なんか最近、オルゴナイトとかいうスピリチュアルな物体が話題になってるそうですよ。
その割にはまったく話を聞きませんけどね。
本日、たまたまそのオルゴナイトとやらを紹介している記事に出会いまして、調べてみたらあまりにも内容がはちゃめちゃで面白かったので、紹介したいと思った次第です。
オルゴナイトとは
「動力を必要とせず、常にマイナスイオンを放出する装置」
オルゴナイトは
特殊な製法で作られた場を調整する製品です。
環境の中に存在する
ネガティブなオルゴンエネルギー
(Dead Orgone=DOR)を
ポジティブなオルゴンエネルギー
(Positive Orgone=POR)に変換します。
>「動力を必要とせず、常にマイナスイオンを放出する装置」
なにそれすごい。
この一行目から笑わせに来る感じ、嫌いじゃない。
そんな永久機関が発明されていたのならノーベル賞ものだし、マイナスイオンの存在自体が疑似科学の代名詞だしで、ツッコミどころ満載ですが、とりあえず読み進めて行きましょう。
>ネガティブなオルゴンエネルギー(Dead Orgone=DOR)を
>ポジティブなオルゴンエネルギー(Positive Orgone=POR)に変換します。
ちょっとまって理解が追いつかない。
オルゴンエネルギーってなに?
オルゴンエネルギーとは
わからなかったので調べてみました。
オルゴン(Orgone) は、精神医学者ヴィルヘルム・ライヒが発見したとする自然界に遍在・充満するエネルギーのこと。 オルガスムス(性的絶頂)からオルゴンと名づけられた。オルゴンは性エネルギー、生命エネルギーであるとされ、病気治療に有効であると考えられた。
>オルガスムス(性的絶頂)からオルゴンと名づけられた。
あっ、はい。
1951年、ライヒはラジウムの放射能を中和できるものと期待して実験したところ失敗した。検体は死に、研究員は吐き気や頭痛で研究所を退去した。このとき発生したものをOrgone Anti-Nuclear Radiation(反放射性オルゴン)略称Oranur(オラナー、オラヌール)とライヒは名づけた。オラナーはひとに不快感を催させるため、研究所には人が入れなくなった。
>ラジウムの放射能を中和できるものと期待して実験したところ失敗した。検体は死に、研究員は吐き気や頭痛で研究所を退去した。
まって、被爆してる。
1954年、ライヒはFDA(アメリカ食品医薬品局)から訴えられる。オルゴン・アキュムレーターの販売が、がん治療機の不法製造販売にあたるとされたのだ。1957年、裁判所の命令に従わなかったため、ライヒは投獄され、同年11月3日コネチカット刑務所で心臓発作を起こし死亡した。
> ライヒは投獄され、同年11月3日コネチカット刑務所で心臓発作を起こし死亡した。
発見者投獄されてる!
ちなみにオルゴン・アキュムレーターというのは、オルゴンエネルギーを効率的に集積・放出することができる装置のことで、癌からEDまで、なんでも治せる装置らしいです。
なんといっても構造がすごい。
木で出来た箱の内側に金属の板を貼り付けただけ!
このオルゴン・アキュムレーターの中に入るだけで、癌が治るらしいです!
・・・そりゃ捕まるわ。
とりあえず、オルゴンエネルギーは自然界に存在する、目に見えないエネルギーとのことでした。
はいはい。
オルゴナイトのしくみ
気を取り直して、オルゴナイトの話しに戻りましょう。
オルゴナイトは「有機物(樹脂など)は生命エネルギーを吸収し、無機物(鉄などの金属)はエネルギーを放射する」という仕組みに基づき、金属片と天然石を樹脂で固めて作られています。
>「有機物(樹脂など)は生命エネルギーを吸収し、無機物(鉄などの金属)はエネルギーを放射する」という仕組み
初耳です。
まず有り得ません。
まず、オルゴナイトの材料として、「水晶」と「レジン」があり、「レジンは固まると収縮する」という性質を使って、水晶にある作用を起こします。
オルゴナイトの基本的な作り方として、水晶とレジンやその他必要な素材をシリコンの型に流し込み、レジンが固まるのを待つのですが、固まったレジンが収縮することにより、中に入っている水晶に常にぎゅーっと圧力が掛かり続ける状態になります。
水晶は圧力が掛かると「微弱電位」を発生するといった性質があり、これを「圧電効果」又は「ピエゾ効果」と呼ばれているそうですね^^
文章だとわかりづらいので、イラストにしました。
これがオルゴナイトです!
