GoogleのVR180が凄い。
PlayStation VRで、しばらく遊ぶゲームがないなあと思っていた(スタートレックはさんざんやった)のだが、「もしかして:Youtube」と思い、PSVRでYoutubeを起動し、VR180で検索すると、でるわ出るわ。こいつあ凄いぜ
手っ取り早く凄さを実感したいなら、この動画がお勧め
わかりますか?
まさに動画新時代。
こんなことが本当にできるのか
別にたいして新しい技術ではないのだが、効果が抜群。
あとは
このミュージックビデオもなかなかすごい。
生感というか、臨場感。
もっとお姉さんがみたい!という人はこれもある
FHM COVER 蘋恩/那娜|VR180環景花絮(建議配戴VR眼鏡服用)
なにが凄いのかというと、後ろ半分を切り落としたこと。
だから360ではなく180。
でもな、みんな薄々感じていたことだと思うが、そもそも360度の動画って必要か?
いや、あればいいよ。あればあったでいいのは分かるんだけど、そんなにいるか?というと別にいらないんじゃないか。
そんな常に後ろとか振り返りたくないでしょ。疲れるし。
HTC Viveのような完全な没入体験をするVRもまあ、いいんだけど、さすがにちょっと疲れる。
コンテンツをクリエイトするときはHTC Viveでもいい。だけど、消費するときはカウチに座ってリラックスした状態で見たいじゃない。
そうすると、コンテンツは前半分あれば十分なんだよね。
そしてコンテンツを前半分にすることにより、2つの利点がある。
ひとつは、データ量を増やせること。
360度が単純に半分になるわけだから、データ量は二倍。それで解像度を稼げる。これはひとつかなり大きい。ついでにいえば、スティッチをしなくていいので、処理能力もほとんど必要ない。リアルタイム中継すら簡単だ。
もうひとつのメリット、それは従来の撮影フローをそのまま使えることだ。
360度動画の問題点は、演出しづらいということだった。
要は、カメラマン、照明さん、音声さん、監督、といった、いつもの撮影チーム(テレビ業界ではこれをチェインという単位で呼ぶ)が360度カメラだと写り込んでしまう。そのため、どうしても演出に制約が出来てしまうのだ。
360度動画をエンターテインメント作品にして、ちゃんと成立させるのは無茶苦茶難しい。
そもそも主観視点なのか客観視点なのかによっても作品の作り方が変わるし、大半のVR動画は主観視点ものだから、そもそも自分がどういう台詞を喋るのかということすら問題になる。
ゲームの世界では古くから、ドラクエ方式とFF方式という二種類の物語表現形態があった。ドラクエ方式では、基本的に主人公はプレイヤー本人なのでしゃべらない。細かい設定なども特にされない。せいぜい「はい」か「いいえ」を選ぶくらいの意思表示しかしない。
これで物語をナラティブに表現するというのがドラクエの美学だが、逆に言うと、こうした物語はドラクエ並に作るのが難しい。
まだ発展途上の創作手法であり、ゲームでなければ表現できない。
もっと簡単なのはFF方式で、FFでは主人公には名前があり、台詞があり、人格がある。それはプレイヤー本人と完全に一緒ではないし、なんなら勝手に動く。
けれども、そのぶんストーリーは語りやすいし、従来の作劇法がそのまま使える。だからFFの初期はアニメの脚本家などがストーリーを書いていた(いまは知らない)。
ドラクエは堀井雄二大先生しか書けない。
大量生産に向いてないのだ。
VRにも同じ問題が起きるだろう。
もっともこれは、RPG以前のゲーム、かつてADV(アドベンチャーゲーム)と呼ばれていたジャンルでも既にここ見られていたことで、主人公がひたすら独り言を言いながら物語を語るタイプ(主人公=プレイヤーだが、主人公の内面を独り言として語ることでプレイヤーを主人公に一種の洗脳化する)のゲームと、スクウェアが開発したα(アルファ)というゲームのように、主人公を美少女にして、常に画面の中に主人公が映り込むようにする手法が産まれた。いまとなっては画面に主人公が映り込むのはドラクエ含めて当たり前の演出なのだが、当時は衝撃的だった。なぜならゲームの主役とはプレイヤー自身であるという大前提があり、その前提のもとでは、画面に主人公が映り込む幽体離脱敵な演出など言語道断だからだ。
しかし、α(アルファ)の場合、主人公を水着みたいな宇宙服を着た美少女に設定することで、むしろどちらかというとずっと画面を見てみたいという気分にさせることに成功し、うまく「ゲームプレイ」と「主人公」の分離に成功した。勝手な推測だが、この成功体験が後にファイナルファンタジーの作劇法に繋がるのではないかと思っている。
面白いことに、スクウェアがα(アルファ)というADVを作っているのと同じ頃、堀井雄二大先生も「オホーツクに消ゆ」という傑作ADVを開発している。見ればわかるが、「オホーツクに消ゆ」は完全主観ゲームで、主人公は独り言含めて一切しゃべらない。実はドラクエとFFが出る前に、既に堀井雄二的文体と坂口博信的文体の分離が起きているのだ。
さて、話をVRに戻そう。
今のVR、特に実写のVRはかなり熱い。
反対に絵のVRはまだ発展の途上にある。
どうしても、人形が動いているように見えてしまうのだ。
コレに関しては人工知能の研究をしている副産物として、何が問題なのか説明できるのだが長くなるのでここでは省く。
それにそもそもポリゴン人間と話すよりは生身の人間と話したほうが面白いじゃないか。
これからさきのVRエンターテインメント作品の作り方は二通りあるとかんがえられる。
要は、ドラクエ方式か、FF方式かだ。
FF方式のほうが物語がつくりやすいので、まずはそちらが出てくるだろう。しかしドラクエ方式のほうが没入感は圧倒的に高いので、最終的にはこちらが主流になるのではないか。
そのうち、ユーザーが自由に喋っても、生身の人間が受け答えしてくれるようなAIを開発できるようになるだろう。あ、それはもしかするとオレの仕事なのか。
たとえば、DeepFakeを使って、ポリゴンから人間の俳優/女優の顔に戻せるとする。
そしたら・・・やばい、いくらでも石原さとみとくだらない話をする会話ボットが作れるじゃん。え、欲しいんですけど。
ちなみにGoogleのVR180と書いたが、本当はDMMが何年も前から同様の技術を開発してコンテンツを作っている。
これも非常にチャレンジングな分野で、様々な実験と発明が行われているのだが、長文日記のコンプライアンス上、紹介することが難しい。
あとはお察しください。
PSVRがなくても、ハコスコみたいなので見れます。ぜひ二眼で見てください。衝撃を受けると思う。
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