1.冒頭発言
まず冒頭私から。昨年2月20日に衆議院の予算委員会でわが党の後藤祐一議員が当時の稲田防衛大臣に、イラクの日報があるのかという質問をしたことに対して、当時、稲田大臣は、確認したけれども見つけることができませんでしたというふうに答弁をされました。しかし、これが先日、実はあるということが分かり、結果として虚偽答弁だったということが明らかになりました。これは全く許されるものではありません。当時の稲田大臣にぜひ参考人としてお越しをいただいて、国会で説明をいただきたいと思います。
併せて、発覚した経緯でありますが、今年の1月には既に陸自の研究本部から陸幕の総務課に報告がなされておりました。ただ、安倍総理に報告が上がったのが今月2日ということで、2カ月以上何をしていたんだということだと思います。この間、国会では森友学園の決裁文書の改ざんの問題であるとか、政府が出してくる文書やデータに対しての信ぴょう性についてまさに議論が行われていた最中だったわけですが、防衛省もむしろこうした隠蔽を図っていたと、組織的に隠蔽を図っていたのではないかと思われるような対応を行っていたことについても断じて許すわけにはいかないと思います。
森友問題でも明らかになりましたけれども、とにかく国会や国会議員から求められた資料に対して、なかなか出さない、あるものをないと言う、そして出すときには真実と違った改ざんしたものを出してくる。一体この今の政府はどうなっているんだ、安倍政権は大丈夫なのかと思わざるを得ない事案がまた一つ発生したと思っております。
こうしたことを防ぐためにも、わが党として先般取りまとめました公文書管理法の改正を中心とした公文書改ざん防止法案、これを速やかに国会に提出したいと思っていますので、与野党を超えた賛同をぜひいただけるように働き掛けを強めていきたいと思っております。
併せて、これに関して申し上げると、きょうの財金委員会で麻生財務大臣も理財局長も、財務省としての調査結果の報告は捜査終結後ということをきょう明言しました。これは開き直ったような答弁であって、昨年の防衛監察の際も国会終了後に公表されましたけれども、財務省の調査については必ず国会開会中に報告を行うべきと思いますので、これは政府に対しても強く求めていきたいと思いますし、自民党、公明党にも、これはもう国会としてばかにされた話でありますから、今国会に提出するように与党にも働き掛けていきたいと思っております。
もう1点は、民進党からの呼び掛けについてであります。民進党が先週の両院総会で新しい党をつくること、同志に結集を呼び掛けることを決定して、そうした過程については日曜日の夜に大塚代表から私、電話をいただきました。きょう16時半から増子幹事長からわが党の古川幹事長に対して正式に呼び掛けが行われると聞いております。その呼び掛けを受けて、わが党としてもどのように対応するのか、検討に入りたいと思っております。まずはあすの役員会でこの取り扱いについて議論して、わが党としての対応方針を決めていきたいと思っております。
以上です。
2.質疑応答
【記者】今、代表も話がありました、新しい民主党への呼び掛けに対してなんですけれども、一方で、先ほど細野議員が「新しい民主党」には加わらない意向を示しました。それについていかがでしょうか。
【代表】今申し上げたように、まだ正式に民進党のほうから呼び掛けもありませんので、現時点においてはコメントを差し控えます。
【記者】今の質問の関連ですけれども、野党内からもこのタイミングでこうした党同士の動きが出るということについて疑問の声が出ていますが、野党が連携して安倍政権に対峙するということをかねがねおっしゃってきた中で、こういったタイミングでこうした動きが表面化していることについてどのようにお考えでしょうか。
【代表】連携を強化するための動きの一環だというふうに理解していますが、実際にいつどのような形で党の在り方が変わるのか変わらないのか、これはまだ全く議論もしておりませんし、まだ先の話になるのかなとも思いますから、とにかく今は森友学園の問題、そして冒頭申し上げたような防衛省のイラクの日報の問題など、野党が協力して取り組むべき案件については、しっかりと結束をして、問題がないように取り組んでいきたいと思います。
