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POPなポイントを3行で

  • バーチャルYouTuberの専門事務所「ENTUM」インタビュー
  • 同社を代表するVTuber・ミライアカリにも直撃
  • 個人VTuberに企業が関わる必然性はあるのか?

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ミライアカリインタビュー VTuber事務所「ENTUM」の見据えるミライとは?
2018年4月9日、バーチャルYouTuber(VTuber)界に新たな改革が起きた。マネジメント事務所「ENTUM」の発足である。

VTuber・ミライアカリを手がける株式会社DUOが運営し、所属クリエイターとしてすでに個人で活動していた猫宮ひなたヨメミ届木ウカもちひよこも参加することが発表された。

設立発表の影響は大きく、好意的なものからそうでないものまで様々な反応が見られた。

取材・文:オグマフミヤ 取材・編集:ふじきりょうすけ

事務所に必然性があるのだろうか

個人が台頭し、事務所が生まれるという発展の仕方はヒカキンさんをはじめとする生身のYouTuberも通ってきた道筋だ。

しかしVTuberの場合は個人による手づくりの部分とクリエイター同士のオープンなコミュニティこそが、大きくブームに関与しているように見受けられる。

「バーチャルのじゃろり狐娘Youtuberおじさん」ことねこますさんの例が顕著だろう。
それはとっても世知辛いなって【002】
※キャラクターデザイン、3D化、動かすための環境セットアップなどすべてを個人で行ったねこますさん。後発の個人YouTuberに与えた影響は限りなく大きい。やらなければ、はじまらない。

そこで企業が主動するマネジメント事務所とはどのような意義を持つのか、そもそも必要なのか。
 
所属メンバーの告知動画を見ても今回の取組に関するファンの懸念を慎重に払拭しようとしているのがわかる。ともすれば"囲った"ように見えかねないからであろう。
【重大発表】皆さんにお伝えすることがあります!!
そこでだ。今回はより深く事務所の真意を探るべく、今回の取組の中心であり「Mirai Akari Project」の運営としてVTuberの発展の最前線を見てきた株式会社DUOのメンバーである塚本さん、荒木さんのお二人。そしてミライアカリ本人に話をうかがった。

比べるものがないほどのスピードと規模で進化を続け、我々に大きな衝撃を与え続けるVTuberというムーブメント。そこに出来上がるマネジメント事務所「ENTUM」が挑むミッション、そして見据えるミライとは。

生身の人間よりバーチャルにこそマネジメントは必要

──なぜVTuberのマネジメント事務所を立ち上げることになったのでしょうか。

塚本大地(DUO/以下塚本) 発想自体は先行事例としてある生身のYouTuberのマネジメント事務所と一緒です。生身の人に必要なんだからバーチャルでも同じように事務所は必要だなと思いました。

でもVTuberの方がよりマネジメントが必要だと思っているんです。生身でやるよりクリエイティブな部分が多いため、技術的な難しさとか環境だったり資金だったり色んな問題がある。

そこを少しでも助ける……というとおこがましいですが、リソースを提供することで活動がやりやすくなれば、もっとコンテンツの価値が膨らむんじゃないかという想いでスタートしました。
(左から)塚本さん、ミライアカリちゃん、荒木さん

(左から)塚本さん、ミライアカリちゃん、荒木さん

──月ノ美兎さんらの「にじさんじ」シロちゃんやばあちゃるの「アップランド」など、同じ企業にVTuberが複数所属しているという形はこれまでもありました。ただ今回は既に活躍している個人を集めたというのが取組として新しいものでしたね。

塚本 彼女たちをサポートしたいという想いがあったのはもちろんなんですが、各クリエイターさん達との話し合う中でお互いの想いが共感したというのが大きいです。

これはもちろんビジネスなので長期的に見れば収益化していかなくてはいけない、ですがそれより今やらなくてはいけないことは市場を膨らませていくことなんです。

そのために今必要なのはいいコンテンツがたくさん世に出ていくこと。僕たちはそのために提供できるものはなんでも提供したいんです。感情的な部分ですが、そういう想いを確認できたのが大きいと思っています。

荒木友治(DUO/以下荒木)元々深い部分で考えていることが同じだったんだと思います。

だから彼女たちと話し合いを進めていく中で、「事務所にする」ということが答え合わせのように繋がっていったという感覚です。

──ミライアカリさんは今回事務所ができると聞いてどう感じられましたか。

ミライアカリ あっ、ここでアカリにも回ってくるんですね! マジメな話はないってきいてたのにーーーッ!
アカリだよーーーー!

