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 カスタムメイドシャツのオンライン販売サービスを手掛ける米オリジナル(Original)は、人体の全身写真に基づいて体の各部位を自動計測できる身体採寸アプリ「Bodygram(ボディグラム)」を開発した(プレスリリース)。計測用のメジャーや専用衣類などが不要で、スマートフォン(スマホ)で全身写真を2枚撮影するだけで採寸が可能。2018年夏のサービス提供開始を予定している。

 今回同社が発表した技術の特徴は、専用計測器や特別な手順を踏まず、スマホ1つで簡単に自動採寸が可能なことである。採寸の手順は、正面と側面からユーザーの全身を写す写真をスマホで1枚ずつ撮り、身長と体重をアプリに入力するだけ。撮影した画像の背景から被写体の体の領域を自動で抽出し、身長と体重の情報と組み合わせて骨格を検出して肩幅や首周りの長さなど全身40カ所を採寸する仕組みである。

Original社が開発した自動採寸アプリ「Bodygram」の概要
全身写真と身長・体重データに基づいて骨格を検出し、全身40カ所を自動計測する(出所:Original社)
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 測定時の服装や姿勢、撮影時の背景などの制約が緩く、様々な条件下で高精度な採寸が可能という。同社は現在、アメリカ合衆国特許商標庁にBodygramの技術を実用特許出願中である。

 Original社はシリコンバレー発のスタートアップ企業で、2014年からカスタムメイドシャツ専門の通販サイト「Original Stitch」を日米で展開してきた。Bodygramはもともと、「ユーザーが既に持っている服と同じ寸法のシャツを製造する」ために同社が開発した画像認識技術で、2017年8月に同サイト上で日本国内向けにサービスを開始した(関連記事:「ファッションをITで変革、米スタートアップCEOの思い」)。ユーザーが私物のシャツをA4用紙と一緒に撮影し、画像をアップロードすると、そのシャツと同じサイズのカスタムシャツを新たに注文できるサービスである。服のサイズを自動計測する当初の技術を、人体の計測に発展させたのが、今回の新技術というわけだ。

正面と側面の2枚の写真から人物の領域を抽出する
撮影時の服装や背景などの制約はほとんどないという(出所:Original社)
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