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2018.02.20 | 国会活動
代表定例記者会見
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1.冒頭発言
(裁量労働制に関するデータについて)
 まず冒頭、きょうも予算委員会で議論になりました裁量労働制に関する厚生労働省のデータの問題でありますけれども、きょうも議論になっておりましたが、有利な状況をつくり出すためのデータの捏造であるという疑惑がやはり払拭できませんし、むしろその疑惑が深まったのではないかと思います。私自身もこの問題については、山井議員とも相談をしながら2月5日の予算委員会で質問をさせていただきましたが、質問通告をしたのが前の週の金曜日でありますから、2月2日の時点では、少なくとも局長以下事務方はこの問題についての認識があったと思います。そして、2月5日月曜日にも私は大臣にも総理にもこれを質問いたしまして、いわゆる「平均的な者」という少しおかしな言い方が、平均値そのものではないということは指摘をした上で質問をしておりますから、遅くともその時点で大臣も総理もこのデータについての問題点については認識を持ったはずであります。しかし、実際にこれが答弁の撤回をしたのが14日ということでありますから、正直1週間以上、10日間も放置されたまま山井議員はじめわが党の議員、そして立憲民主党の長妻議員はじめ各党、野党からの質問に答え続けていたということは、大臣の答弁姿勢としても大変問題があると言わざるを得ないと思います。ですから、少なくともこの裁量労働制と高度プロフェッショナルについては関連法案から削除をして、撤回すべきだと思います。そしてきょう、山井議員も言っていたように、まず調査自体のやり直し、そして労政審のやり直し、そして法律の作り直し、出し直しということは不可欠だと思いますので、これは野党一致協力して強く求めていきたいと思っております。

(福島県視察)
 それと、先日、福島県の視察に行ってまいりましたが、福島第一原発のサイトにも入って廃炉に向けた作業等、あるいは汚染水の処理についての視察をしましたけれども、現場では非常によく皆さん頑張っておられるというのが印象でしたし、震災直後に比べれば随分現場も落ち着いた感じを取り戻しているような気がしましたが、ただ一方で、まだまだやることが山のように残っているということだと思います。併せて、太陽光のソーラーシェアリングの現場であるとか、あるいは木質バイオマスの発電といったようなことも話を伺いましたけれども、やはりエネルギー政策の在り方については、現実的に原発に頼らない社会の実現をどうやって達成するのかということを真剣に考えていかなければいけないなという思いを強くいたしました。
 その意味で、今、わが党では、原発に依存しない社会に向けた現実的な方策を取りまとめた法案の作成を急いでいるところでありますので、今国会に提出ができるように、わが党独自の案としてしっかりまずまとめていきたいと思います。併せて、他党とも協力できるところは他の野党とも協力していきたいと思っております。また併せて、福島第二原発の廃炉に向けた法案についても今週部会で了承を得るという方向で進めておりますので、こういったものも併せてわが党としては進めていきたいと思っております。

2.質疑応答
【記者】裁量労働制のことについて、きょう国会の予算委を聞いておりましたら、安倍首相が、二つちょっとポイントがあるんですけども、まず、これはあくまでも希望者のみに対して適用されるものであるということを強調しています。その上で、朝日新聞がつい最近、アンケート調査で58%が裁量労働制に反対、十何%だけが賛成。これに対してちょっと難癖をつけておりまして、他の人が言っていたと言いながら、実はこれには裁量労働制が希望者だけだというようなことに触れないでアンケートの質問をしている、これは不公平だ的なことを、過去のアンケートでもっと非常にひどい誘導質問をした社もあるんですけれども、そういうことは一切言わないで、このときだけ強調しているというのは、逆に不公平なメディアに対しての対応ではないかと思ったのですが、その2点について、本当に裁量労働制が希望者のみなのかという辺りについて、もう少し国民向けに反論していただける部分があればおっしゃっていただければと思います。
【代表】実際、まだ法案が出ていませんし、かつ、法案の前提になる調査やデータ自体に対して大きな疑いが出ているわけですから、先ほど申し上げたように、まずこの部分については削除すべきと、現時点においては議論に値しないと思っていますので、それを前提にした調査自体、私はコメントする立場にはないと思っております。
 世論調査一般に関して言えば、聞き方によって、例えば憲法9条に関しても、聞き方によってはもう既に各社の調査結果もまちまち、ばらばらというのは皆さんもご存じの通りですから、何か一つを捉えて、聞き方が悪いからけしからぬと言っても始まらないなと思っています。その意味では、自分に都合の悪いことには文句を付けるけれども、逆に都合の悪さを指摘されたようなデータについては、撤回、謝罪したとはいえ、法律は撤回しないということで、都合のいいことは取り上げ、都合の悪いことは文句を付けるという総理の態度自体いかがなものかというふうには思います。

