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2018.03.28 | 党声明・談話
平成30年度予算成立について政調会長談話

2018年3月28日

平成30年度予算成立について

希望の党 政策調査会長 長島昭久
予算委員会 理事 津村啓介


 平成30年度予算が成立した。今回の予算審議では、安倍内閣の政権運営をめぐって数々の問題点が浮き彫りになった。財務省公文書改ざん問題についての証人喚問では、佐川元理財局長は証言拒否を繰り返し、誰が文書改ざんに関与したのかなど、肝心な点について真相の究明には至らなかった。真相究明のためには、司法の場とともに、立法府においても、国政調査権の下に、行政や法律の専門家を中心とする第三者調査委員会を立ち上げることを提案したい。同時に、わが党としては、公文書管理のあり方や公益通報者の保護等、再発防止策の立法化にも全力を挙げる。
 また、今国会最大の焦点である「働き方改革」においても、政府は、過労死を助長しかねない裁量労働制の拡大を不適切なデータ比較をもとに強引に進めようとした。我々は長時間労働規制やパワハラ規制等を中心とした「働き方改革対案パッケージ」を準備しているが、安倍内閣は政策論議の前提すら構築できていない。このほか、前川前文科事務次官の公立中学校での講演をめぐる文科省の不当介入問題など、長期政権による弊害と見られる不祥事が多発している。政治不信ここに極まれり、と言わざるを得ない。
 本来であれば、働き方改革の他、日銀総裁・副総裁の任期満了に伴うアベノミクスの再検証、教育無償化等の人への投資のあり方、トランプ政権の通商政策、南北首脳会談、米朝首脳会談の行方など、山積している国内外の重大問題について、国会で十分な審議時間を割くべきところ、政権の足元を揺るがす諸問題に審議時間を割かざるを得なくなったことは極めて残念である。安倍政権はその責任を重く受け止めるべきである。

 さらに、予算の中身も問題である。政府は、人づくり革命・生産性革命・財政再建を柱に据えるが、いずれも我が国が直面する課題の解決にはつながらない。
 政府の人づくり革命による幼児教育無償化策では、潜在的な保育ニーズの顕在化及び女性の就業率の上昇により、さらに待機児童が増えるおそれが高い。無償化の前に「保育園全入化」を進めるべきである。
 生産性革命は、事業承継支援や設備投資促進支援等、従来型政策の看板のかけ替えが中心で、民間活力の活用による構造改革への道筋は見えない。持続的な経済成長やイノベーションにつながるのかどうかも疑問である。他方で、公共事業費が6年連続で増加している。安倍総理は、いつまでも財政出動を続けるわけにはいかないと国会で何度も答弁してきたが、結局いまだに財政出動に頼っている。ここにもアベノミクスの限界が現れている。
 また、財政再建は大きく後退した。一般会計総額は過去最大を6年連続で更新する97兆7000億円となり、内閣府の試算では、国の基礎的財政収支の黒字化はベストシナリオでも2027年度まで先送りとなっている。目先の一時的な景気回復を演出するために、安倍政権は大きなリスクを将来世代に押し付けてしまったと言わざるを得ない。

 希望の党は、今後とも、安倍政権が目を背け続ける将来のリスクに正面から向き合い、現在と将来の国民の目線に立って、「未来先取り」の改革政党としての責任を果たしていく覚悟である。

以上