ポルノグラフィティシングルマイベスト15。半年かかりました。
ヒトリノ夜
2ndシングル。作詞:ハルイチ、作曲・編曲:ak.homma
サボテン
5thシングル。作詞:ハルイチ、作曲:シラタマ、編曲:ak.homma
今回46曲のシングルから15曲を選ぶうえでひとつ「CD音源」が大きな基準になっていて、『ヒトリノ夜』も『サボテン』も今でもライブで定期的に披露される曲ではあるんだけど、どうしても違う。CD音源のアキヒトの声のザラつきや荒削りでギラギラしたハルイチやシラタマのメロディライン、例えば『ヒトリノ夜』で言うところの2番サビの「甘い甘い」であったり、スラム街みたいなギターソロ、それは多分CD音源でしか出せないし、だから特別。
幸せについて本気出して考えてみた
8thシングル。作詞:新藤晴一、作曲:Tama、編曲:ak.homma
とにかくドラム。『幸せについて本気出して考えてみた』の主役はドラム。この曲のボーカルはドラムです。終始ドラムが犬かってくらいに元気に暴れてて、「ペットなに飼いたい?」って聞かれたら必ず「幸せについて本気出して考えてみたのドラムみたいな犬」って答えてる。そして「こいつやべぇ…」って顔をされる。
Mugen
9thシングル。作詞:新藤晴一、作曲:ak.homma、編曲:ak.homma、ポルノグラフィティ
全身を使って聴く曲。耳で聴くな、身体中でサックスの息吹を感じろ。歌詞を頭で理解しようとするな。「わからないからこその良さ」を知れ。すぐ「歌詞 解釈」でググるな。その曲を「今」聴いてるのはお前だろ。
ポルノグラフィティの歌詞はたまに「中二」とか言われることがあるんですけど、そのたび「中二にこの歌詞が書けるかよお前もう喋るな黙ってMugen聴いてろ」となる。
渦
10thシングル。作詞:新藤晴一、作曲Tama、編曲:ak.homma、ポルノグラフィティ
究極の胃痛ソング。聴くたび寿命減ってんじゃねぇかってくらいにキリキリする。「セクシー」「エロ」って言葉すら生温い。一徹のAV観るヒマあったら渦聴け。
ラック
14thシングル。作詞:新藤晴一、作曲:Tama、編曲:ak.homma、ポルノグラフィティ
怒りだ。一音一音から感じる圧倒的な怒り。たまに「ポルノグラフィティはロックバンドじゃねぇ」って声があるが、てめぇが通ってる病院の医者が頭に乗っけてる丸いやつ全部ラックのCDに変えてやるから覚悟しとけよ、コラ。
黄昏ロマンス
16thシングル。作詞・作曲:新藤晴一、 編曲:ak.homma、ポルノグラフィティ
ジジイになってもポルノグラフィティを聴いてるかはわかりませんが、確実に黄昏ロマンスは俺がマスターを務める喫茶店『クローズ トゥ ユア ライフ』でいつも流れていることでしょう。黄昏ロマンスとは人生。教科書に載せろ。合唱コンクールの課題曲として歌え。
ネオメロドラマティック
17thシングル。作詞:新藤晴一、作曲:ak.homma、編曲:ak.homma、ポルノグラフィティ
面接に落ちようが女にフラレようがイントロ聴いた瞬間、血流がボコボコと音を立てて沸騰し全身が真っ赤になる。一見「お前それっぽい言葉適当に並べてるだけだろ」としか思えない意味不明な歌詞も、ふとした瞬間カギが開くようにカチッと自分の中で腑に落ちるときがあり、そのたびアミューズの株を一株買うことにしてる。
ギフト
25thシングル。作詞:新藤晴一、作曲:岡野昭仁、編曲:ak.homma、ポルノグラフィティ
いわゆる「メッセージソング」ってやつは聴いてると説教受けてる気分になって「君君君君うるせーよ。偉そうにしてるお前は誰なんだよ。瀬戸内寂聴かよ」と思ってしまうことがあって苦手なんですが『ギフト』は、あくまで「僕」という架空の主人公がいて、その主人公が自分を奮い立たせようともがく曲。だからこそ誰かに背中を押されるんじゃなく、自分で一歩踏み出そうと思える。
