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1:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
04/08 09:50

        さぁて!
     今日もエンゲるから
    待っててよね 絶対に!


 Gauge0 >>2-9 Gauge1 >>10-30 Gauge2 >>31-


あまり深く考えないので章タイ等変えたりもします

擬似的戦争 ミバネオ内リンク
感想は ミバネオ内リンク

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25:瀝血蒼ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
04/16 06:21

しかし、それが新たな誤解を招く
引き金となる事。

この時の幸は何も想像していないだろう。

「えっと… 赤い屋根で、
 結構綺麗な白い外壁の…」

「あれかしら?」

話を終える前に、遮られた。

「まぁ、確かにあれかも知れねーな」

杏達が見詰める先には、
この場所からでも見える、赤い屋根の館。

(…この辺にある豪邸って…)

…雨面の家位だ。

(…雨面の家?)

「行くわよ金」

「了解」

二人は、幸の事等お構い無しに
屋敷に向かって行く。

幸がそれに気付いたのは、
およそ三秒後であった。


「あぁー!待って下さい!
 ちょっとーっ!」



しかし、現実は非情である。

二人を停止させようとしても、
小さくなる背が止まる事はなかった。

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26:瀝血蒼ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
04/19 06:48

「はぁ、はぁ…」

「おい、開けろ!」

幸が二人に追い付く頃には、
館に向かって大声が響かされていた。

「あなた、鍵持ってる?」

「も、持ってませんよ…!」

「えっ?」

杏の顔は、
『不用心』と言いたげであった。

それはそのはず。
鍵を持っているか持っていないか、
等の話ではない。

その館は幸の家ではないのだから。

「見え見えの嘘は止めときな。
 こうなったら、一度この『ビート』を
 聴かせるしかねぇよなッ!」

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27:瀝血蒼ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
04/19 07:03

先程も漁った右胸のポケットから、
金色のボールペンを取り出す。

(…武器じゃなかったんだ…)

いや、あの時時間がかかっていたのは、
中身が多いからだろう。

それを宙に飛ばすと、
一枚のカードとなって戻って来る。

「さぁて、始めますか!」

自身の右目に、カードを重ねる。

瞳がより一層強く輝くと、
彼は新たな世界を生み出した。


我今、新たなる時代への鼓動を鳴らし、
 自ら進む事を誓うぜ!


 さぁ、聴きなッ!

 Engauge!


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28:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
04/24 20:07

「…!」

近くにいた幸達も、
溢れる光に巻き込まれた。

彼… いや、彼らの『変わらぬ景色』が
黄金へ変わる。

雄叫びに近い轟音、
目に焼き付くネオンの嵐。

(…光が、眩しいな…)

連なる高層ビルに隠れているはずの
天井から注がれる、熱いスポットライト。

頭上に違和感はあるが、何とかそれを
直視する事が出来た。

「相変わらずここは騒がしいわね…」

技術の発展を最優先し、行き付いた先。

黄金の近代都市に、
彼らは佇んでいた。

「ッフフ…」

金は、幸に目を合わせると、
顔に笑みを浮かべる。

「…やっぱり少年、
 お前は嘘を付いてた って訳か…」

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29:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
04/24 20:49

「ぇっ…?」

少年は、ゆっくりと視線を
太陽から下へ動かす。

「ラストを実体化させ、
 討伐する為の架空世界・フィールド…。
 一度でもフィールドを展開されせば、
 たちまち異世界の住人になれるのさ」

言っている通り、
金と杏の服装も変わっている。

「そして俺は、この都市の王となる!
 全国民に、最ッ高のビートを
 聴かせてやるぜッ!」

頭に浮かぶ王冠、
手に持たれたギターの様な楽器。

スタッズ煌めく黒いジャケットも
王の羽織るコートみたく、裾が長い。

「そして…
 お前もその一人なんだぜ?
 路頭に迷った紳士さんよッ!」

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30:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
04/24 20:58

「…!?」

彼は、
『フィールドを展開した事のある者は、
 フィールド内で姿が変わる』と言った。

そして、幸の姿。

飛竜の翼を連想させる
ギザギザなカットが特徴的なベスト。
シルクハットの様な帽子のつばも
同じ様にカットされている。

(…さっき太陽を見れたのは…っ!)

