キャンピングカーで10日間暮らしてわかった!キャブコン・バンコン・軽キャンパーの3タイプで実践【キャンピングカー大全】
キャンピングカー大全
キャンピングカーがやたらと盛り上がっている。が、まるで家ごと移動できる浮かれた乗り物なんて、ちょっと他人事だと思ってないだろうか? 実は本誌ではキャンピングカーを、そんな“アクティブじゃない人”たちにオススメしたい。なぜなら、普通の人の何気ない日常をワクワクに変え、インドア気分で目的地へ連れ出してくれる『どこでもドア』だからだ。今はどこに出掛けるにも一番気持ちがいい季節。だからこそ、キャンピングカーを手に入れて、家族や友達、恋人と遊びに行ってみてはいかが?
キャンピングカーで10日間暮らしてみた
実際にキャンピングカーを生活の中に取り入れると、どんな変化が起こるのか? キャブコンとバンコンの使い勝手の違いは? など、導入にあたって気になる部分を実際にライターが体験。キャブコン、バンコン、軽キャンパーの3種類を合計10日間体験して乗り比べてみた。
暮らしてみたのはこの3台
キャブコン
ネクストライフ
CG565
トラックなどの貨物車をベースにキャビン部分を架装したものが多いキャブコンだが、今回はトヨタ『グランドハイエース』をベースとしたものを体験。最大6人まで乗車でき、6人が同時に就寝可能だがトイレとシャワーは非搭載。
バンコン
ネクストライフ
538プレミアム
トヨタ『ハイエース』などをベースとしたバンコンは、サイズや装備などを豊富に選べる。今回借りてみたのは、ワイドボディのスーパーロングというかなり大きめのサイズ。6人乗車で4人が就寝可能だ。
軽キャンパー
ステージ21
リゾートデュオ バンビーノ
車中泊向けのモデルなら150万円くらいから選択肢がある軽キャンパーだが、今回試用したのは軽の中ではキャブコンに当たるモデル。ポップアップルーフを備え4人乗車と4人就寝が可能で、価格は297万円〜。
バンコン、キャブコンをレンタルするなら
ネクストライフ 熊谷本店
TEL:048-577-5279
埼玉県熊谷市武体28
http://nextlife-camper.jp/
料金
バンコン 平日・1万6000円、土日祝・2万円、夏季ハイシーズン・2万4000円
キャブコン 平日・1万8000円、土日祝・2万2000円、夏季ハイシーズン・2万6000円
北海道から四国まで全国に5カ所のレンタルキャンピングカー店舗を展開。キャブコンだけでなくバンコンのレンタルも行なっており、使用方法や運転する上での注意点なども丁寧に説明してくれる。
軽キャンパーを買うなら
ステージ21
TEL:042-763-0061
神奈川県相模原市中央区上溝2256-1
http://www.stage21.co.jp/campdev/
軽キャンパーやコンパクトなバンコンを得意とするキャンピングカーショップ。軽自動車扱いのトレーラー『幌馬車くん』などユニークな商品も展開している。
■キャブコン編
居住性の高さは圧倒的だが、運転・駐車には注意が必要
キャンピングカーの代名詞的存在であるキャブコンは、室内スペースが広く、自宅にいるような居住性の高さが売り。ただ、サイズが大きくなる分、運転や駐車には気を遣う部分が多く、普段の買い物などに使うのは厳しそうだ。
全長が565cmで、全幅209cmというサイズは少し狭い駐車スペースには収まり切らない。高速のPAなどなら駐車可能だが、隣に大きめのクルマが駐めてあるとちょっと難しく感じるくらい。慣れというより、絶対的なサイズが大きいのだ。
キッチンスペースの装備も充実しているので調理なども、自宅同様にできてしまう。設備の整っていない場所で宿泊する場合や、災害時のシェルターとして考えると、この装備はかなり魅力で、まさに家を増築したような気分が味わえる。
身長175cmの筆者でもキャビンでは普通に直立できてしまう。“家気分”でいられるのは、このことが大きな理由だ。キャンプに出かけて外が雨だった場合でも、車内で過ごせるのは出かけたときに大きなポイントとなるだろう。
車体サイズが大きい分、スペースにはかなり余裕がありテーブルなどを使いながら4人が寝られる居住性は圧倒的。ベッドに展開するなど手間をかけなくても家族4人であれば余裕で暮らせてしまうほどだ。このスペースはかなり魅力的。
今回乗ってみた車両の中で、子どもが一番喜んだのはこの車種。車体後部の2段ベッドのほか、ハシゴを使って登る上部のベッドなど、子どもの好きそうなギミックが満載で、しばらくは車内を探検気分で移動しながら遊んでいた。
運転する上で一番気を付けなければならないのが横風。高さが3m近くあるので、高速道路などではかなり横風の影響を受ける。「ネクストライフ」では上限速度を時速90kmとしており、高速を飛ばして移動するのは得意ではない。
