May the force be with you...
撮影現場からの証言
From the Witness of Filming "Episode 1"
この「スター・ウォーズ/エピソード1」特集を編集し終えようとしたまさにその時!…驚くべきニュースが飛び込んできました。この「エピソード1」のロンドン郊外での撮影に参加した日本人がいる! しかも、その人が「エピソード1」体験を話したいと言っている! それでは語っていただきましょう! 「DAY FOR NIGHT」が放つスクープ記事。「エピソード1」撮影の状況はどうだったのか? ルーカスの素顔はどんな印象か? 通訳をしながら役者の仕事もされている岩田芳道さんの貴重な証言をどうぞ!
私の「エピソード1」出演体験記
My Personal Experience in the Filming of "Episode 1"
岩田 芳道
by Yoshimichi Iwata
1997年8月、「スター・ウォーズ/エピソード1」の出演の仕事が入った。
私はつい先頃までイギリスに4年間滞在していて、滞在中に現地の「オリエンタル・キャスティング・エージェント」という東洋人専門のタレント事務所に所属していた。実は他にもヨーロッパの映画やCMに出演している(せりふあり)。 今回、事務所から連絡を受けたとき、正直「スター・ウォーズ」といっても映画の方ではなくTVかイベントの仕事だろうと思っていた。 なぜなら新しい「スター・ウォーズ」が公開されるとは、当時私は知らなかったからだ。
事務所から告げられた場所は、LONDONから北へ急行で50分のところ、WATFORDにあるLEAVESDEN STUDIOだった。 ちなみにWATFORDは何もない田舎町。本当に何もないので事務所へ確認のTELをしたところ、タクシーで行けと言われた。 渋々タクシーへ。イギリスのタクシーは東京と同じ位高い。(タクシー代は事務所から出ず。) タクシーで10分後に何やら広大なバリケードされた空き地と、でかい建物が見えた。「何だここ?」と思っていたら、タクシーはその中へ。 そこの守衛に「どこへ?」と聞かれたので、告げられているとおり「ジャック・プロダクションへ」と答えて、中へ入れてもらう。
ここはとてつもなく広いので、とりあえずSTAFFらしき人を捕まえて連れていってもらう。皆忙しそうだ。外に宮殿のようなジオラマが見える。ここで初めて映画の「スター・ウォーズ」の仕事と気づく。
建物の中には、作成途中の乗り物がある。
「スターウォーズだ。」
「新しく作るんだ。」
プロダクションの責任者と会う。非常に忙しそう。とりあえず席に座らせてもらう。隣に1人、うちの事務所から来たらしい女性がいたので話し掛けてみると、案の定そうだった。中国の人だ。その人によると、どうやらハリウッドは近年、税金が安くあがるのでイギリスやアイルランドまで撮りにくるそうだ。
「そういえば去年SEVEN YEARS IN TIBETや007のオーディションがあったのはその関係かー」とか会話がはずむ。
本日は衣装合わせらしい。衣装部屋でスタイリストのお姉さんの前でパンツ1枚になり、衣装を与えられる。妙な民族衣装のようだ。けど他は変な亀みたいな奴や怪物みたいな奴だ。私の役は「CIVILIAN」。 惑星の住民だ。ちなみに亀みたいな奴や怪物みたいな奴は兵隊。やつらは悪者だ。正義のほうでとりあえずよかった。
その後、髪を切られる。ヘアードレッサーの人によると「オーディションがあって選ばれたのは200倍を突破した奴らだ。君、日本人でよかったね。」なんて話しかけられこの日はおしまい。
数日後、撮影スタート。あたりまえだが映画の仕事は朝が早い。6:30AM集合だ。衣装&メイク完了後、朝食をいただき撮影へ。撮影は外に建てられた宮殿で全て行われた。出演者の層は幅広い。子供からおじいさんまで。みな個性的な方々だ。CGを使うらしくブルーの特大のカーテンが用意されていた。
初日の撮影は兵士に連行されるシーンと階段からおりてくるシーン。エキストラのシーンは助監督が撮る。この監督、腕に障害がある方でいつも懸命に声を出していた。 ルーカスはサングラスをかけっぱなしで無口。(ナタリー・)ポートマンらのシーンの時だけ何かアドバイスをしていた。
ポートマンはやはり美しい。エキストラの方々にも役者志望の人は多く、中にはきれいな方も多いのだが彼女はやはり何か違う。 機会があれば話したかったのだが、残念ながら機会は訪れず。その代わり、待ち時間に子供らにコインマジックを披露していたら主役の子供(アナキン・スカイウォーカー役のジェイク・ロイド)も見ていたので、ひょっとしたら何か彼と話したかもしれない。 今回は天候に恵まれずに待ち時間が長く、キャンセルになったりして大変だった。
皆、終盤はヘトヘト。私達CIVILIANは宮殿で歓声をあげたり旗をふったり主に歩くシーンがメインだった。 撮影は約3週間行われギャラは1日130ポンド(約2万7000円)。 とても疲れた仕事だったが、現場の雰囲気は最高で楽しかった。また機会があれば参加してみたい。
(*F注:「エピソード1」の撮影について、劇場パンフレットのプロダクション・ノートでは、イギリスのリーブスデン・スタジオで1997年夏より開始したとあるので、岩田氏が撮影に参加したこの時期は、おそらく「エピソード1」全体の撮影の最も初期の段階であろうと推察される。撮影されたシーンはしかと特定できないが、おそらく初日の撮影は通商連合のドロイド軍団に占領される惑星ナブーのシーン、そして終盤の撮影はエンディングの王宮前でのどんちゃん騒ぎのシーンだと思われる。)
Every saga has a beginning... 旧「三部作」世代からのメッセージ
Every generation has a legend... 新世代からのコメント
Every journey has a first step... 北米での反応
A long time ago in a galaxy far, far away... 鑑賞の手引き
The Phantom Menace 映画館主・Fはこう見た
to : Review 1999
to : Classics Index
to : HOME