昔、狂ったようにアジの刺身を食べていた時期がある。スーパーで意外と安く売っているし、美味しいからだ。
すっかり三枚おろしも板についた頃、ちょっと刺身以外にも手の込んだものを作ってみようか、と思い、調べた結果、「なめろう」に出会った。
港町の料理で、青魚、味噌、ネギ、大葉なんかをまな板の上にごちゃっと乗せて、包丁でひたすらたたく。魚の身がペースト状になる寸前で叩きストップ!おいしいつまみの完成だ。俺はネギを入れずに大葉を多め、さらにしょうがを多めに入れるのが好き。
初めてなめろうを食べた時の感動は忘れられない。これは日本酒のための料理だ。いや米と一緒に食べてもいける!なんならなめろう単体でもおいしいぞ!
狂ったようになめろうを食う日々が続いた。3ヶ月くらい、毎日のようにアジを3枚におろして叩いた。
流石に食べすぎて飽きてしまい、2年くらいご無沙汰だったのだが、昨日スーパーで4尾150円のイワシを発見し、「アジではないけど、久々に作ってみるか」と思い立った。
三枚おろしの腕はやや鈍ったが、とてもおいしい。本丸のアジで作ったらどうなっちゃうんだろう俺、ってくらい。久々に飲む日本酒もまた最高だった。
これから、また、毎日三枚おろし、叩き、おいしいお酒のルーティーンが続く。ストレスの溜まる日々だけど、俺はなめろうのために生きていく。