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[速報]AIが人間と自然な会話をし、電話で美容院やレストランを予約。Googleがデモを公開。Google I/O 2018

2018年5月9日


Googleは、サンフランシスコで開催中のイベント「Google I/O 2018」において、人間のように自然に会話をするAIによって電話で美容院やレストランを予約するデモを公開しました。

Google I/O初日の基調講演でもっとも会場が盛り上がったのは、Googleが「Google Duplex」と呼ぶAIの技術を用いて、AIが実際に美容院やレストランに電話をかけ、予約を行う音声を公開した場面でした。

Google Duplex fig1

シナリオとしては、ユーザーがGoogle Assistantに「来週の火曜日、10時から12時のあいだで美容院を予約して」と依頼。

するとGoogle Assistantは依頼を受けてGoogle Duplexの機能を用い、バックグラウンドで美容院を予約すべく電話をかける、というもの。その予約電話は、まるで人間が話しているような自然な英語の発音で、電話の相手との会話における文脈を理解し、会話を進めていきます。

下記にその電話の内容を日本語で書き起こしましたが、ぜひ埋め込んだYouTubeの実際の音声を聞いてみてください。

…呼び鈴
美容院「はい、もしもし」
AI「クライアントの依頼でカットの予約をしたいのですが、5月3日の予約はできますか?」
美容院「はい、少々お待ちください」
AI「ええ」
(人間らしい自然な相づちに会場から笑い)

美容院「大丈夫です。何時頃がご希望ですか?」
AI「12時は?」
美容院「12時は空いてませんね。近い時間だと1時15分なら空いています」
AI「10時から12時あいだで、空いていませんか?」
美容院「お客様のご要望によりますが」
AI「カットのみです」
美容院「でしたら10時が空いています」
AI「10時でかまいません」
美容院「お名前をうかがえますか?」
AI「リサです」
美容院「かしこまりました。5月3日10時にお待ちしております」
AI「了解しました」
美容院「ご予約ありがとうございました」

(とても自然な会話に会場から大きな歓声と拍手)

(↑基調講演で公開されたAIと美容院との電話)

AIが音声認識によって人間の言葉を理解し、その言葉から会話の文脈を理解し、返答をリアルタイムに作成して音声合成に載せて会話を成立させていることを考えると、その能力の高さに驚かされます。

続いて別の例として、小さなレストランへの電話予約の音声も公開されました。これは先の例よりも複雑な文脈を理解する必要がありましたが、この会話もAIが行っているとはとても思えないほど自然なものでした。

…呼び鈴
レストラン「はい、もしもし」
AI 「こんにちは。7日の水曜日に予約を入れたいのですが」
レストラン「7人で?」
AI 「ええと、4人です」
レストラン「4人? いつ? 今日? 今晩?」
AI 「次の水曜日、午後6時です」
レストラン 「実は予約は5人からなので、4人ならそのまま来ればいいですよ」
AI 「普段は座れるまでどれくらい待ちますか?」
レストラン 「いつだっけ? 明日? 来週?」(レストラン側のとぼけた会話に会場から笑い)
AI 「次の水曜日、7日です」
レストラン 「ああ、混んでないよ、4人で来ればいいよ」
AI 「分かりました。ありがとう」
レストラン 「はい、では」

(ふたたび会場から大きな歓声と拍手)

(↑基調講演で公開されたAIとレストランとの電話)

この技術が完成すれば、ビジネスにおける面会予約や病院の予約などを自動化することで多くの人々の時間の節約や効率化につながると、Google CEOのSundar Pichai氏。

Google Duplex fig2

Google Duplexはまだ開発中の技術ですが、まもなくGoogleが実用化しようとしている用途として、毎日大量にGoogle検索による問い合わせが行われている店舗やオフィスの営業時間を電話で問い合わせてGoogleに掲載することで、より正確に営業時間の問い合わせに返答することを検討している、とのことです。

関連リンク

Google I/O 2018

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カテゴリ 機械学習 / AI / ビッグデータ
タグ  Google , 機械学習


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