼女と同ジャンル・同CPで、普段から楽しくおしゃべりさせていただいていた方だっただけに、
個人的に、この件について深く考える機会になりました。
彼女が出した、新刊&ノベルティのお知らせで、このノベルティについて見ていました。
そのとき一瞬、「あっ、これどうなんだろう…」と思いました。
でもそのときは、あまり深く考えず、「水を差すのも何だしな…」と思って、何もアクションしませんでした。
その反省の気持ちもあって、今回の問題についてきちんと整理することで、
問題の再発防止に、少しでも役立ちたいと思いました。
以下、「一体、何が本当に問題だったのか」について、
なお、便宜上、彼女を「Sさん」(相互さんという意味)という仮名で記述します。
この理由は、この文章は彼女個人を糾弾したり、ましてや炎上を延燃させることが目的ではないこと、
一度この文章をアップしたら、後年まで残ることを考えてのことです。
なお、Sさんは既に謝罪文を出し、ご自身でも何が問題だったかについて整理されていて、
その補足にもなれば幸いです。
1.某アニメのキャラクターを「犬」化したグッズが大人気になる。
2.Sさんが、新刊のノベルティに、その犬のグッズを可愛がる人向けの「バッジ」を作成
3.そのイラストを「マタニティーマーク」のパロディにし、アニメのキャラクターが犬を抱いている構図にした
4.この構図を問題視し、頒布を中止すべきといったメッセージが、Sさんのところに複数届く
なお私は、3.は知っていましたが、4.が起こっていることには、全く気づいていませんでした。
この時点で、私からも何かアドバイスできていれば……と、心底悔やまれます。
私は、イベント後、TLがざわついていたことで炎上を知りました。
Twitterで検索をかけると、数限りない意見が飛び交っていましたが、
中には、誤解に基づいていたり、感情的で極端なものも非常に多いと感じました。
だから今、私個人ができる限り客観的に、問題を整理したいと思います。
(もちろん、すでにしっかりとご理解されている方もいらっしゃると思います)
以下の3点です。
3.身につけられるグッズだった
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マタニティマークは、周囲が妊婦さんに配慮しやすくするための公共マークです。
それを模した構図・色合いのイラストは、やはり、ぱっと見て周囲の人に誤認される可能性もある、と言わざるを得ないでしょう。(※1)
また、たとえ誤認しなくても、「公共マークのパロディ品」の存在自体に不快感を覚える人がいたり、
せっかく配慮したのにパロディだと分かったら、今後はそのマークへの配慮を躊躇してしまう人もいるかもしれません。
そもそも、マタニティマークや妊婦自体に反感を覚える人もいるそうです。(ここまで来ると、もはや今回の件以前の問題かとは思いますが)
と、ここまで考えると、1.については「非常識だ」「普通はやらない」と感じる人も多いかもしれません。
ただ、マタニティマークに限らず、その公共マークの使用について、当事者だったり身近なこととして経験したことがなければ、
どうしても、そこまで深く考えることは少ないのが現状です。
また、Sさんのイラスト自体は、二次創作としてはごく一般的な、「可愛い」タイプのもので、
だからこそ、今後も誰もがやってしまう危険性があり、注意していくべきことだと思います。
さらに、その絵がアニメ(およびアニメの公式グッズ)のキャラクターであるため、
「このアニメ公式が、公共マークと紛らわしいグッズを出した」と誤認される可能性もあります。(※2)
もちろん、一サークルの新刊ノベルティとしての頒布数程度、ということを考えても、
ただ、この一件のリスクが低くても、同じ事をたくさんの人がやったらどうなるか……
ということを考えると、頒布数や可能性がどうということではなく、
「皆で守るべきマナーの問題」として考えていけたらいいんじゃないかな、と思います。
誰か他人に見られて誤認されることもないでしょう。
しかし、これは「バッジ」であり、他人に見えるように身につけることを前提としたものでした。(※3)
現在は「痛バ」文化が浸透するなど、公式グッズと同人グッズを一緒にして、
他人に見えやすいように身につけることも、一般的になっています。
グッズは、同人誌と比較して、公式のものと混同される可能性が高く、
グッズを中心に活動されているサークルさんは、すでに気をつけてらっしゃることだと思います。
ノベルティでグッズを付けるサークルさんが増えている中、このことは改めて注意すべきことだと思います。
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以上、この3点については、今回の件から学べることとして、
ジャンル問わず、同人活動をする多くの方が改めて認識した方がよいのではないか……と思いました。
同人誌だと、冒頭や奥付等に、以下のような趣旨の注意書きが入っていることがあります。
「この作品は同人誌です。個人が私的に作成したもので、公式の制作会社様等とは一切関係がございません。
同人に対する理解のない方の目には触れませんよう、ご協力をお願い致します」
でも、「グッズ」を手渡すだけだと、この手の注意書きすら書くことができません。
二次創作のキャラクターを使って、他人に不快感を与える可能性のある図案で、
他人に見える場所に身につける前提のグッズを作ることには、リスクがあります。
1.でも述べた通り、当事者だったり身近なこととして経験したことがなければ、
他人が見たときの不快感の可能性まで、なかなか想像が及ばないかもしれません。
そういうよくある二次創作のモチーフも、図案によっては問題になり得ます。
