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RCSの構成要素と実装

 RCSは、アプリケーションサーバー(AS)をはじめとする、A-SBC、CSCF、HSS、I-SBCという五つの要素で構成される。今回サービスを提供する3社がそれぞれ同じ構成要素を持つことになる。ただし、「各キャリアによって実装方法は異なります」(戸部担当課長)。

RCSの構成要素
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 例えば、ユーザー情報を管理するHSSは、携帯電話サービスそのものにも必須な機能で、すでに設置してある。それをRCSと共用するパターンもあり得る。ただ、NTTドコモは今回、全ての構成要素を一から作ったという。

 各社のシステムを相互接続するため、NNIという標準インタフェースが規定されている。今回は、相互接続するのが3社と少ないため、各社が直接接続している。ただし、相互接続する相手が増えれば、ハブの仕組みが必要となる。「恐らく海外とつなぐときに、ハブとつなぐ可能性は高いでしょう」(藤間担当部長)。

各事業者のRCSを相互接続
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 まずはコンシューマー向けのメッセージングサービスから始めたが、今後は企業向けへの展開にも期待がかかる。

 ここでLINEのようなインターネットのメッセージサービスに対し、携帯電話番号が大きな差別化要因になる。「やはり電話番号を使っているところが重要です。IDを使った半分匿名のようなサービスよりも、電話番号を使ったサービスを企業は必要とするでしょうし、ユーザーも安心して利用できます」(藤間担当部長)。

 今後はチャットボットなど、はやりの周辺技術を採り入れたサービスも検討したいという。