頭上の違和感は、
被っていた帽子にあったのだ。

「さぁて、少年よ。
 どう言い逃れするのかな?」

そう言った国王に、
幸は口を開く他なかった。

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31:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
04/25 17:13

Gauge2
独学コピーシステム エンゲージ

ゲージ2 どくがくコピーシステム エンゲージ


「…なるほど、この家に住んでる友達が
 ラストを見る機械を造った訳ね…」

幸から杏達に話した事は、三つ。

自分が金を敵だと思い、追っていた事。
雨面が自作したゴーグルの事。
自分でラストを討伐しようとしていた事。

「で、あなたはラストを
 討伐してしまった、と…」

杏に深く溜め息を付かれ、

「私… 賢斗に連絡してくるわ。
 金。家宅捜索、任せたわよ」

どこからか得た通信機を手にして
去って行ってしまう。

「…と、言うか。
 一つー… いいですか?」

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32:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
04/25 17:26

「は?何だ?
 俺はとっとと家宅捜索とか止めて、
 小娘を捜さなきゃ…」

「あなた達ってー…
 国家公認のエンジェラーですか…?」

それは、何とも今さらな質問であった。
金も眉間にしわを寄せ、吐き捨てる。

「あー 言ってなかったか。俺達は、


 メリデュナルス支部から派遣された、
 国家公認のエンジェラーだぜ?」


「…」

…脳内じゃ、とっくの昔に
分かっていたはずなのだが、
改めてそう言われると。

えぇーっ!?
 あなたが国家公認の
 エンジェラーですってぇー!?

驚いてしまうのが性である。

「大声を出すな、
 俺のビートが届けられない」

「ぁ… はい」

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33:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
04/25 17:39

改めて静かになると、
少年はギターの弦を弾く。

『ギュイィィィン!』

「今日の最ッ高の音みたいだぜ?
 さぁ、聴きなッ

『バタン!』

聴いてるわ

 うわっ!?」

冷たき一言で現実に戻された世界。

黄金の街は一瞬にして消え、
屋敷の前に戻って来る。

「…やれやれ、騒がしいと思ったら…。
 こんな事をしてたのか、幸」

少しサイズの大きい白衣を着こなす、
ゴーグルを付けた蒼い髪の少年。

もちろん、幸は彼の名を知っている。

「ぁ… 雨面ぉ~…」

気まずく、幸はぼやかして名を呟く。

ゴーグルを頭上を上げた少年の目は、
怒りに近い炎が灯っている。

「「あーまーもー」じゃないだろ、
 他人の自宅前で何騒いでるんだ…」

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34:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
04/30 19:10

「お前がコイツの友人か…
 オレは、メリデュナルス支部から
 派遣されたエンジェラー・金だ。
 家宅捜索をしに来たぜ」

「…チッ…」

彼が機嫌悪そうに、小さく舌を打つ。

さすがに無言のままでいるのは
申し訳なく、

「雨面… ご、ごめ…」

「謝罪は後にしろ」

反省を口にしようとしたのだが、
雨面に遮られてしまう。

「金、だったか…
 どうせ隠した所で、
『国命システム』があるから無駄か」

「よく分かってるじゃねぇか」

「…はぁ」

悲しみからか、疲れからか、
雨面から深い息が吐かれる。

「仕方ない、案内するよ」

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35:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
05/03 12:03

「杏、連絡終わり次第来いよ!」

「…ええ、分かったわ」

雨面を先頭にし、
未知なる館に踏み入るのであった。



その先は、広々としたリビングだ。

右を見ても、左を見ても、
キラキラ輝く光の渦。
虹を屈折させるシャンデリア、
金銀に照る燭台や像。
床には、見るからにふかふかな
群青色のカーペットが敷かれている。

「やっぱり雨面の別荘って広いねぇー」

幸は数分前も見た光景なのだが、
いつも関心してしまう。

「父の別荘だよ」

「でも、雨面が使ってるでしょ?
 だから雨面の別荘だよね~」

「相変わらず同じ事を
 言わせるんだな、幸は」

「ありがと~」

「誉めてないだろ…」

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36:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
05/04 23:00

そんな館内を雨面を追って歩いていると、
物々しい扉の前まで辿り着く。

「…ここは何だ?」

「研究室さ。
 さっき言った通り、ここは父の別荘で
 昔はここでラストの研究をしていた。
 今は…
 別の力の研究をしているが、
それも『人間の潜在能力』に関する事だ」

扉の横のスライドパッドに指を置く。
すると、扉は快適に開かれた。

「…っわ… さみぃ…」

「この先は、オーバーヒートを抑える為、
 冷えているんだ… 寒くなったら言え」

「既にさみぃわ…」

幸は慣れているのでそうも思わないが、
吹き抜けた冷風に、
金は二の腕を擦っていた。

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37:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
05/08 21:05

