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2018.01.24 | 国会活動
代表質問を終えて、代表ぶら下がり会見

2018年1月24日(木)

【記者】代表質問1日目が終わりましたが、総理の答弁に対しての印象は。
【代表】通常国会初めての論戦でしたが、本会議ですからどうしても一方通行になりますが、それにしても総理が少し苛立っておられるように感じました。これまで5年間やってきたアベノミクス、新アベノミクス、それぞれ3本ずつ、6本か7本か色々あるのでしょうが、ひとつずつ検証するような質問をさせていただきました。要はいずれもできていないということが確認できました。例えばGDPの600兆円については、できないけれど皆さんの時よりはマシだ、とか、国民生活実感も下がっていることは認めつつあなたたちの時よりはマシだ、とか施政方針の時には封印していた他党批判をまた繰り返しておられるので、その意味では芯を食った質問の部分もあったのかと思います。予算委員会などでしっかり議論を深めていきたいと思います。
特に気になったのは、600兆のGDPについてかさ上げになっているのではないかと質問した時に、返答いただきましたがよくわかりませんでした。加えて財政再建目標についても結局目標を定めないまま来年度予算を作って、審議してください、ということですので極めて不誠実かつ無責任な印象を受けました。
最後に気になったのは、例のスパコン事業に関して質問しましたが、政府三役の関わりがなかったと断言できますか、という質問に対して明確な答弁を避けられました。これは答弁漏れだと思いますが、議場内ではそのまま再答弁なく過ごしたわけですが、そうしたところも気になりましたので、まだまだ詰めるところがいっぱいあるなと思いました。子育て支援、介護離職ゼロ、600兆円、2%の物価上昇、農業の所得倍増、いずれもしっかりと追及していかなければならない課題が明らかになりましたので、仲間とともに予算委員会の論戦でさらにしっかりと総理に厳しく迫っていきたいと思います。

【記者】具体的にどのような点を中心に安倍政権に対峙していくか。
【代表】働き方改革は各党も政権側も重要視しているので、その改革と言われる中身が本当に労働者にとってプラスのものなのか。そして労働生産性の向上につながり、日本の成長に資するものかどうか。まやかしの改革になっていないか厳しくチェックしていきたい。なぜかというと、今まで言ってきた様々なことも実現できない、言葉でごまかしていることが今日明らかになりましたので、これから取り組もうとする改革についても近い将来またできていない、いわゆる「永遠の道半ば」政策になるのではないかという懸念がありますから、しっかりとチェックしていきたい。
もう一つは憲法改正についてです。今日大きく2つ質問しましたが、一つは仮に国民投票になった場合、広告とか宣伝の規制は必要最小限にするということですが、そうだとするとやはり大量の資力のある人や組織がその資金力を使って有利な方に国民投票の結果を誘導することも許されているということが現状明らかになりました。本当にそれでいいのかどうか、これから議論を深めていきたいと思います。もう一つは、総理が提案した憲法9条改正案ですが、1項2項をそのままにして自衛隊だけを明記するということです。それによって自衛隊が何か変わるのか質問したところ、全く変わらないということでしたし、なぜやるのか問うと、違憲という人がいるからということでした。果たして憲法の議論のあり方としてそれでいいのか、正直疑問を感じました。国際情勢の変化によって、どうしてもここを変えないと我が国の緊迫する安全保障状況に対応できないであるとか、国際協調、国際協力がこれではできない、などの憲法を変える具体的な目的が必ずしも明確ではない中で、議論が進んでいくことについては、より慎重な姿勢が必要だと思います。国民の理解も得られるのかどうか。こうしたことをさらに国会の中で議論を深めていきたいと思います。

【記者】憲法9条について、今回の代表質問の中で「立法事実がない9条改憲案には反対」と明確に言及されたが、先の特別国会では「自衛隊を9条に明記するだけの改憲提案には違和感を禁じえません」と言っていたが、この表現の違いに意味はあるのか。
【代表】特段ありませんが、やはり憲法改正をするからにはその必要性を考慮しながらやるべきだと思います。今日改めて、ない、ということが確認できました。実は昨年、大塚民進党代表が同様の質問をした際にも、何も変わりません、ということを総理はおっしゃった。憲法改正には相当の時間や資産を使いますので、変えるのであればやはり国民生活や国民にとって意味のある改正に集中すべきではないかという想いを強めましたので、今日はそうした言い方で申し上げたということです。