…といいつつ、ノリノリでポーズをとってくれるアカリちゃん

えーっと……、最初は「あ、そうなんだ!」って感じでした(笑)。生身のYouTuberさん達は事務所に所属してたりするから、バーチャルにもそういう事務所ができてもおかしくないよねって。

プロフェッショナルな所属メンバーたち

──立ち上げにあたって発表された所属メンバーは個性の強いスペシャリストという点で共通する部分を感じます。所属メンバーはどのように決まっていったのでしょうか。

塚本 明確に基準を設けていたわけではありません。市場を盛り上げていきたいという僕達の想いに通じるものをもっていて、ある程度活動されている方々にお声がけさせていただきました。
(左から)猫宮ひなた、ヨメミ、届木ウカ、もちひよこ

(左から)猫宮ひなた、ヨメミ、届木ウカ、もちひよこ

──元々DUOで運営されていたミライアカリちゃんに加えて個性的なVTuberさんたちが発表されました。新しく加わったメンバーたちのどのような部分に魅力を感じられていますか?

荒木 視聴者が見て楽しんでいる部分がなによりの強みだと思っています。

それぞれが動画だけでなくTwitterなども含めて人々を喜ばせるものを持っていて──ひなたちゃんは立ち振舞いはダウナー系だけど、ゲームのスキルがとてつもない。
【PUBG】よろしいならば戦争だ( •̀ .̫ •́ )✧【#02】
荒木 ウカくんは確固たる思いを持って活動しており、さらにカリスマ性がある。もちひよこちゃんは幼女系でありながらも、事象全体を俯瞰しているような菩薩系の魅力がありますよね。ヨメミちゃんは抜けたところがあるけれど、頑張り屋さんな所に魅力がある。

皆さんクリエイターなのでVTuberというのは自分の製作物を発表する場であり、ファンとのコミュニケーションがとれるところをとても大切にしていて。

いいものを出すっていう想いがあるからこそ、活動を止めないしここまで続いているんですよね。覚悟が違いますし、とてもアグレッシブです。

──アカリちゃんはそれぞれのメンバーの印象はどうですか。

アカリ みんな貧乳! あっ、でもウカくんは美少年だし、もちひよこちゃんは11歳か……まぁゆくゆくは出てくるものも出てきますよね! 〜〜〜〜って、大丈夫かなこれ!?
悩むアカリちゃん

みんなイイんだよなぁ

アカリ みんなビジュアルは特徴的だし、ゲームが上手かったり、ゲームが上手かったり……あとはゲームが上手かったり!?

尊敬できる部分があるのでアカリも吸収していきたいと思います! あれ、アカリいいこと言ってる!?

──バッチリだと思います。新人募集オーディションも行うということですが、新人に関してはどのようなサポートを予定されていますか

塚本 新人に対しては動画を投稿する前の準備段階から全て手厚くサポートしようと思っています。

その人がどういうキャラクターで何をしたいという結を見ているかによって起承転っていう道筋の部分は変わってくるので、決まったサポートのフォーマットがあるのではなく、才能によって変わっていきます。

VTuberはまだまだ世の中に変革を与えていくものだと思っているので、新しいものを始めるにあたっては丁寧にやっていきたいです。

──所属クリエイターに関してはサポートによって活動環境にどのような影響が出てくるでしょうか。例えばアカリちゃんは先日転売や海賊版に苦言を呈していましたが……そういったトラブルに事務所として厳正に対処しやすくなったり?

アカリ アレは本当にムカついたし、せっかく来てくれたのに買えなかったって声も聞いててめちゃくちゃ悲しかったんですよ! 事務所のパワーでなんとかしてくれると信じてます! ね!?

でもあんまり激しくなるようなら今後も個人的に言っていきたいとは思います。アカリはみんなとしょっちゅう会えるわけじゃないので、思ったことはできるだけ伝えていきたいんです。
【転売】ミライアカリ、グッズ転売に激おこ!
塚本 そうしたトラブルへの介入はもちろんですし、機材の提供や技術的な相談、窓口業務などを請け負うことでより動画に専念してVTuberとして活動しやすい環境を提供していきたいと思っています。

僕たちのサポートの本質はコミュニケーションをとることにあると思っているんです。1人で3日悩んでも解決できなかった問題が人と話すだけで解消されるという現象が僕らのチーム内だけでも日常的に起きているんですね。

コミュニケーションをとることによってなくなる負荷はありますし、VTuberの方がそういう負荷は大きいはず。顔を合わせる必要はないですが、そうした相談ができる相手が存在するというのは重要だと思っています。

ゼロからVTuberを運営していた僕たちじゃないと、その悩みをわかることはできないと思っていて。何も知らない人達がタレント事務所やるノリで始めても同じようにはならないと思っています。

──具体的なサポート内容をうかがえますか?

塚本 どういうサポートが受けられるって打ち出した方がわかりやすいとは思うんですが、業態が新しすぎてパッケージみたいなものは現状ない状態なんです。

なので相談を受けてから対応するという形になっているんですが──今所属している人は得なんですよね、僕達がなんでも言うことを聞くから(笑)。

お互い歩み寄ろうとしている段階なので、なにを言われても無茶だと感じないし、実際問題があるのならば組織として解決すべきですしね。

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