トップ > 長野 > 5月9日の記事一覧 > 記事

ここから本文

長野

岡谷・塩嶺小鳥バスの運行開始 小鳥のさえずりや野花が魅了

野鳥観察を楽しむ参加者たち=岡谷市塩嶺の県小鳥の森で

写真

 岡谷市塩嶺の県小鳥の森をバスで早朝に訪れ、野鳥を観察する「塩嶺小鳥バス」の運行が6日、始まった。県内外から90人が参加し、小鳥たちのさえずりや野に咲く花を観賞した。

 毎年五、六月の日曜日に運行する同バスは今年で六十五回目。日本野鳥の会諏訪支部長の林正敏さん(74)が案内役を務め、参加者は午前六時ごろ塩嶺閣を出発。双眼鏡やカメラを手に一時間半かけて探鳥路を歩いた。

 新緑が映える森は今、東南アジアなどから飛来した夏鳥たちがさかんにさえずっている。林さんは野鳥たちの鳴き声から種類を聞き分け、生態や行動を紹介。スタッフが図鑑を広げ、羽根の色など見分けるためのポイントも伝えた。

美しいさえずりを響かせたキビタキ=岡谷市塩嶺の県小鳥の森で

写真

 また林さんは野鳥に関する面白い話題を次々に披露。サンショウクイは「ピリピリ」と鳴くことから、サンショウの実を食べてひりひりしている様をなぞらえて名付けられたと説明した。

 森では過去三十年で百十種類の野鳥が確認されている。この日はキビタキやクロツグミ、サンショウクイなどのさえずりが聞こえ、飛び交うメジロやシジュウカラも観察した。池の近くではカワセミが繁殖の準備をしているという。

 またウバユリやコブシなど自生する植物の名前や特徴も案内。青紫色でかれんなフデリンドウや白いエンレイソウの花が各所で見られ、参加者を喜ばせた。

 野鳥保護に長年取り組む林さんは、一九八三年から小鳥バスを通じ野鳥の魅力を伝えている。二十回以上参加している同市今井の高校教諭高木保夫さん(60)は「林さんの五感の鋭さは大変なもの。一緒に森を歩くと、さえずっている鳥や足元に咲く花など、一人では見えないものが見えてくる」と話していた。

青紫色のフデリンドウ

写真

 小鳥バスはJR上諏訪駅西口、下諏訪大社通り四ツ角、JR岡谷駅、岡谷市役所などを経由し県小鳥の森に向かう。上諏訪から乗車の場合は千二百円、下諏訪、岡谷からは千円。小学生は半額。双眼鏡を貸し出している。(問)市商業観光課=0266(23)4811(内線1456)

(福永保典)

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

新聞購読のご案内

PR情報