同人活動は個人がするもので、会社や校閲を通すわけではありません。
だからこそ、ただ「マタニティマークのパロはまずい」、ということだけではなくて、
「全くの他人が見たらどう思うかな?」ということを、特に身につけるグッズについては、
(※1
「厚生労働省のマタニティマーク規定に違反している」、つまり著作者が明確に禁じている、という指摘も多くあり、まとめにも大きく取上げられていました。
確かに、マタニティマークの改変、特に一部を変えるような改変は、厚生労働省の規定で禁止されています。
ただし、これは「マタニティマークとして使用する場合」のことで、それを目的としない「パロディ」については言及されていません。
つまり、パロディについては「規定がない」というのが、正確なところだと思います。
もちろん、だからといって許可されているわけではありませんし、そもそも改変を禁じる理由は、認識時の混乱を防ぐためだと思うので、
パロディは問題がない、と厚生労働省が考えていわけではないと思います)
(※2
※1とも関連して、「著作権に違反している」という指摘も多くありました。
しかし、著作権はあくまで親告罪であり、これを持って他人が人を訴えたり、裁くことはできません。
Sさんが謝罪文で述べている通り、イベント主催者さんへの通報があり、ノベルティをチェックされたときも、
「イベントの頒布禁止の対象には当てはまらない(ただし何かあれば個人の責任で対応して下さい)」と言われたそうです。
ただ、アニメ等と異なり、公共マークはパロディや二次創作の文化がないこと、
またダブルパロディなので、権利者がこれを問題とみなすリスクも二倍あったことは、注意すべきことだと思います)
(※3
「既に頒布したグッズを回収すべきでは」と思う方もいると思います。
ただ、今回のグッズは「新刊のノベルティ」であり、無料で頒布したものです。
頒布対象が不特定多数であること、所有しているだけでリスクがある類のものではないこと、
また、受け取った人の手間や負担感を考えると、
回収はしないが、外での使用を控えるよう呼びかけた、Sさんの判断が妥当ではないかと思います)
まとめますと、今後の教訓として、
少なくとも、この3点だけは肝に銘じていけたらと思います。
こうして整理して書くと、「そりゃそうだろ」「何でこれが分からなかったんだ」と感じるかもしれませんし、
すでにしっかりとご理解されていった方もいらっしゃると思います。
しかし、私自身、実際にSさんのノベルティ告知を見た時点で、すぐに判断・行動できなかったこと、
Twitter上でも「そんなに悪いこと?」といったコメントも散見されることからも、
これに近いことは、誰でも起こし得ることではないかと思います。
ここから先は、より個人的な意見となりますことをご了承下さい。
Sさんが事前に複数の指摘を受けたのに、それを無視したということに、大きな判断の誤りがありました。
ただ、Sさんにとって、指摘をしてきた人達は「全く信頼関係がない、知らない人」ばかりでした。
(この点について、私個人としてとても反省していることは、冒頭に書いた通りです)
また、まとめを見ると、丁寧に指摘してくれた方ばかりのように見えますが、
上記の「※」で補足したように、必ずしも正確ではない指摘もありました。
また、頒布前の時点でTwitterやまとめにさらされてしまったこともあり、
便乗してわざと煽ってくるようなメッセージも、たくさん届いていたことが予想できます。
(現在は消されたものや、拍手経由等の他人が見えないものも含めてです)
そんな中で、彼女が逆に反発して、忠告を全て無視してしまったこと――
人間の感情として無理のない部分もあったのではないか、と、私個人としては感じます。
また、謝罪文が出るのが遅かったから炎上が悪化した、という見方もあると思います。
ただ、矢のように降り注ぐ多種多様な意見や批判、あるいは誹謗中傷の中、
一度出したら取り消せない謝罪文を作成するのに時間がかかってしまったことは、
致し方ないことだったと思います。
ましてや炎上の渦中で、迅速・適切に行動するのは、誰しも難しいことだと思います。
でも、だからといってSさん個人の人格を攻撃したり、中傷したり、排斥することは間違っている。
親しい人という立場から、できるだけ早急に指摘してあげることが、とてもとても大切。
今、問題の再発防止のために本当にすべきことは、
Sさん個人をこれ以上糾弾したり、ましてや同人やジャンルから追い出そうとすることではなく、
「何が本当に問題だったのか」
「再発防止、あるいは似たような問題を防ぐためには、一人ひとりが何をすればいいのか」
を考えることだと思っています。
長文にも関わらず、最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。
まとめ以下がちょっとした長文で戦慄した
気持ちはわかるんだけど、今回の件みたいな公式な図案?と誤解される系統のものと、単に「不快に思う」云々は一緒にならないようにした方がいいとは思う。
そもそも無許可二次創作な時点で著作権違反なわけで、 他人の著作物を勝手にパクるのはいいけど公共の図案のパロディはNG!と言う基準がわけわからんと言われてるんじゃないの?
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本音は単なる好き嫌いなんじゃないの
道路に勝手にドラえもんもどきの看板を立てる行為と 道路に勝手に道路標識もどきを立てる行為が同じでないことについては同意してくれるよね? あのマークは公共性という観点からみ...
根菜好きは屑だから人参好きは死ねって言ってるやつがじゃがいも食ってたらそりゃ突っ込むよ
関係無いけど、 「赤ちゃんがノッています」は好きだったなぁ。