Amazon の広告収益、ついに20億ドルへ到達

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Amazonにおける広告は、拡大の一途をたどっている。このシアトルに本社を置くeコマース企業は、2018年第1四半期の「主に広告サービスの販売」を含む「その他」の収益が、前年比で132%増加し、20億ドル(約2100億円)に達したと発表した。

2017年第4四半期の同社の広告事業は約17億ドル(約1800億円)で、前年比でおよそ60%の増加だった。

Amazonはこの四半期で広告提供の改善につとめた。それが同社の大きな飛躍につながったといえるだろう。FacebookとGoogleのデュオポリー(複占)となっている広告事業において、同社は広告でどれくらい太刀打ちできるかを確認する一連のアトリビューションの試験を行ってきたことを複数のメディアバイヤーが証言している。ほかにもAmazonは少数のエージェンシーを集めてAmazon Advertisingのプラットフォーム上でアプリケーションインターフェイスの試験も実施しているという。マーケティング担当者がプログラムを使い独自にキャンペーンを管理できるようにする計画があるためだ。

顧客体験とのバランス

AmazonのCFOを務めるブライアン・オルサフスキー氏は4月26日、同社の収益の獲得について「広告は商品および収益の双方の観点から明るい材料であり、収益性に大きく貢献している。これは数十億ドル規模のプログラムだ」と語った。

今年1月にAmazonは会計基準を変更し、広告収益を「その他の収益」の項目へと移した。結果として当該項目は5億6000万ドル(約610億ドル)増加し、同社によるとその大半は広告販売によるものだったという。

Amazonの収支報告でも議題となったが、ここで気になるのは同社がいかに広告と優れた顧客体験を両立させるかだ。オルサフスキー氏はこれについて「広告の有用性と顧客体験のバランスは非常に重要な問題であり、責任をもって取り組んでいく」と述べる。また同氏は「今後はプライム・ビデオ(Prime Video)への広告掲載が増える可能性がある」と付け加えた。

同社はエージェンシー開発グループの拡充を続けており、担当社員は数百人に達している。

第三極としての存在感

Amazonの目覚ましい成長のなかで、広告はあまり目立つことのない存在だった。もちろん、いまでも同社全体からすれば、わずかな規模であることに変わりはないが、以前よりも注目を集めつつある。ここ数四半期にわたり、同社の収支報告でアナリストから広告についての質問があった。オルサフスキー氏は第4四半期に、「当社がカスタマーと広告主の双方にとってより高い価値を提供していくなかで、広告もまた重要な貢献を果たした」と述べている。

CEO、ジェフ・ベゾス氏からの株主への書簡のなかにこそ広告事業に関する言及は一切なかったが、同社はスポンサード商品と見出し検索広告の両方において大幅な成長を達成している。それにともない広告価格も上昇しており、データマーケティング会社のマークル(Merkle)によると、マーケティング担当者の関心の高まりを受けて、同社のスポンサード広告商品のクリック当たりの価格は前年比で65%増加している。

エージェンシーからの関心も高まっている。オムニコム(Omnicom)のCEO、ジョン・レン氏は、同社の業績報告のなかでAmazonについて言及し、同社が「峠を越え」、GoogleやFacebookにとって大きな脅威となっていると述べている。Amazon広告の成長率もまた、同社全体の収益の伸びを上回っている。

同社の報告によると、Amazon全体の収益は予想を上回る510億400万ドル(約5.5兆円)を達成した。

Shareen Pathak(原文 / 訳:SI Japan)

 

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