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GW後に起こる、新入社員の「もう会社辞めます」を回避する方法

いまどき新人のロジックとは?

待ちに待ったゴールデンウイーク。とくに新人にとっては社会人になって初めてゆっくり休むことができる数日間。これまではこの数日間の後に「会社行きたくないなあ……」という気持ちに陥る「五月病」になることが多かったのですが、最近の新人たちは、ゴールデンウイークを待たずして会社に来なくなってしまうこともあるようです。

新人研修をしてすぐに辞められてしまうと、研修の講師を務めた私もショックですが、準備を整えて彼らを迎えた会社の方々の落胆ぶりたるや! なぜ彼らは会社をすぐに辞めることができるのか、そして、今にも辞めそうな新人を説得する方法を『図解 仕事の基本 社会人1年生大全』からご紹介します。

「五月病」を待たずに消える新人たち

彼らはなぜ、苦労して入った会社をすぐに辞めてしまうのでしょう。彼らには“彼らの中では筋が通る”、確固たるロジックがあって辞めているのです。一般的に多いのは「自分には向いていない」「思っていた仕事内容と違う」。

しかし、最近の新人の「会社を辞める理由」はパワーアップしています。

例えば“自分はスペシャル”シンドロームにかかった新人女性。「自分のほうが優秀なのにペコペコ頭を下げて働く意味がわからない」とは、指導してくれた上司に鼻をへし折られての捨て台詞。自信過剰で入社し、自信過剰のまま辞めていくタイプです。

家族第一主義の新人男性は、「親が引っ越すので」ついていくという理由で辞表を提出。社会人という自覚と自立ということがわかっていないタイプです。ちなみに「ペットが病気になったので」とペットを理由に平気で遅刻したり、長期休暇を申請したケースも。

ちなみに、最近は家族もやっかいで、ゴールデンウイークに帰省してきた子どもの「仕事、大変なんだよね~」という軽いつぶやきに、「そんなに頑張らなくていいんじゃない?」と、逆向きに背中を押し、子の成長を止めてしまう母親もいるとか。

 

理解困難な新人世代を理解する

そんな新人たちを「理解不能」と切り捨てることは簡単です。が、新人側から見ると上司世代も理解不能な存在なのかもしれません。家族や近所とのコミュニケーションが盛んだった上司世代と違い、ごく限られた人間関係の中で育ってきた彼らには、この世に「違う世代」――考え方も行動規範も違う世代がいることを実感としてもっていないのです。

まずはお互いに歩み寄るべく、新人世代・上司世代がお互いに「どう見られているか」を整理してみましょう。