福井国内最古級の鳥類を化石解析し復元 県立大恐竜学研が最新手法
県立大恐竜学研究所(永平寺町)は八日、二〇一四年度に勝山市の一億二千万年前の地層で発見された原始的な鳥類の全身骨格化石をデジタル技術で解析し、3Dプリンターで作製した複製模型を報道陣に公開した。骨格化石は小さく壊れる危険性があるため岩石からの取り出しが困難だったが、CTスキャンを使って立体画像化することで詳細な形や大きさを把握。最新技術で国内最古級の鳥の姿が明らかになった。 研究所の東(あずま)洋一所長によると、岩石表面には四十~五十ほどの骨が見えていたが、県内外の装置を使った画像分析により六十部位の詳細な形を把握できた。尾の骨が恐竜や始祖鳥よりも短いという鳥の特徴を持つ一方、鳥なら一本しかない足の甲の骨が三本ある恐竜の特徴も備えているといい、恐竜から鳥へ進化する途上の特徴があるという。 上腕骨の筋肉などのつき方や、木に登るのに使ったとみられる三本の指の存在から、飛ぶ能力は比較的低かったと推測。大きさは当初の推測より小さく、ハト程度と判明した。複製に当たっては、左右いずれかしか見つかっていない骨も、デジタル技術で反転させることで充実させ、より実物に近い形で復元することが可能となった。 七月に県立恐竜博物館で開かれる特別展での公開を目指しており、会見で東所長は「恐竜から鳥へ進化する初期段階を知る上で非常に重要。国内でもまだ少ないこの手法を福井県から発信していきたい」と話した。 (中崎裕) 今、あなたにオススメ Recommended by
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