2018年05月07日

さとなお:アナフィラキシー・ショックになりました(一回パス)

伊藤さん、すいません。
いつからか月一になっているこの対談ですが、とりあえず一回、ひと月分パスさせてください。

ご存じの通り、3月23日(金)の夜に「アナフィラキシー・ショック」になりました。

その夜あるレストランで食べた何かを、ボクの免疫システムが突然「敵」だと誤認し、大量のヒスタミンを放出したのです。おかげで全身真っ赤に腫れ上がり、呼吸困難にもなり、血圧は60-20まで下がり、死の一歩手前まで行きました。わかりやすく言うと劇症アレルギーとでも言うのでしょうか。

生まれてこの方、アレルギーとは縁遠い人生を送ってきたし、ゲテモノを含めてあらゆる食料を口にしてきました。
なので、なぜ突然、免疫細胞がその「アレルゲン」を敵だと誤認したのか、わからないのだけど、いわゆる「コップの水が溢れるようにある閾値を超えるとアレルギーになる」というのは都市伝説らしく、単なる「誤認」が正しいようです。

で。
フェイスブックなどで軽く書きましたが(きちんと正確な情報になるところまで調べた上でブログなどにまとめます)、アレルゲンを調べるIgE検査では「アニサキス」が一番疑われる結果となりました(まだ確定ではないですが、権威ある医師もその判断をしましたからほぼ決まりに近いです)。確かにその晩、魚(サバ)を食べました。

つまり、サバではなく、寄生虫アニサキスのタンパク質に反応するアレルギーに突然なったわけです。

ということは、生きているアニサキスだけでなく、死骸にもカケラにも「反応する可能性がある」ということです。
平たく言えば、「アニサキスがいる魚は、生でも焼き魚でも煮魚でも練り物でもダメ」ということですね。

ざっくり「魚介類全般」が今後まったく食べられない、もしくは「食べるのが命賭けになった」ということなのです。

アニサキスは、ほとんどの魚に寄生しています。
彼らは、哺乳類である鯨やイルカの胃の中で成虫になり、糞とともに卵を海に散りばめます。それをアミ(小エビ)が食べます。で、そのアミを食べる魚に幼虫として寄生して、それらを鯨などが食べて、鯨の胃の中で成虫になるわけです。

アミを餌とする魚はたいへんたくさんいます。
だから、アニサキスがいる魚としてはサバやイカが有名だけど、ほとんどの魚にアニサキスは存在しているわけです。

ただ、胃の中にいるんですね。その魚が生きている間は。
でも、釣って死んだりすると、アニサキスは胃から筋肉に移動します。なので我々が食べる「魚の身」からアニサキスが発見されるわけです。

そういう意味で言うと、釣って(捕って)すぐに内臓を出せば、身にアニサキスがいることはない。
釣ってすぐ冷凍してもアニサキスは胃にとどまります(だから釣ってすぐ急速冷凍するマグロは身にいないことが多い)。
もしくはアミとかを食べないように「厳密に養殖した魚」であれば大丈夫。
あ、海を経由しない川魚も大丈夫ですね。イワナとかアマゴ。
また、アニサキスは魚が新鮮なうちは胃の中にとどまる、という説もあるので、新鮮な魚を扱っている店なら大丈夫なことも多いらしいです。
貝にアニサキスがいるかいないかは、両説あってなんとも言えません。

ただ、これらのような例外があるとしても、100%ではありません。
だから魚を食べるのが「命賭け」になってしまったことに変わりはありません。


おかげで、この日を境に、突然、人生が一変しました。

鮨、割烹、居酒屋、、、いや、和食全体か。
魚を食べられないと、食べられるものがほとんどなくなり、楽しくなくなりました。

生魚だけでなく、焼き魚、煮魚、練り物(おでんなど)がダメだと人生厳しいですね。
鰹出汁も疑いましたが、「出汁は大丈夫」という医師がいるので、そこはもういいのではないかと思いつつ、いまのところ味噌汁なども(そしてうどんなども)食べないようにしています。

冬の鍋も楽しめません。
カレーなどにもエビエキスを入れている店がわりとあり、厳しい。
あと、アミがダメかも知れないので(アニサキスの卵にアレルギー反応するかどうかはまだわからないけど)、キムチなどもダメです。そうなると焼肉屋でも肉だけひたすら食べる感じか・・・。

あと、旅がダメになります。
魚が美味しい地方への旅は楽しくなくなりますし、なにより同行者に対して「行く店に制限かかる」ので、誰かと一緒に行く旅を控えるようになっていくと思われます。そして海外も、同行者のことを考えると楽しめなくなりますね。肉しか食べられません。ひとり旅くらいしか残っていません。

というか、そう考えてくると、誰かと一緒の外食も基本厳しいことになります。
同行者に気を遣わせるのも楽しくないし、食べられる物が極端に減るので同行者に迷惑です。


食や旅はボクの人生のド真ん中でした。
そして、現在、個人の鮨教室に通って魚の捌き方をプロにならっているくらいは、今後の人生でも魚に重きを置いてました。

これらがかなりの確率で損なわれたことは、ちょっと筆舌に尽くしがたいことです。


5月の連休を終え、精神的にはかなり立ち直りましたが、しばらく外食はしたくないし、しないと思います。

対談を続けられるかどうかも含めて、ちょっと時間をいただければと思います。

すいませんが、ご理解のほどをお願いいたします。



ついでなので、基本的なことを追記しておきます。
「アニサキス症」というのはアニサキスに胃壁とかやられるやつ。激烈な腹痛になるやつです。サバとかにいる生きたアニサキスを食べるとなるやつですね。
で、ボクがなった「アニサキス・アレルギー」は、アニサキスという寄生虫に反応するアレルギーでアナフィラキシー・ショックになったりするアレルギーで、アニサキスが少しでもいると反応しちゃうやつなので別物です。


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posted by さとなお at 11:46| 雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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