【記者】憲法9条改正よりも先行するべきだとおっしゃった日米地位協定改定なんですが、これは党内の憲法調査会の中でも議論をされるお考えでしょうか。憲法を超越する存在としてあるというのは、これは憲法の問題の一つというふうにも見えるのですが。
【代表】地位協定の問題は、やはり重要だと思います。今回もまた燃料タンクを投棄する事件がありましたけれども、最近そうした米軍機あるいは自衛隊機の事故が頻発しているような気がします。特に米軍機の事故に関しては、何度も再発防止を申し入れますけれども、それが一向に改まらないということの原因の一つは、そういった事件、事故が起こったときに、捜査、調査が非常に限られるということであります。もし戦後レジームの脱却というか、戦後体制を改めるということを目指されるのであれば、まずこうした独立国としてもどうなのかなと思うような、他国の地位協定に比べても極めて制限された日本の今の状況といったものは、まず先に改めるべきではないかと思いますし、党内でもこれは憲法調査会というよりも外交安保調査会の方で議論を深めていってもらいたいと思っています。

【記者】冒頭の代表の発言の中で、データの問題で、大臣の答弁姿勢が問題だというような指摘だったと思うんですけれども、総理は厚労省から上がったデータを読んだのだみたいな趣旨の発言だったと思うんですけれども、総理はそのスタンスで正しいと思いますか。
【代表】いや、私もこれは、総理も含めてもうちょっと深刻に考えてもらわないといけないと思います。一番の問題は何かというと、裁量労働制の方が時間が短いんですよということが仮に役所から上がってきたときに、本当にそうかなと思う感覚がないことが問題ですよ。やはり裁量労働制になると、支払う賃金は同じだけれども、時間は特にコントロールされないということであれば、長くなってしまうのではないかなと思って、役所の皆さんにも本当にそうなのということが、疑問が出てこないこと自体が、総理にしても大臣にしても私は問題だと思いますし、そのまま3年間そうしたデータ、あるいは説明をし続けたことに対しては、総理も含めてやはり反省をしてもらわなければいけませんし、先ほど申し上げたように、やはりもう一度、法律を出すのであれば調査のやり直し、労政審のやり直し、そして法案の作り直し、この三つのやり直しをやっていただくことが最低限必要だと思います。

【記者】憲法の話についてですけれども、代表、ブログで自衛隊と自衛権の話で総理の答弁を引用しながら書かれていると思うんですけれども、自民党の方が憲法論議を進めていると思うんですけど、自衛隊を明記するのは反対だとこれまでもおっしゃっていたと思うんですが、自衛権を書くことについて話し合いましょうというのは、ある意味、希望の党を取り込むような形にもなってくるかと思うんですけれども、今後、自衛権の議論についてどういうふうに対応されるのか。
【代表】私は、自衛隊を書くことは反対というよりも、自衛権の議論なくして自衛隊だけを書いて何か国民をごまかそうとする姿勢が問題だと、賛同できないということを申し上げております。ですから、自民党の中で自衛権の議論をされるということであれば、それはそれで結構だと思いますが、ただ実際に自民党として、また公明党を含めた与党としてどのような案をまとめてくるのかまだ分かりませんので、それを前もって何か評価するようなことは避けたいと思いますが、いずれにしても、総理がおっしゃっているような1項、2項を残して自衛隊を単に書いて、何も変わりませんというような説明はとても納得できるものではないと思っていますので、そういった考え方については明確に反対だと申し上げたいと思います。
 併せて、これも2月5日の私の質問に対して、国民投票で否決されても合憲だというふうにおっしゃいましたが、いかなる法律に基づいて、いかなる権限に基づいて発言されているのか、いまだに不明であります。国民投票という重い法的手続きを経たその法的効果というのは、否決されました、でも合憲のものは合憲ですよなんて簡単に言えるものではとてもないと思います。ですから、こういったことは、もし機会があれば、また国会審議の中で総理に直接問いただしていきたいと思っております。