普通のメッセージソングが自己啓発本だとしたら、ギフトは小説。俺は小説で泣きたい。
今宵、月が見えずとも
27thシングル。作詞:新藤晴一、作曲:岡野昭仁、編曲:ak.homma, ポルノグラフィティ
ポルノグラフィティの真骨頂のひとつとして「歌詞はオシッコ漏らしたくなるほど暗いのに、身体は勝手にリズムを刻んでしまうほどノれるメロディ」っていう曲の乖離があるんですが、まさにその最たるもので深夜の公園で「死にたい、誰か俺を殺してくれ」と叫びながら全裸で踊り狂ってる。
瞳の奥をのぞかせて
30thシングル。作詞:新藤晴一、作曲:岡野昭仁、編曲:ak.homma, ポルノグラフィティ
メロディに対しての譜割りがとにかくムチャクチャでパンパンに空気詰まっていまにも破裂しそうな風船みたいな曲。割れるか割れないかのギリッギリの気持ち良さ。それがラスサビの「こ(゛)ぉ」で一気に弾け飛んで失神する。
2012Spark
35thシングル。作詞:新藤晴一、作曲:岡野昭仁、編曲:tasuku、ポルノグラフィティ、ストリングスアレンジ:tasuku、門脇大輔
バカでかい雷が鳴り響いたかと思ったら、ムキムキの大男が全裸で煙吹き出しながら立ってた、みたいな曲。漢字の「漢」と書いて「おとこ」と読むほうの『漢の曲』。ボーカルもギターもアレンジもめちゃくちゃマッチョ、なのにバイオリンのメロディラインはミューズ、女神の美しさで、聴くとめちゃくちゃテンション上がってるのに気がついたら涙流れてる。
オー!リバル
42rdシングル。作詞:新藤晴一、作曲:岡野昭仁、編曲:tasuku、ポルノグラフィティ
曲には「聴きどころ」ってのがあるとして、その聴きどころがたくさんある曲をいわゆる『名曲』と呼ぶが、オー!リバルはその全てが聴きどころ。AメロとかBメロとかない。全部サビ、全部クライマックス。全員主役。主演:役所広司、妻:吉永小百合、長男:二宮和也、次男:菅田将暉、長女:上戸彩、役所広司の同僚:渡辺謙、二宮和也の彼女:石原さとみ、菅田将暉の彼女:新垣結衣、上戸彩の彼氏:岡田准一、石原さとみの不倫相手:小栗旬、主題歌:反町隆史
Montage
45thシングル。作詞:岡野昭仁、作曲:新藤晴一、編曲:篤志、Porno Graffitti
「昔っぽい」ってのが今のポルノグラフィティにとって褒め言葉になるのかはわかりませんが、こういうタイプの曲が「新藤晴一作曲、岡野昭仁作詞」で出たってことに涙出る。無駄な音も無駄な遊びも一切ない、切れ味の良い刀作ってる刀鍛冶のオヤジみたいな、一丁400円くらいする超高い豆腐みたいな曲。
ポルノグラフィティ新曲『Montage』感想 - kansou
カメレオン・レンズ
46thシングル。作詞・作曲:新藤晴一、編曲:篤志・Porno Graffitti
コイツのせいで選びかけてた選曲がいっかい全部パーになった悪魔の曲。『音楽』とはカメレオン・レンズのことである。
『ラック』で「ポルノグラフィティはロックバンドか」について少し触れたが、そもそも「ロック」がそんなに偉いのかと。ポルノがただの「ロックバンド」なら間違いなくカメレオン・レンズはできてない。ロックがなんぼのもんじゃい。ロックだとかポップだとかそんな枠にハマらずどんな音楽も吸収し昇華するポルノだからこそできた曲。
ドラマのタイアップ曲でもあり、もちろんファンじゃない人間にも両手両足イスに縛り上げた状態で強制的に聴かせたい曲ではあるんですが、『カメレオン・レンズ』はむしろ「ファン向け」の曲だと思っていて、プロデューサーの曲でデビューし、メンバーが脱退し、プロデューサーが離れ、それでも第一線で戦い続けたいと模索し続けたポルノグラフィティが20年目にしてこの曲に辿りついた事実。この事実だけで生きていける。