【芸能・社会】TOKIO山口達也、契約解除 辞表受理「本人の強い意志」2018年5月7日 紙面から
ジャニーズ事務所は6日、女子高生への強制わいせつ容疑で書類送検(後に起訴猶予処分)されたTOKIOの山口達也(46)の辞表を受理し、山口との契約を解除したと発表した。山口が先月30日にメンバーに提出した辞表が6日に同事務所社長に渡され、山口も直接、社長に辞意を表明したという。一方で同事務所は山口の更生のために今後も支援は続けるとしている。 山口は無期限謹慎中だったが、4月30日、TOKIOのメンバーと面会し、「責任を取って事務所を退所したい」と辞表を提出。リーダーの城島茂(47)が預かり、結論を保留していた。 この日、メンバーの総意として城島がジャニー喜多川社長(86)に山口の辞表を提出。入院中の山口も社長に電話で直接辞意を伝えたという。 ジャニーズ事務所は6日に報道各社に送付したファクスで「本日、本人からも直接、弊社に対し強い意志表明がございました。それを踏まえ本日、弊社社長とTOKIOリーダー城島茂との協議が行われ、この申し出を受理する判断に至りました」と契約解除を報告した。 契約解除の理由については、山口が今後も被害者に謝罪を重ねなければいけないこと、そして事件の要因となった問題を克服し、社会復帰するためには本人の強い意志が不可欠なことを挙げ「無期限謹慎という曖昧な形ではなく、本人の強い意思でもある辞意を受け入れ、山口が1人の人間として自分と向き合う形をとらせるべきだと決断いたしました」と説明した。 一方で、「彼を長年育んできた立場として、彼が健やかな1人の人間としての精神と振る舞いを取り戻し、被害者の許しを十分に得た上で、未来を描けるまでを具体的に支援することが弊社の責任」とし、アルコール問題と、それに起因する生活と精神の乱れを根本的に治療するため再入院している山口のサポートを今後も継続する考えを示した。 事件の発覚を受けて山口は4月26日に謝罪会見を開いたが、「またTOKIOに戻りたい」と発言。社会の批判を招き、メンバーの国分太一(43)や城島が自身の番組で「そんな甘えた言葉は聞きたくなかった」「ありえない」と厳しく糾弾。しかし、今月2日のメンバー4人の謝罪会見では「そうか辞めてくれと言えない私たちがいた」(城島)、「辞表を受理したとしても、僕は山口を見捨てることができません」(国分)と長年苦楽を共にしてきた仲間としての「情」も率直に打ち明けていた。 1994年9月にデビューし、1人も欠けることなくオリジナルメンバーで活動してきたTOKIO。山口が無期限謹慎になってからは、4人で与えられた仕事を続けていくと表明していたが、これで正式に4人組になってしまった。 メンバー4人は連名で「誰のために何をすべきか、それだけを考え続けた日々でした」「今一度TOKIOとして原点に戻り、それぞれが己と向き合い、誰のために、いったい何をするべきなのかしっかりと考え、前を向いていきたいと思います」などとするコメントを発表した。 またジャニーズ事務所はファクスで「彼らは『4人のTOKIOが必要とされるのか』という命題を背負い、いばらの道を歩むことになります」とTOKIOが置かれた状況を記し、理解と支援を求めた。 ◆4人連名でコメント<TOKIOの城島茂、国分太一、松岡昌宏、長瀬智也が連名で寄せたコメント> 誰のために何をすべきか、それだけを考え続けた日々でした。 僕らメンバー、一人一人の今の気持ちを表現するには言葉だけでは足りませんし、何より、これ以上言葉で語るべきものではないと思います。 自分たちに変えられるものがあるとすれば、それは明日であり、目の前にあることからです。 今一度TOKIOとして原点に戻り、それぞれが己と向き合い、誰のために、いったい何をするべきなのかをしっかりと考え、前を向いていきたいと思います ◆記者の目 失われた“絆”…4人を待つ厳しい道山口が辞表を出したのが4月30日。結論を出すまでの1週間はTOKIOにとって、どれほどつらい時間だったことか。すぐに受理しなかったこと、事務所が彼らに判断を任せたことに少なからぬ批判が起きた。キャスターをしているメンバーは悲痛な表情をテレビでさらし続けた。 今月4日に「そっとしてほしい」と被害者家族のコメントが再度出されたことで報道は下火になり、推移を見守るという選択もあっただろうが、4人は想像以上に事の重大さを理解していた。 山口を切っても守ってもTOKIOには厳しい道が待っている。バンドの要のベースを失ったことで音楽活動は不可能になったが、最大の財産である「絆」が失われてしまったのは深刻だ。いつも仲が良さそうな5人だから、TOKIOの番組は「アイドル番組」の枠を超えて国民的番組になった。4人が頑張っても、もう視聴者は屈託なく笑って彼らを見られない。良いことも悪いことも背負うのがグループの宿命とはいえ、4人が失ったものは計り知れない。 (宮崎美紀子) <山口達也(やまぐち・たつや)> 1972(昭和47)年1月10日生まれ、埼玉県出身。5人グループ「TOKIO」のベース担当。94年9月にシングル「LOVE YOU ONLY」でCDデビュー。以降、音楽、バラエティー、ドラマなど多方面で活躍。97年には日本テレビ系「24時間テレビ」で100キロのチャリティーマラソンを完走。私生活では2008年に元モデルの女性と結婚し2男をもうけたが、16年8月に離婚。
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