運転や駐車にはかなり気を遣うので、これ1台で普段の買い物などまでこなそうとするのはちょっと難しそう。足として使うクルマを別に用意しておくか、休みの日にレンタルで使うというのが現実的な選択だろう。
■バンコン編
普段の使い勝手や高速移動もこなす高バランスモデル
『ハイエース』などをベースとしたバンコンは、使い勝手と居住性のバランスが優れているのが魅力。高速道路での移動もキャブコンほど注意をはらう必要がないので、移動距離が長い人にもおすすめできる。
今回借りたのはワイドボディのスーパーロングだったため、狭い道での運転には気を遣う必要があったが、高速道路は時速100kmでも不安が少ないため移動距離が長くても快適。シート下にタイヤがある車体は慣れれば運転もしやすい。
全幅は188cmなので一般的な駐車場にも収まるサイズ。ただ、全長は538cmあるので少しはみ出してしまう。車庫入れの際には、前方のスペースにも余裕が必要なので、あまり狭い駐車場には入れないほうが良さそうだ。
仕事柄、机と電源、それにネット接続ができれば、どこでも仕事ができてしまうので、キャンピングカーはオフィスとしてもかなり優秀。最近は高速のPAなどでもWi-Fiが飛んでいるので、出先で仕事をしなければならない場面でも安心だ。
キャンピングカーにはサブバッテリーが装備されているものだが、充電方式がポイント。走行充電だけだと移動しなければ充電されないが、ソーラーパネルがあると気兼ねなく電気を使える。最近のものは充電効率もかなり高い。
今回はサイズの大きな車種を借りたが、バンコンはサイズの選択肢が多いのもポイント。運転のしやすさや駐車スペースを優先するのであれば、通常ボディの『ハイエース』や、コンパクトなバンをベースにしたものを選ぶことも可能だ。
車体後部に車幅を横に使う2段ベッドを装備。大人が体を伸ばして寝るのはちょっと難しいが、子どもには十分すぎるスペース。写真は車外から撮っているが、アクセスは内部から可能で、子どもにはお気に入りの場所になっていた。
バンコンとキャブコンの大きな違いはここ。車内で直立できると、長時間過ごすようなシーンではかなり違いを感じる。ただ、調理などは車外で行うのであれば、立てるスペースは必要ない。移動効率や使い勝手を優先する考え方もあるだろう。
■軽キャンパー編
小さくてもキャンピングカーを所有する喜びは大きい
コストの安さから人気を集める軽キャンパーだが、バンコンと比べても居住スペースはかなり限られる。ただ、スペースを有効に使うギミックは子どもが喜ぶものも多く、キャンピングカーを所有する楽しさは十分に味わえる。
ポップアップルーフは子どもが喜ぶ
今回借りた車両はポップアップルーフが装備されていたが、こういう車体が変形するようなギミックには子どもが大喜び。屋根裏のようなスペースもお気に入りのようで、一度登るとなかなか降りてこないほどだった。
コンパクトな車体は駐車スペースを気遣う必要がないのもメリット。都市部によくある軽自動車用のスペースにも駐車でき、隣のクルマを気にする必要もないのは、普段の買い物などにも使いたい人にはかなり大きな魅力となるだろう。
車体が小さいことは運転するうえでは大きなメリットとなる。狭い路地でも不安を感じることなく入って行けるので、普段使いも問題ない。奥さんが買い物などに使う場合でも、ミニバンよりも運転しやすいので不安を感じることはないはずだ。
車内のスペースは広くはないが、それを有効活用するために様々な工夫が施されており、そうしたギミックが子どもば喜ぶポイントでもある。4人が就寝できる車両は多くはないが、家族で楽しみながら泊まれる楽しさは小さくても十分に味わえる。
軽自動車がベースとはいえ、架装の質感などは通常のキャンピングカーと変わらないので、スペースが限られる以外は車内で安っぽさを感じることはなかった。テーブルや電源も装備され、プライベートな空間も確保されているのもポイントだ。
■まとめ
ノマドワーカーと子連れ家族におすすめ!
今回、3種類のキャンピングカーを体験してみて、共通していたのは子どものテンションがとても上がるということ。これは車体サイズに関わらず同じで、単なる送迎や買い物などもキャンピングカーで行くだけで、ちょっとしたイベント感覚で参加してくれる。子どものいる家族には、キャンピングカー導入をおすすめしたい。また、移動するオフィスとしても優秀で、借りている期間内は結構車内で仕事を進めることができた。最近はノマド的な働き方も広がっているが、その相棒としてもかなり使える。あとは、自分の使用シーンに合わせてサイズや装備を選べばいい。迷っているようなら、まずはレンタルでキャンピングカーのある生活を体験してみては!?
※『デジモノステーション』2018年6月号より抜粋。
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