【記者】憲法改正議論について、今後どのように党内議論をまとめていくのか。
【代表】党内の議論も深めていきたいと思いますが、今申し上げたような方向性は従来から色々なところで申し上げておりますので、憲法議論を党内で進めていく中で私なりの考えを申し上げていきたいと思いますし、党内にも理解を求めていきたい。

【記者】自民党の有志グループが憲法9条のあり方について自衛権についての議論を、という考えを打ち出しているようだが、これについてどう考えるか。
【代表】代表選挙の中でも、代表になってからの代表指示の中でも、9条を含めて議論すればいいと。ただ9条に関してはやはり自衛権の制約、専守防衛、戦後脈々と維持してきた平和主義の範囲の中でどこまでの自衛権が認められるのか、発動要件は何なのか、認められる自衛権はどの程度のものなのか。つまり自衛権の本質的なものを議論して、いわば軍事的公権力の無限の行使にいかにも歯止めをかけていくのか。立憲主義的な観点からの憲法議論は行うべきだと申し上げてきましたし、その結果それを明文化して憲法に書く方がいいのか、書く必要がないのか。これも含めて議論してほしいというのが代表指示です。ですから、自民党の中でそうした議論が行われていることについては、安倍総理の単に自衛隊を書き込むという議論よりも、私は非常に賛同を覚えるところが多い。今日も申し上げましたが、是非自民党の中でも、改憲のための改憲議論ではない、本当に意味のある改憲議論が行われることを期待したいと思います。

【記者】先週末、今国会に向けて、玉木カラーを出していきたいとの発言があったが、今日の代表質問の中で、自身としてはどのように出せたと感じるか。
【代表】難しいですね。全体的に自分の思っていることを伝えられたかと思います。農業政策や農業の現状についての認識と分析に基づいての提案をしたことは、土の香りのする政党を目指したいと当初から申し上げていた私の変わらぬ理念でありますし、地域、地方を大事にしたいということで、今日も農業を取り上げました。

【記者】イージスアショアを含むミサイル防衛についての質問に対する答弁は納得いっているか。
【代表】もう少しここは丁寧に答えていただかないと、よくわかりませんでした。一つだけ思ったのは、専守防衛の範囲内と言いながら、従来の延長線上ではない、と言っているが、それは延長線上ではないのか。延長線のような説明をしながら延長線上にないこともあるということは、よくわかりませんでした。イージスアショアについても、頭から否定するつもりはありませんが、その効果や決まったら一体どういう運用がなされるのか、日本が主体的に運用できるのか、かなり米軍の影響下で行使されるのか、住民の皆さんへの影響など、この辺りも国会論戦の中で深めていきたいと思います。

【記者】安倍総理の平昌五輪出席についての受け止めを。
【代表】相当ご本人も悩まれたのかと思いますが、今回直前になって出席されることをお決めになりました。今日冒頭、質問ではありませんが、私なりの指摘をさせていただきました。日韓合意が反故にされるようなことがある中で、総理が出席をすることについてはやはり間違ったメッセージを伝えないようにしてほしいという意味で、文大統領に対しても日本として言うべきことはしっかりと言ってほしいということを申し上げました。合わせて、南北の緊張緩和のように見えますが、今日質問でも申し上げたように、北朝鮮のICBMの実戦配備が数か月以内にも行われるのではないか、というCIA長官の発言もありましたので、オリンピックが行われる間も、あるいは南北間での一見融和的状況が見える奥底で着々と核開発が進んでいる可能性もあります。やはり半島の非核化という、わが国、関係国のゆるぎない目標が微動だにしないように、韓国はもちろんのこと、アメリカをはじめとした関係国との連携や、申し入れということもしっかりやっていただきたい。オリンピックの場ですから、オリンピック外交も行われると思いますので、平和の祭典ではありますが、そうした場面を通じてしかるべき圧力と関係国との連携はしっかりと守っていただきたいと思います。
(了)