オルゴナイトの中で起こる具体的なエネルギー変換のながれとして、
- 樹脂などの有機物がネガティブなエネルギーを吸収。
- 水晶のピエゾ効果で発生した「微弱電位」により、ネガティブエネルギーがポジティブエネルギーに変換される。
- 金属クズなどの無機物を伝って、変換されたポジティブなエネルギーを放射する。
このような作用が永続的に働き続けることで、オルゴナイトの周辺をパワースポット化してくれると言われています。
>水晶のピエゾ効果で発生した「微弱電位」により、ネガティブエネルギーがポジティブエネルギーに変換される。
ピエゾ効果というのは、水晶などが変形する際に電荷が発生する現象です。
紫外線硬化樹脂で水晶を固めた圧力により電荷が生じるというのは、まあ100歩譲って理解出来ます。
が、
>このような作用が永続的に働き続けることで
なにを言っているんだお前は。
水晶に加えた圧力で電荷が生じたとしても、それは一回きりです。
電荷を発生させ続けるためには、連続的に圧力を加え続ける必要があります。
物質の変形にも限りがありますので、圧力を加える方向も変え続けなければなりません。
それを、樹脂で固めただけで、出来たら誰も苦労してねえよ。
この時点でオルゴナイトの理論は破綻していますが、本当に面白いのはまだまだこれからです。
オルゴナイトの効果
オルゴナイトの効果として挙げられているものとして
- ネガティブな思考からの脱却
- 生命力の向上
- 植物の成長を促す
などがあり、どれもこれも胡散臭いものばかりなのですが、ひとつ興味深い記述を発見しました。
電磁波等の有害なエネルギーをオルゴナイトは吸収し、埋め込まれた水晶を通り浄化され、ポジティブなオルゴンエネルギーへと生まれ変わります。
>電磁波等の有害なエネルギーをオルゴナイトは吸収
なんと、電磁波を吸収するらしいです!
すごいことですよ、これは!
電磁波というのは波長によって呼び方がいろいろ変わるのですが、私達の目が認識する「光」や、携帯などで使う「電波」、これらも全て電磁波の一種です。
それらを吸収するってことはですね。
闇です。
オルゴナイトの周辺は完全なる闇に覆われ、その効果範囲から脱出しない限り、何も見ることは出来ません。
そしてオルゴナイトの効果範囲がだいたい半径3m前後らしいですので、面積にしておよそ28平方メートル。
だいたいホテルのツインルームくらいの広さでしょうか。
オルゴナイトひとつで、それだけの空間が闇に包まれます。
恐ろしい。
また、電磁波の影響を遮断するための本格的で強力なパワーの「タワーバスター」と「聖なる手榴弾」というものもあります。聖なる手榴弾はたった1個で半径1500mも浄化します。オルゴナイトは「世界を救う現代の錬金術」なのです。
効果範囲が半径1500mにも及ぶ、強力なタイプもあるようです!
半径1500mということは、面積にしておよそ7平方キロメートル。
ちょっと規模が大きくなりすぎて想像し難いですが、7平方キロメートルは700ヘクタール。東京ドームで換算すると150個分もの広さにもなります。
それだけの広範囲に広がる闇。
もはや阿鼻叫喚です。
何も見えず、携帯で連絡を取ることも出来ず、通信系の機械は全滅。
テロなどをするには非常に有効な兵器だとは思います。
「世界を救う現代の錬金術」の名は伊達じゃないですね。
もちろん、そんな効果もありませんが。
そして気になるお値段は
まあ、こんなものが実在していたら規制されることは間違いないので、要するに全て嘘っぱちですよ。
科学的根拠に乏しい、エセ科学(疑似科学、ニセ科学とも)の産物です。そもそも本当だったら写真に映らないし。
「現代の錬金術」とかのたまってますけど、まさに錬金術ですよね。これを売って儲けてるんだから。
頭の弱い人間を騙して大金を奪い取る、詐欺師の常套手段です。
ほんと、こういう商売は許せません。
このオルゴナイトも、値段が気になって調べたら、なんと元値が25,000円です。
高品質 ピラミッド オルゴナイト レイキ マントラシンボル 置物 【ヒマラヤ水晶】1個
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水晶と金属片をレジンで固めただけの物体ですよ。
騙される人いるんですかね・・・?
いるからこんな商売がなくならないんだろうなあ・・・
コメント
科学的にってどこが?
しっかりとした科学的根拠に基づいて批判してくれると思ったのに残念。
こういうのは東大生とかにやって欲しいな。