【記者】憲法審査会をめぐる話ですけれども、公明党の北側さんが3月に国民投票、国政選挙において洋上投票について、要は実習生の投票に関してなんですけれども、そういった議論の必要性を公明党のほうが主張されていて、他にはCM規制の議論などもあるかと思うんですけれども、憲法審査会で、なかなか開始がまだ見通せない中で、こういった洋上投票の話ですとかCM規制について議論をしようということで与党が呼び掛けてきた場合、これはやはり憲法審査会の議論には応じていきたいとお考えでしょうか。
【代表】私も国会の中で国民投票法の問題点ということは指摘をしてきましたので、そういった呼び掛けがあれば積極的に検討していきたいと思います。CM規制については、特に大型国政選挙と同時に国民投票が行われるような場合には、党の政策の発信等についてはさまざまな制約がかかる一方、その政策の一部分である例えば憲法改正については、さまざまな規制がかからないということについてはやはり問題があるし、齟齬があるのではないかと思いますので、建設的な議論を行うべきではないかと思っております。
【記者】民進の増子幹事長は、今週後半にも玉木先生と大塚さんの党首会談、来週から新党協議というような、何かスケジュールありきなんですけれども、そんなに急ぐ必要があるのかも分からないし、日報問題も勃発して、やはり国民不在の新党協議になってしまうという懸念がないのでしょうか。その辺はどうお考えになりますか。
【代表】増子幹事長がどうおっしゃったかというのはまだ承知をしておりませんけれども、まだ正式に呼び掛けをいただいていないので、仮定の話は差し控えたいと思います。われわれとしては、大塚代表の呼び掛けの趣旨は、今、国会で取り上げられているような森友学園の文書改ざん問題、今回の防衛省のイラクの日報問題、こういった問題を野党が力を合わせて対応していくために行っているものだと思っていますので、それに資する動きはやるべきだと思いますが、そのことを阻害するような動きはやはり慎重に考えて、日程感も含めて対応していくことが必要ではないかと思っています。
【記者】関連して。大塚代表は「新しい民主党」という形で呼び掛けると思うんですが、玉木代表もその「新しい民主党」を共につくるというご認識なのかという点と、もう一点、先ほども質問があったのですが、細野議員がもう既に結党には参加しないということを表明されていますが、そうすると、もう党内に必ず離反者が出る状況を代表としてはどうご覧になっていますでしょうか。
【代表】正式に呼び掛けをまだいただいていませんので、その「新しい民主党」というのが一体何を意味するのか、まずよくお話を伺ってみたいと思いますし、そういう段階ですので、細野議員をはじめ、加わる、加わらないという話についても現時点ではコメントできないということで、差し控えたいと思います。
【記者】雑民党の党首である東郷健さんがお亡くなりになられたのが2012年の4月1日でございますけれども、この東郷さんの七回忌をどうお感じになられるのかということと、その当時、東郷さんのご活躍をどのように受け止められていたのかということをお願いいたします。
【代表】すみません、私あまり存じ上げないので、申し訳ございません、ちょっとコメントができないです。
【記者】1週間たちましたが、佐川前長官の証人喚問に関する1週間たってのご感想と、今後、森友問題をどのように追及していくか、お考えをお聞かせください。
【代表】真相はまだまだ闇の中という気がします。その意味では先ほど申し上げたように、財務省自身がまず自浄作用を発揮すべきだと思いますから、国会の開会中に必ず調査結果を出してもらいたいということが1点です。
もう一つは、今回、刑事訴追の恐れがあるので答弁を拒否したいということを約50回ぐらいおっしゃっていましたが、あれも非常に現行制度の限界だと思うと同時に、今年の6月から改正刑事訴訟法が施行されます。その中には実は刑事免責の制度が入っているので、あそこで発言をしたことについて刑事責任を問わないという条件の下で証言拒否はできないというような、そういった新しいルールの中で証言をいただくことが必要ではないかなと思いますので、これから例えば国会の中に特別調査委員会を設けて、そこにもう一度佐川前長官に来ていただいて、そうした刑事免責を付与した中で真実を語っていただくということも一案かなと思います。いずれにしても、二度とこういったことが行われないように、全容解明に財務省としても、そして国会としても全力を挙げていかなければならないと思います。
