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大阪三大祭り「愛染祭」規模大幅縮小 若者の迷惑行為続き「苦渋の決断」露店見送り、愛染娘募集なし…
更新主催者側は警察からの指導を受け、これまでも露店の店舗数を減らしたり、祭りの終了時間を早めたりして対策を講じてきたが、状況は大きくは改善されず、祭りの大幅縮小に踏み切ることになったという。
祭りに行けば「騒げる」
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愛染祭は、6月末から始まり、大阪三大夏祭りの中で口火を切る祭り。山岡住職は「毎年、最初の夏祭りを心待ちにする人が多いが、若者らのなかには『愛染祭に行けば騒げる』というように考えている人もいるのかもしれない」と嘆いた。
訪れる人のマナーをめぐっては、これまでも各地で問題となってきた。
広島三大祭りの一つとされる「胡子(えびす)大祭」(えびす講)では、平成11年、暴走族の若者らと警察が衝突。広島県警が公務執行妨害などで計45人を逮捕する事態に。この事件がきっかけで、翌年から歩行者天国を廃止するなど祭りの規模を縮小した経緯がある。
一方、京都・祇園祭では、大量のごみが路上に捨てられることが問題になり、26年から、京都市や市民団体などが「ごみゼロ大作戦」と銘打ち、再利用できる食器を用意する取り組みなどを進めている。
市ごみ減量推進課の担当者は「散乱するごみの問題はどの祭りでも直面する。近隣住民への大きな迷惑となり、解決しないと祭りの存続が危ぶまれる大きな問題だ」と話していた。
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愛染祭 「天神祭」「住吉祭」と並ぶ、大阪三大夏祭りとして知られる。593年に聖徳太子が始めたとされ、会場は愛染堂勝鬘院(大阪市天王寺区)周辺。同院の境内にある大阪市最古の木造建造物で、豊臣秀吉によって再建された多宝塔(国重要文化財)では「夏越しの祓えの大法要」が盛大に行われる。