【記者】裁量労働制のお話に戻って恐縮ですけれども、きょうの予算委員会でも、総理はあくまでも裁量労働制の見直しについて1本の法案の中でお示しするのが適当だというお話がありました。つまり、多分全体でという意味だと思うんですけれども、こういった政府の姿勢についてはどのように思われますでしょうか。
【代表】問題だと思います。自信があるのであれば、束ねずにそれぞれ出してきて、一つ一つ審議をして賛否を問えばいいわけであって、束ねてこようということは何か後ろめたいところがあるのではないかと言わざるを得ないと思います。特に残業時間の規制、罰則付きで入れるということについては、われわれとしても賛成です。ただ、残業時間に規制を入れてしまうと、経営者側からしたら厳しくなるので、逆に残業代ゼロ法案とセットじゃないと残業時間規制を入れられないということで、セットにしなきゃいけないということであれば、これは問題だと思いますから、これだけで裁量労働制についての前提となるデータに問題があったことが明らかになったわけですから、やはり裁量労働制、高度プロフェッショナル人材については関連法案から切り離して、もうこれは成立をいったん断念していただいて、長時間労働の規制という非常に喫緊の課題についてまずは議論をしていくということが筋だと思います。

【記者】憲法に関連してなんですけど、先日、枝野立憲民主党代表が予算委員会の場で自衛官の方が安保関連法は憲法違反だと訴えた裁判で、法務省の方が存立危機事態は想定されていないと。一方で、選挙では「国難」だと言って解散したのは二枚舌だと批判しているんですけど、これについて玉木さんはどういうふうにお考えですか。
【代表】完全な二枚舌ですね。都合のいいところには危機だ、危機だと言っておきながら、訴訟に関しては「いや、そんなことはあり得ないから安心です」と言うのは、これは同じ政府が言う言葉とはとても思えない、信じられないような私は対応だと思いますから、法務大臣、防衛大臣、よく話し合ってもらいたいですね。意見が一致するのかどうか。しないなら閣内不一致だと思いますから、しっかりと考えを整理してもらいたいと思います。

【記者】昨日、泉国対委員長のパーティーで、泉国対委員長が、民進と希望の合流を念頭に「新党をやります」というようなご発言をされて、幹事長もそれに呼応するようなご発言を挨拶の中でされました。玉木代表もその場にいらっしゃったと思いますが、その後、幹事長等々からそのことについて何かご相談等があったかどうか、また、そのこと自体について、「新党をやります」というご発言自体についてどうお考えか、お聞かせください。
【代表】今、予算委員会をやっていますから、今はやっぱりしっかりと全党挙げて、一致協力して安倍政権に向き合っていくということは前から申し上げている通りですから、しっかり力を合わせて政府・与党に向き合っていきたいなと思っています。
 泉国対委員長、また古川幹事長からもきのう話をいろいろ伺いました。この間、インフルエンザで病欠をしていましたので少し永田町を離れておりましたが、この間、いろんな党内での議論、それぞれの議員の考え方、こういったものについては聞かせていただきました。きのうはいろんな発言をされたということも、私もその場にいましたから聞いていましたけれども、例えば分党するということになれば、当然新しい党ができるということなので、一般論としていろいろなことを申し上げたということでしたから、そもそも分党するかどうかも含めて、今はまだ最終的にどうなるのかということは分かりませんし、幹事長にこれは委ねていると前から申し上げていますので、今はとにかく予算委員会、しっかりと向き合って政府・与党に対峙していきたいと思っております。

【記者】先日、自民党の憲法改正推進本部が参院選の合区解消に向けた改憲案を提示しました。これについてのお考えと、あと、自民党内から1票の格差について2倍を超えることへの許容の発言もあるのと、1票の格差についてもお考えをいただけますか。
【代表】私も参議院選挙のときには、お隣の徳島、高知が合区になったので、合区の選挙区で実際選挙戦をやってみましたけど、これはなかなか大変だなというのは実感ですから、地方からそういう声が上がってくることは理解はできます。ただ、今の自民党の案を見ても、まだまだ整理が不十分なところがあるのかなと。例えば何で参議院だけなのかとか、あるいは全国民の代表だという基本的な衆参の議員の位置付け、そういったこととの関係の整理がどこまでできているのか。また、9条も同じなんですが、与党・公明党との関係でどういう擦り合わせが行われているのか、与党としての考えが具体的に一体どういうものになるのか、そういったものはこれからまずは見定めたいと思っています。

【記者】19日なんですけれども、アメリカの陸軍のミリー参謀総長が、総理と小野寺防衛大臣と会われて意見交換されたんですけれども、北朝鮮はこういうふうな情勢になっているんですけども、これに対してどういうふうに感じていらっしゃいますか。
【代表】今はオリンピックが開かれていて融和のムードが出ておりますけれども、ただ、オリンピックが開かれている間も、当然、核開発、ミサイル開発が止まっているものではありませんから、やはりオリンピックが終わった後、どういう状況になるのか。基本的には北朝鮮をめぐる安全保障の厳しい状況というのは変わっていないと思っていますので、オリンピックが終わった後に備えてさまざまなコミュニケーションが日米、あるいは日米韓で水面下でなされているというふうには思っておりますけれども、いずれにしても、緊張感を持って注視をしていかなければいけないなと思っております。

