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花物語するがデビルの考察です。 ◆花物語 超ネタバレ感想◆ この花物語、個人的に一番注目していたのは 作品全体の空気明るいのか暗いのか という点でした。 明るい神原ベースの物語なのか 暗い神原ベースの物語なのか ということなんですが やはり順当に暗い神原ベースからのスタートでした。 まずはこの点について考察。 するがモンキーのラストにおいて 神原の暴走は止められましたが しかし神原の根本的な問題は 解決されていませんでした。 戦場ヶ原に受け入れられたことで 暴走はしなくなったものの もともとのドロドロした部分が なくなったわけではないからです。 そのドロドロこそが怪異の本質的部分。 レイニーデビルが棲み憑いている原因。 戦場ヶ原の行動によって解消されたのは あくまで阿良々木くんに対する憎悪の感情。 対症療法にすぎない。 困ったことがあったときに 悪魔にすがったりせず 自分をしっかりと持って 強くいられるようにならなければ また悪魔が発動してしまうかもしれないし なにより神原の心は病んだまま。 そういう意味で根本的な問題は解決されてない。 ここが、ひたぎクラブにおいて 根治とまではいかないまでも 問題の核心部分が解決した 戦場ヶ原との違いであり つばさキャットにおいて 問題が一時的にしか解決しなかった 羽川との共通点。 なので、今回の物語は ドロドロした暗い部分を神原自身の手で解決する そんな物語になるのが必然でした。 だから、神原がその暗い面をベースに話を進めていくのが ストレートで順当。 もっとも、西尾維新なら あえて明るくて乙女な神原からスタートして 物語の途中から根底にある暗さをあぶりだす そんなパターンもありえるかな と思ってたんですが 意外と(?)順当な方で来ましたね。 さて、前回の感想でも書いたとおり 花物語のテーマは多岐にわたっていました。 先輩達からの卒業の仕方 過去の過ちとの付き合い方 他人から見た自分と自分の中の自分 視点次第で揺れ動く正しさ 正解が分からないときの行動の選択 願いごとの選択の意味 母が言いたかったこと などなど これまでのシリーズとはうって変わり 物語が進むにつれてどんどん テーマが拡散していくような印象。 そのせいで 結局なにがどうなってどう落ち着いたんだっけ?? というすっきりしない読後感が残る。 でも、それぞれのテーマは しっかり連関していて 終盤、大きな一本のテーマに収束する。 それは、自分を知る、ということ。 この点、猫物語(白)羽川の物語も 同じく「自分を知る」ということが 大きなテーマになっていましたが その具体的な意味は正反対ともいえます。 この点についてちょっと説明します。 神原は素直で馬鹿な子です。 (そういう設定ですよね?) 実際、自分で色々と考えるわりに 考えをうまくまとめられない。 憧れの人に影響されるし 他人の意見に左右される。 だから、戦場ヶ原と同じような髪型をし 阿良々木くんを慕って行動の真似をします。 また母の言葉に反発しつつも引きずられ 沼地の歪んだ正論を切り捨てられない。 さらには、阿良々木くんに対する暴行という 自分の過去に縛られて 自罰的・内罰的になってしまう。 つまり猿の手に苦しめられることが 責任の取り方の1つだと思ってしまう。 憧れている人に大きく影響され 他人の意見に必要以上に耳を貸し 自分の過去に縛られる。 こうなってくると 自分の意思がどこにあるのかわからなくなってしまう。 自分がどう行動していいのかわからなくなってしまう。 羽川は、自分の自分たる部分を 切り捨て削ぎ落とし自己を極小化していきました。 神原は逆に、他人や過去といった今の自分以外の要素を 受容し取り込み収拾がつかなくなっていきました。 なので、羽川の物語が 削ぎ落としていった自分を 受け入れるまでの物語であるのに対し 神原の物語は 膨らんでしまったしがらみを 断ち切って自分のコアを確認する物語。 似ているようで正反対の方向。 このあたりのことを念頭に 217ページ以下をもう一度読んでみると 神原がどのように成長したのかが はっきり見えてくると思います。 ぼくが今日言いたいのはこのことでした。 