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【格闘技】

ゴロフキンが20度目の防衛に成功 かかって来いや 村田!

2018年5月7日 紙面から

 ボクシングのWBA、WBC2団体統一ミドル級タイトルマッチが5日(日本時間6日)、米カリフォルニア州カーソンのスタブハブセンターであり、王者のゲンナジー・ゴロフスキン(36)=カザフスタン=が挑戦者バネス・マルチロシャン(32)=米国=に2回1分53秒KOで勝ち、同級歴代最多タイとなる20連続防衛に成功した。

  ◇

 2回開始のゴングとともに、ゴロフキンが挑戦者の希望を打ち砕いた。ラウンド開始直後、強烈な右アッパーでグラつかせると、後は押しまくるのみ。最後はロープ際で左、右、左の強烈なコンビネーションをたたき込み、マルチロシャンに10カウントを聞かせた。試合時間は計4分53秒。伝説的名手といわれるバーナード・ホプキンス(米国)に並ぶ同級20連続防衛は完全なワンサイドだった。

 「初回に何回かいいパンチをもらったが、2回から本気でいった。KOは気分がいい」

 今回の試合は、対戦が予定されていた元世界2階級王者の人気者、サウル・アルバレス(メキシコ)が禁止薬物クレンブテロールの陽性反応を示して資格停止処分となったことから急きょ、マルチロシャンを代役に行われた。試合まで2年近いブランクがあった挑戦者の資格を問題視する声もあり、ゴロフキンが王座を保持する主要3団体のうちの一つ、IBFはこの試合を防衛戦と認定しなかった。

 だが、KO経験のない挑戦者を完全に打ちのめした内容は誰が最強かを雄弁に物語る。マルチロシャンも「列車にはねられたようだった。あんなパンチは初めてだ」と歴然たる力の差を認めた。

 注目は次戦だ。対戦候補にはアルバレス、ジャマール・チャーロ(WBC暫定王者、米国)らきら星のような名がそろうが、その中にはもちろん村田も入る。「誰とでも戦う。9年間王座にいて、多くのベルトを持っている。誰かこのベルトを奪いに来てほしい」とゴロフキン。最強男を中心に俊英がそろうミドル級は黄金時代を迎えた。

◆村田諒太がG所属事務所を通じて談話を発表

 「自分が闘う前提で彼の試合を観戦するようになって、彼のいいところ、悪いところが見えてきた。パンチに対する反応に限って言えば若干の衰えは隠せない。やるべきことはゴロフキンのあの強打をもらわないことに終始徹底して闘い続けること。まだ現実的に彼との試合が目の前にあるわけではなく、試合後のインタビューでも(次戦の対戦相手候補として)、チャーロ、(デメトリアス・)アンドラーデ(米国、WBOミドル級1位)を挙げたが、自分の名前はないので、まずは対戦相手としてリストアップされるように次の試合でアピールしていきたい」

◆ニックネーム「GGG」

<ゲンナジー・ゴロフキン> 1982年4月8日生まれ、カザフスタン・カラガンダ出身の36歳。身長179センチ。通算38勝(34KO)1分け。WBC、IBF、WBAスーパーの主要3団体統一ミドル級王者。2003年世界選手権金メダル、04年アテネ五輪同級銀メダル。06年にプロデビューすると驚異的な強打で快進撃を続け、10年にWBA王座を獲得すると、14年にWBC王座、15年にはIBF王座も獲得し、3団体統一王者となった。17年3月のジェイコブス戦での判定3-0防衛まで史上最長の世界戦17度連続KO防衛を記録していた。全階級最強を決める「パウンド・フォー・パウンド」ランキングでは最も権威ある米リング誌で1位、ESPNで2位と文字通りの「世界最強男」。ニックネームはGGG(トリプルジー)。

 

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