4月のアフガニスタン政府軍空爆で子供30人死亡=国連報告

少なくとも51人以上の子供がけがをした Image copyright Reuters
Image caption 少なくとも51人以上の子供がけがをした

国連アフガニスタン支援団(UNAMA)は7日、北東部クンドゥズ州で先月あったアフガニスタン政府軍による空爆で子供30人が死亡し51人がけがをしたとする調査報告書を公開した。

アフガニスタン政府は、4月2日の政府軍による空爆は反武装勢力タリバンの幹部集会を標的にしたものだったとしている。

国連調査によると、イスラム神学校付近での空爆で大人6人も死亡した。同校では屋外で卒業式が開かれていたという。

報告書は、最終的な死者数はもっと多くなる可能性があるとの「信頼できる」報告もあると指摘した。

国連の報告書によると、ロケットとヘリコプターからの重機関銃による攻撃があった際、数百人の男性と少年がクンドゥズ州ダシュテアルチ地区で式に参加していた。

アフガニスタン政府は当初、攻撃計画を立てていた武装勢力の上級兵18人が殺されたとし、タリバンが市民を銃撃したと非難した。

しかし、ある医師は当時AFP通信に対し、政府の発表とは異なり「全ての被害者」が「爆弾や榴散弾のかけらに打たれ」ており、銃撃ではなかったと語っている。

タリバンは空爆時、式には兵士は誰も出席していなかったと否定し、同空爆で市民200人が死亡あるいはけがをしたと述べた。

UNAMAは空爆当時タリバン兵が式にいたかは確認することも否定することもできないとし、「市民に死傷者を出さないための方法や具体的手段をどの程度講じたか」に疑問符をつけた。

報告書は、子供の負傷者が多数出ていることが「国際人権法で定められている予防措置と手段均衡性の規則をアフガニスタン政府が遵守していたか」の懸念を引き起こしたとも付け加えた。

調査員は同地区の住民が、アフガニスタン政府とタリバン間の紛争に「巻き込まれた」と感じていると記した。

アフガニスタンの地図。空爆を受けたクンドゥズは同国北東部に位置する
Image caption アフガニスタンの地図。空爆を受けたクンドゥズは同国北東部に位置する

アフガン政府とクンドゥズ州知事は共に、空爆に対する調査をそれぞれ実施しているが、調査結果はまだ公表されていない。

アフガニスタンのハミド・カルザイ前大統領は「テロリズムとの戦いの名の下に行われたこのような奇襲は…あらゆる道理に反している」と攻撃を非難した。

アフガン政府軍と米軍によって実施された空爆の回数は、ドナルド・トランプ米大統領が昨年8月に新戦略を発表してから急増している。

しかし国連は、空爆の回数が増えるにつれて市民の死傷者も増えていると指摘する。

国連の記録によると、2017年における国際軍事部隊を含む親アフガニスタン政府勢力の空爆による市民の死傷者数は、前年比7%増の631人だった。空爆以外を含む市民死傷者全体の数は9%減少しているにもかかわらず、空爆での死傷者数は増加した。死傷者の半数以上はアフガニスタン政府軍が実施した軍事行動の犠牲者だった。

この数は、国連がシステムを用いて記録を始めた2009年以来、1年あたりの空爆による市民の死傷者数としては最も多かった。

(英語記事 Afghanistan air strike: UN confirms 30 child deaths in April attack

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