以下は、上で言ったたことを エピソードに沿って敷衍したもの。 ただし、ちゃんと文書に起こすのが面倒で ぶつ切りのメモ書きになってます。 なんとなく言いたいことのエッセンスを 感じ取ってください。。 沼地はある種正しい。 神原は相手の言い分も分かってしまうから 行動できなかった。 だけど、神原は困っている。 なら、神原が行動を起こすのには十分。 ・・・という気付き。 しがらみからの解放。 他人の意見はあくまで他人のもの。 あくまで自分の意思で動くべき。 ただしその人の期待に応えたいという 「自分の意思」があるなら 他人の意見をきっかけに行動を起こすのもいい。 また他人の意見に自分が納得したなら その意見を自分のものとして行動するのもいい。 阿良々木くんが 「納得できないなら戦え」と言ってるのに対し 「納得したから戦う」と答える神原(231頁) 同じコトを言ってるのに 字面からは逆のコトを言ってるように見える。 このへんの言葉遊びが今回一番ヒット。 過去は過去。 過去の出来事から何かを得たら そこに縛られず、場合によっては忘れて構わない。 過去の罪との付き合い方は 自分を痛めつけることではなく 過ちを「今の自分」の糧にすること。 薬になれなきゃ毒になれ。 でなきゃあんんたはただの水だ。 自分の意思をはっきりもって行動すること。 結果として善になるか悪になるかは知らないけど 無色透明無味無臭でいるのではなく 自分が何を願って行動するのか、が大切。 猿の手もそのために遺した・・のかもしれない。 沼地は神原にとって憧れだった。 それは、他人に流されず自由に振舞えるから。 他人に影響される神原と逆だったから。 神原はこの花物語において 盲目的に阿良々木くんに慕うことをやめ 戦場ヶ原と同じでいたいと思うことをやめました。 ‘怪異とともにあり続ける阿良々木くん ロングの髪が印象的な戦場ヶ原(当時)’ この2人の猿真似をしていた神原が 怪異が離れれることを自らの意思で良しとし そしてロングにした髪をバッサリ切りました。 (おおっ、うまいこと猿にひっかけられた笑) 本来怪異が外れるのは 自分の根本的な問題が解消してから。 唐突に外されてしまった神原は戸惑ったものの 最後には怪異が解消するに見合う成長を遂げた。 困ったことがあっても 他人の意見に頼ったり 悪魔に頼ったりせず 自分の意思で行動できるようになった。 以上まとめると 君を知り、解きはなつための物語 ということですね。 ブックケースに書いてある一行詩(?)は まさにこの物語の本質を突いてますよね。 自分の意思がどこにあるのか これに自覚的になることで 怪異から完全に解放され 先輩達から卒業し 母の言葉をいなせるようになった。 ・・ということですね。 以上、メモ書き終了。 一応最低限伝わるように書いたつもりだけど 意図が分からない部分は言ってください。 コメント欄でフォローします。 本当は沼地と阿良々木くんの相違点とか シリーズ通してのテーマと今回のテーマの関係とか 考察してみたかったんですが うまく書こうと思うと だいぶ労力がいりそうなので また気が向いたらということで。 ~花物語 超ネタバレ感想~ ←前の記事:するがデビル一言感想 次の記事:なでこについての雑記→ 当ブログの化物語シリーズのほかの記事 ⇒[化物語シリーズ感想記事一覧] |
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フェラガモ アウトレット 2013/07/03 12:25 |
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お久しぶり?です! |
Mr.Kids 2011/04/11 01:21 |
そんなどうでもいい話は置いといてw、今回も素晴らしい考察、ありがとうございます! |
Mr.Kids 2011/04/11 01:22 |
Mr.Kidsさん、いつもコメントどうもです! |
神場@管理人 2011/04/15 00:08 |
こんにちわ。 |
しあ 2012/03/11 20:09 |
しあさん、はじめまして! |
神場@管理人 2012/03/12 23:58 |
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