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「ひとり情シス」の存在は、IT関係者であれば何となく認識はしていたと思います。しかし、正確な実態は分かっていませんでした。
ひとり情シスを語る上で、企業規模を前提として話の文脈が変わってきます。一般に中小企業は、従業員100人以下の規模を指します。日本の企業のうち99%は中小企業が占め、およそ400万社に達します。
中小企業では、専任のIT要員が1人もいないケースがほとんどで、他の業務と兼務している場合が多いと思います。1人でも専任のIT要員がいれば、とても恵まれた環境で良好な状態だと言う人もいます。
また、従業員数1000人超の企業数は、中小企業の1000分の1に当たる約4000社です。この企業群では、一般にIT要員が複数人おり、情報システム部門のような組織形態で運営されているケースがほとんどです。
逆説的に言うと、従業員数が100人を超えると大企業と呼ばれます。従業員数100~1000人までを中堅企業と呼ぶことが一般的ですが、きちんと定められた定義はなく「大企業のうち、小規模のところ」「中小企業のうち、大規模なところ」のような感じが実情でしょう。しかし、最近では、中堅企業という言葉の響きが必ずしも好意的に捉えられているわけではありません。
最近の若者の大手志向などもあり、採用に苦労することも多いようで、「うちは中堅企業ではありません」とキッパリ言い切るところもあります。そのため、呼び方がとても難しいのですが、ほかに適したものが見つかりませんので、以降は従業員数100~1000人の企業を中堅企業と呼びます。
従業員100人超の企業はおよそ4万社に及び、その93%が中堅企業に相当します。この企業規模に絞ってIT部門の実態調査をすることにしました。
自社のIT部門の実態を外部に公表することを好む顧客企業ばかりではありません。特に「IT担当者が1人しかいない/1人もいない」といった情報は積極的に開示したいものではないはずです。
顧客企業と懇親会などで直接話を聞かせていただくと、IT要員の確保や採用といった話題が必ず出ます。その中で、「他社の実情はどうなのか?」という質問も多くいただきます。他社の状況を考慮した上で、経営層に提案するための参考情報にしたいというわけです。そのような経緯もあって、中堅企業を対象にしたIT投資動向調査を実施してみようとなりました。
初回の調査結果(2017年2月発表)によると、IT要員が1人だけの中堅企業が全体の14%を占めていました。ここだけ見ていると、それほど多くないのではないかと思ったのですが、専任担当者が1人もいない企業が13%に上っており、双方を合わせると27%に達することが分かりました。そうなると、全体の3分の1の企業がひとり情シス未満という実態が浮き彫りとなりました。
ひとり情シスを抱える企業が想像以上に多いことが判明しました。しかも、100人規模の顧客企業ばかりでなく、300人規模や500人規模の企業でも少なからず見られました。専任担当者が1人もいない企業では、他の業務と兼務している実情も明らかになりました。
実際、多くのひとり情シスの方々と名刺交換をするのですが、そこにはさまざまな部門名が書かれています。情報システム部門の名称としては、「情報システム部」や「システム課」が一般的です。「管理本部 総務部」「経理部 システム課」「総合企画本部 業務推進室」というように多少は関連性を想像できる部門もあります。
最近では、「総務人事本部 業務グループ」「総務部 人事グループ」など、一見すると担当部署だと分からないことも増えてきています。それだけ兼務が増えてきていることを、名刺交換をするたびに実感することが多くなってきています。
ひとり情シスの実態を浮き彫りにした「中堅企業のIT関連動向調査」はニュースとして多くのメディアに取り上げられました。SNSで話題になりやすいテーマだったからでしょうか、TwitterやFacebookでもどんどん拡散されていきました。また、ニュース共有サービスのNewsPicksでも識者がコメントを発信し、社会問題として議論されました。
そして、匿名掲示板の2ちゃんねる(現5ちゃんねる)にスレッドが立ち、さまざまな生々しい書き込みがなされました。そのいずれもが、日々の現場で発生している社内でのやり取りを思わせるものでした。
など、どんなに優秀なITの達人でも対応できない問題や要求など、多くのお門違いな質問が寄せられている様子が語られていました。その反面、ひとり情シスからの意見として、
という叫びが多く書き込まれていました。
調査結果を発表したことで、顧客企業から多くの反応をいただき、サンクスメールも受け取りました。ひとり情シスの実情を表に出したことに対して感謝していただけました。
これがきっかけとなり、経営層との対話の回数が増え、深まった議論ができるようになったという声や、これまであまりITに関心がなかった社長から現状の課題などをヒアリングされて、一緒に対策を考えるようになったという感想をもらいました。
この調査には、企業動向の全般、IT担当者数や予算の増減傾向、保有設備状況、クラウド利用状況、グローバル展開計画が含まれています。顧客企業に近しい規模の企業を調査対象としたため、自社との状況比較に役立ったようです。
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