【記者】細野さんのご発言に戻って恐縮なんですけれども、細野さん、先ほどの取材の中で、政策理念を曲げるということは政治家として死ぬことであるということをおっしゃっているんですけれども、どういう党になるのかならないのかはまだだとしても、玉木代表ご自身としては、ご自身が掲げている安保ですとか憲法ですとか、そういう基本的な政策や理念というのは変えるおつもりはないというご認識でしょうか。
【代表】はい。もともと民進党から希望の党に移ってくる際に、私も含めて、当時の民進党の両院総会の決定に伴って移ってきた方々は、いわゆる政策協定に署名をして来ています。その政策協定の中では、例えば安保法制に関しては、「憲法に則り適切に運用し」、「不断の見直しを行う」ということでしたから、必要な見直しを行っていくと。現行のいわゆる安保法制というものの中には容認できるものと容認できないものが混在しているということは、私は何度も代表選挙やこれまでも申し上げてきましたので、既に法施行が行われていますから、やはりその違憲の疑いがある部分については、具体的な法改正の形で国会に提案していくことが現時点における責任の果たし方だと思っていますので、そういった方向で対応したいと思いますし、そのことは旧来の民進党からの流れの延長線にあると思いますし、これからもその考えは変えるつもりはありません。
【記者】2点ありまして、先ほど代表が、あしたの役員会で取り扱いの議論をして、対応方針を決めたいとおっしゃったと思うんですが、対応方針というのはどういったものなのかというのが1点。あと、今後の進展についてはなかなか見通せない部分があるとは思いますが、民進党が呼び掛けた時点で動きは顕在化していまして、今後、可及的速やかにどっちにしろ判断しなきゃいけないと考えているのか、もう少し長期的なスパンで考えているのか、その辺りはどういった具合でしょうか。
【代表】党内の丁寧な議論が必要だと思います。民進党は民進党さんで、さまざまな困難、障害を乗り越えて一つの組織としての決定をされたので、それは重く受け止めたいと思います。他方で、わが党はわが党としての立場がありますし、構成する議員の中にもさまざまな考えがあることも事実でありますから、その意味では、民進党さんからの呼び掛けをまず受け止めた上で、それをどう考えるのか、どのようにこれから対応していくのか、党内のまずしっかりとした議論を行っていきたいと思っています。
【記者】関連して、野党分裂の影響で国会対応も、先の佐川さんの証人喚問で野党間の質問時間がばらばらになってしまったように、悪影響があるかなと思うんですけれども、このタイミングで大塚代表の方から、野党間の連携を強化するという名目で新党結成を呼び掛けた、その意義についてはどういうふうに評価されていますか。あと、大塚さんとの会談は5日か6日かと言われているんですけれども、これはもうフィックスはされたんでしょうか。
【代表】大塚代表がこの決断をされた理由は、私の理解では、やはり野党の協力を強め、森友学園の決裁文書改ざんの問題など、政府・与党の問題点をより強い力でしっかりと追及していく、そのためだというふうに理解しております。5日、6日という日程感ですけれども、全く聞いておりません。
【記者】今はちょっと発言を控えていますけども、岡田克也さんが、森友問題等をやっているときに新党問題をやるのは「敵に塩を送るようなことだ」と言ったんですけども、それについてどう思いますか。
【代表】ご懸念があることは理解できますが、私自身もこの間ずっと追及をしてきましたので、仮にこういった議論をする際にも、まかり間違っても森友学園の追及の矛先が鈍るようなことには絶対にしないという思いでやりたいと思っていますので、もしそういうことに影響があるとすれば本末転倒だと思いますから、やはり野党の協力を強め、政府・与党に対する追及を強化、強める意味で議論を行うとしたら行っていきたいと思っています。(了)