部屋に踏み込むと、
大きな機械が歓迎するのだ。

やけに大きく、古臭い機械が壁際に並び、
そこからコードが何十も伸びていた。

それっぽいモニター、いかにもなパネル、
棚には、タイトルで人を選ぶ本が
ずらりと並べられている。

「何か、古臭い機械だな…」

「当たり前だ、父が五十年以上前に
 作った別荘なのだから。
 機械もそのまま使い回してる」

少し機械を叩くと、鈍い音と共に、
針が細かく揺れる。

「いつか『過労死』しちゃうよ?」

「そうさせない為の環境が冷房だよ」
             これ

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38:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
05/08 21:44

「さすが『ブラック科学者』雨面…」

「何がブラックだ。
 相変わらずネーミングセンスに
 欠けるな、幸は」

白衣の裏には、漆黒の笑み…
と、普通は思う所なのだが、

「だって雨面、
 フィールド内の姿黒衣じゃん」

『世界の裏』と取れるフィールド内では、
彼は黒衣の科学者となるのだ。

「お前が研究の当てになれば、
 俺がエンカウントチャージャー
 オブ ザ ゲージシステム

 使う必要はないんだよ」

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39:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
05/08 22:23

「エンゲ… 何だって?」

顔色変えずに
すらすら吐かれた横文字。
その速さは横切る風と同じ位だった。

「軽く略すと
 エンカウントゲージシステム
 もっと略すとエンゲージ
 覚えやすいよねぇ」

「幸がそう呼んでいるだけだ」

幸本人はこの略語を気に入っており、
ラスト討伐の際、
掛け声として使っている訳だ。

「システムを分かりやすく言うのであれば
 ラストとなった者を、
 このゴーグルを着け追跡する事で、
 見えぬラストの姿を映し出すんだ。
『鮮明ゲージ』が100%となった時、
 フィールドを展開し、
 ラストと戦う事が出来る…」

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40:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
05/08 22:42

「つまり、
『エンカウントゲージ』を貯めて
 ラストに会いに行けばいいのさ~!」

「相変わらず『正式名』って物を
 覚えないんだな、幸は」

ゲームで覚えてしまった言葉である。

「じゃないと『エンゲージしたい』に
 繋がらないよ」

「また変なワード作りやがって。
 お前絶対エンジェラーに憧れてるだろ」

速攻飛ぶ厳しい言葉に、

「え~ ひどい!
エンカウントゲージ貯めて
 君に会いに行き
たい』だよ!」

「『し』はどこに行ったんだよ」

ぇっ… それはぁ…」

反論した結果、見事返り討ちに会った。

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41:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
05/08 23:00

そんなマイペース全振りの会話に、
金がぽつりと呟く。

「お前らの漫才、
 …にも見せてやりてぇわ…」

「「何が漫才だって!?」」

『喧嘩する程仲がいい』を形にした様な
二人のハモりに、
微笑をたたえるのであった。



「お前アタッカー何だから前衛で戦えよ」

「雨面こそ力があるのに戦わないのは
 あり得ないでしょー」

「…とんでもなく冷えた場所ね」

その後もだらだら続けられる漫才を
眺めていると、
杏が研究室に姿を見せた。

「よ、どうだって?」

「賢斗がこの場所に来るわ。
『知虜のラスト』が変化を見せた時、
 チリョ
 すぐメリデュナルス支部に連絡しろ…
 ってね」

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42:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
05/09 17:16

「了解したぜ」

金に連絡事項を伝えると、
研究室に目を通す。

「うわぁ… 形は結構古いタイプだけど…
 造った、とか?」

「そんな大型機械は造れませんよ」

「雨面なら全世界の科学の礎を作れるよ~
 何てったって僕が背を押す
 No.1ブラック科学者・
 石雫 雨面だもんねぇ!」

後ろに回り、しっかりと肩を掴む。

お転婆に右側から顔を出すと、
視線を合わせられ、

「ブラック科学者だけは止めろ」

まぁいつも通りな台詞が飛んで来る。

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43:純・瀝血晦迹ノハ カプリチオ◆z.Nk3L7mjZ7D
05/09 17:34

「もっと喜びなよ~」

「お前のネーミングセンスが
 台無しにしてる事、理解しろ。
 後…」

幸の腕を振り落とすと、
ローテーブルの上に置いてあった
ゴーグルに手をかける。

「新規データがあるなら報告しておけ、
 見ずにデータを書き変える所だったぞ」

他のテーブルより少し高くなっている
台形の台に移動させ、
近くのモニターを操り始めた。

「え? そんなのあったっけ?」

すっかり忘れているが、追跡を始めたのは

『パシャ…!』

あの音からである。

あぁ~!あれだぁ~

「…やれやれ…」

『ピッ…』

一つボタンが押されると、
モニターに幸撮影のデータが映された。

「あ、この…」

見えた少女の姿に反応を示すのは、

小娘ッ!

誰よりも金が先であった。

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