東電裁判 政府機関担当者が証言

福島第一原発の事故をめぐり、東京電力の旧経営陣3人が強制的に起訴された裁判で、事故の9年前に福島県沖の地震の発生確率を取りまとめた政府機関の担当者が、当時の議論などについて証言しました。

東京電力の元会長の勝俣恒久被告(78)、元副社長の武黒一郎被告(72)、元副社長の武藤栄被告(67)の3人は、原発事故をめぐって業務上過失致死傷の罪で強制的に起訴され、いずれも無罪を主張しています。
裁判では、平成14年に政府の地震調査研究推進本部が公表した「長期評価」をもとに、東京電力が津波対策をとっていれば事故を防げたかどうかが争われています。
8日、東京地方裁判所で開かれた10回目の審理では、当時、気象庁から出向して地震調査研究推進本部の事務局で「長期評価」を取りまとめた職員が証言しました。
「長期評価」では、過去の地震の頻度をもとに、福島県沖を含む三陸沖から房総沖にかけてマグニチュード8クラスの巨大地震が30年以内に20%の確率で発生するとされていました。
これについて職員は、「広い範囲で起きた過去の地震をすべてひとまとめにして考えるということが少し乱暴な評価だと思った」と証言しました。
一方で、「長期評価」をまとめる過程の議論では、この領域のどの地点でも同じようなメカニズムで地震が起きると考えられることから、地震の発生確率について大きな異論は出なかったと証言しました。