2018-05-06

大人キャラコナン君に相談したくなる理由

この前、ネット上の評判に釣られてつい10年ぶりくらいにコナン映画を観に行ってしまった。

話の内容自体警察内部の歪んだ関係や小五郎誤認逮捕され関係者が焦る生々しさ・相棒を見てると錯覚するような薄暗さを描きつつもアニメ映画に相応しいぶっ飛んだアクションと爽快感を両立させた見応えある内容だった。今までのコナン映画には無かった種類の面白さ、という感じ。

その映画の中で、度々挟まれたシーンがある。それは「大人達がコナン君に相談し、頼ってしまう」シーンだ。

例えば、高木刑事なんかはベンチに座りながら進捗の思わしくない時間コナン君に憂鬱げな顔で相談する(ここは凄く自然高木刑事事件のことを漏らしていたのでちょっと笑った。それでいいのか)

また、風見刑事という安室の部下も作中、安室自身ミスを叱責された後、コナン君に安室の後ろ暗い事実を話してしまう。

その後に彼は「キミには何故かこんなことを話してしまう」と不思議そうに呟く。

そして、今回のコナン君の相棒存在安室透も「僕には恐れる男が2人いる」と前置きの後、その片方はコナンであると言った旨を示唆する。

そして映画の終盤はコナン君と共に日本を守る為カーチェイス人間をやめてるかのような超人アクションバンバン披露するのだ。

今回コナン映画アクション少なくて実写っぽくしてるのかな〜とか思ってたら終盤にそれまでの鬱憤を晴らすかのようにわんさかと詰め込んで来ていた。

最近コナン=新一であることを読者以外にも知っているキャラが増えてきているが、この3人は知らない(安室透は少し怪しいが、作中で明言はされていない、察している程度かと思われる)

この映画以外にも、コナン君の小学生しからぬ頭脳と度胸に「不思議な子だ…」と大人キャラが驚いたり、心を開いてつい秘密を漏らしてしま描写は幾度かあった。

ここまで考えて、ふと思ったのがこれがもし大人の姿…「工藤新一」であったら大人達は相談しただろうか?と言うことだ。

コナン=新一であり、見た目が違うだけだ。彼らは新一でも、心を開いただろうか?

個人的には、「コナンからこそ大人達はつい心を開いてしまう」と考えた。

その理由は主に新一とコナンでは見た目だけでなく

大人達への振る舞い方

②正体

これらが違うからである

例えば、①については新一の場合は、周りの大人に対して遠慮はしない。刑事に対して事件に対する考えをグイグイ話して行き、刑事達もまたそれを受け入れる。その自信満々な態度は時に「生意気」と受け取られ、更に一話ではその自信が仇となり致命的な失敗(体が縮んでしまっていた!)をしてしまう。

一方コナン君は大人達の協力がなければ事件解決出来ない。しかし、新一の様な態度では不審がられてしまう。

からコナン君は「ねえねえ、どうして〇〇さんは〇〇してたの?」とか「刑事さん、教えて!」と子供好奇心と捉えられる範疇大人から情報収集を行う。推理する時もあくま自身は「小五郎の手伝い」または「新一兄ちゃんの手伝い」という「大人の補佐をする無邪気な子供」を演じ、自身が表に立つことはない。

一人称もぼく、声色もあどけなくなり、(高山みなみの声はとても可愛い)新一の頃の生意気さはなりを潜める。

大人達への助言をするにしても「あれれ〜?なんでだろ〜?おかしいぞ〜」と疑問を提示するに留まる。

そんなコナン君は、大人から「なんでも解決する天才探偵」ではなく「コナン君は変なことに気がつく少し頭のいい面白子供」と評価される。

これにより、頭が良い、けれど大人頭脳には敵わないし大人の様に小狡くもない、だから少しくらい話しても支障はない、と大人達を油断させる。

あざといと思うのは正体を知ってるキャラや読者くらいなのだ

②は大人達に、子供しかないはずのコナン君に「何かある」と期待させてしまうのだ。

新一の場合、作中開始時点ではすでに探偵として超有名になっており、謎めいた部分は少ない。自信満々な態度と、それにそぐわぬ天才的な推理力。

それに対し、大人から見てコナン君は「未知」だ。

それまであどけない態度を取っていた筈なのに、たまに子供とは到底思えない、大人びた表情と発言をする。更には大人顔負けの推理を展開し、果てにはよく分からない博士からもらったスーパー機械犯人を力づくでなぎ倒したり、爆発した建物から脱出したりしてしまう。

かと思うと気付けばやっぱり子供しか見えない時もある。

大多数の作中キャラからしたら「高校生が薬を飲んだら体が縮んでしまっていた!」なんて発想には思い至らないし、信じることもできない。だからコナン君を子供以外の何物にも思うことは出来ないが、それ故に凄まじいギャップを感じる。正体が分からない、そして、その不思議さが「この子なら、何かやってくれるかも…」と思わせてしまう。

①②は新一には無い要素だ。子供大人、両方の面を持ち合わせるコナン君。

そんな彼は、悩める大人から見たら格好の相談相手だ。強大な力を持った大人でも無いが、全て分からない程幼稚でも無い。何が得体の知れない可能性を秘めている気がする。

それらの要素が、「自分境遇を少しでも分かってくれる」と感じさせてしまうのだ。

特に、初対面に等しい風見刑事なんかはこの様な心理で、ついコナン君に話してしまったのでは無いかと感じた。

風見刑事は口を滑らせた後「一体君は何者なんだ?」とコナンに問い掛ける。

コナン子供しからぬ不敵な笑みをたたえて、「江戸川コナン……探偵さ」と名乗りをあげた。

これは度々作中で、「コナンの正体に疑問を持ったキャラ」が問いかけた時にコナンが返す言葉だ。

ただの子供ではない、自分を謎を解き明かすものだと宣言する意味合いを持つ台詞

読者には例え子供になっても探偵であるという証明でもある。

出てくるたびに、読者はコナンかっこいいなーと思うような台詞だが……キャラ子供だと思っていた筈の相手にこんなこと言われて、どんなことを思うのか気になる所である

ここまで書いておいてなんだが、コナン大分飛び飛びで読んでるから変なこと言ってるかもしれない。

今回の映画コナンに無理言われてキーッて頭掻き毟る哀ちゃんがめちゃくちゃ可愛かった

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