【記者】産経新聞で細野さんがダース・ベイダーみたいだと嘆いている記事があって、野党再編の障害になっていると。その記事の中で執行部が憲法調査会の会長の辞任と離党を促したとあるんですが、これの事実関係と理由とそのときの細野さんの反論をお伺いしたい。あと、もとをたどれば、去年の排除発言を含めた総選挙の検証を細野さんのヒアリングを含めてやって、どういう影響を与えたのかというのをはっきりさせることが民進党との合流にもプラスだと思うんですが、そういう検証報告書を細野さんのヒアリングを含めて作成されるのかどうか。2点についてお伺いいたします。
【代表】誤報です。
【記者】事実じゃないと。
【代表】事実はありません。
【記者】執行部の誰かが促したという事実は……。
【代表】少なくとも私は、今おっしゃったようなことを細野代議士に言ったことはありません。全くありません。
【記者】検証報告書の件については。細野さんのヒアリングを含めて。
【代表】さまざまなコミュニケーションを取らせていただいておりますし、きょうも憲法改正についての、特に地方自治や教育に関しての党内での議論の在り方や今後の進め方についての説明と相談を受けていますので、もちろん政策的なこと、また去年の選挙のこと、さまざまな形でコミュニケーションは取らせていただいておりますので、そうした何か、コミュニケーションがないとか、あるいは今おっしゃったような状況というのは、細野さんとの間ではありません。
【記者】検証報告書、文書は作らないということですか。
【代表】検証報告書、選挙のですか。
【記者】代表選のときにこの選挙の検証をするのかと聞いたら、前向きに検討したいというお答えがあったと記憶しておりますが、敗北の理由をちゃんと明確化しないといけないと思うんですが。
【代表】さまざまな形で既に行ってはおりますけれども、公表するような形の文書にまとめるかどうかについては、いずれ党大会などを開催することになると思いますから、そういった機会を捉えて、どのような文書を出すのか出さないのか、これからまたしっかりと検討していきたいと思います。

【記者】憲法について。自民党がきょう、教育無償化というか、無償化の文言はなくて努力義務、教育整備ですね、そういう内容の改定案の素案みたいなものが出ましたけれども、それの評価と、あともう1点、松沢さんが参院の憲法審でしゃべるんですけども、今ちょっと分党を言っているイレギュラーな状態ですが、あれは松沢さん個人の意見で出て行くということですか。
【代表】個人の意見です。
【記者】なるほど。じゃあ、あと自民党のほうについて。
【代表】教育に関しては、われわれも憲法上どのような形で明記するのがベストなのかという議論を深めております。努力義務にしたということについては一つの考えなんだとは思います。わが党としても、教育は非常に大事だと思います、大事だと思いますから、就学前の幼児教育、初等教育、中等教育、こういったものを義務化していくのは一つの方向だとは思います。実際、旧民主党政権のときには、ここで言う中等教育というのは高等学校の教育のことを指しますが、高校の無償化まで踏み込んだ事実がありますので、こういったことを憲法上も一定の位置付けを与えていくことは大事だと思いますが、仮にそれをやる場合には、今度は財政の問題が必ず出てきますので、一定の財政の健全化、あるいは財政の均衡についての規定を併せて憲法上設けることも私は考えるべきだと思っていますので、そうした単に義務教育の拡充といったようなものを書き込むと同時に、それを支えるしっかりとした財政的な裏付けといったものについても、何らかの形で憲法上明らかにすることがバランスの取れた議論だと思っております。

【記者】改憲の問題で確認です。先ほどもおっしゃっていましたけども、安倍首相が提案するについては反対だということなんですけども、逆に希望の党の立ち上げのときには確か改憲には賛成したはずではなかったかという声も一方ではありまして……
【代表】ありましたっけ。
【記者】ええ、そんなことを思っている人もいて。
【代表】いや、どこにも書いてないと思います。
【記者】そうですか。その辺のことをちょっと分かりやすく、その辺、矛盾がないということを説明してください。
【代表】民進党から加わったときに政策協定書というのがありまして、それには憲法改正の議論をしっかりするという趣旨のことが書いてあったので、議論はやっています。併せて、希望の党の公約ですね、これには二つ例示があって、地方分権の、地方自治の話と知る権利などの新しい権利ですね、こういったものなど、憲法改正の議論を進めるということでしたので、議論自体はしっかり進めるということで、議論自体はわれわれ今進めております。ただ、その賛否を事前にどちらかだと。賛成するということで公約等で訴えたことはないと理解しておりますので、公約通りしっかりと憲法の議論を進めているというのが現時点の認識です。
(了)