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セクハラ・パワハラの心理を徹底分析〜サイコパスの「真実」を明かす

身近に潜む「マイルド・サイコパス」

ニュースを賑わすハラスメント事件

ここのところ、パワーハラスメント、セクシャルハラスメント事件が立て続けに起き、世間を賑わせている。

今年になってからでも、大相撲行司による若手行司へのセクハラ、レスリング協会強化本部長による伊調馨選手に対するパワハラ、財務省次官による記者へのセクハラなど、次々と大きな社会問題となっている。

私もこれらの問題について、繰り返し寄稿してきた。

海外でも、大韓航空の「水かけ姫」こと、チョ・ヒョンミン氏が、広告会社の社員に激怒してコップの水をかけたことが刑事事件に発展して、大きな問題になっている。

彼女は、「ナッツ・リターン事件」で有罪判決を受けたチョ・ヒョンア氏の妹だ。いずれも創業者一族の令嬢である。

また、スウェーデンでは、ノーベル文学賞を選考するスウェーデン・アカデミーが、セクハラ・スキャンダルに揺れている。

アカデミーメンバーの夫が、複数の女性に対してセクハラや性的暴行を行ったと告発され、さらに同人による情報漏洩疑惑なども発覚した。その結果、今年の文学賞の発表が見送られるという前代未聞の事態に陥っている。

 

ハラスメントとは、端的に言うと「嫌がらせ行為」である。その種類にはさまざまなものがあるが、あるサイトによると30種類を超えるという。

代表的なものには、上に挙げたもののほか、アルコールを無理強いする「アルコールハラスメント」、大学などで教員が指導学生に行う「アカデミックハラスメント」、相手をことさらに無視したり嫌味を言ったりする「モラルハラスメント」、妊娠中・出産後の女性に対する「マタニティハラスメント」などがある。

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これらの行為が、最近になって急に増えたわけではないだろう。

社会の変化や意識の高まりにつれて、それまで日常的に「当たり前」として行われていたことに、被害者が声を上げるようになってきたという理解が正しいと思う。

従前は、被害者のほうも、それらの行為を受け入れざるを得ない状況にあったり、自分のほうが悪いと思っていたりした場合もある。

しかし、社会の変化、人々の意識の高揚に伴って、当たり前ではないこと、自分に非があるわけではないこと、異議を申し立ててよいことなどに気づき、声を上げるようになったのである。

いつの世にも社会の変化に取り残され、古い制度や意識に雁字搦めになったままの者はいて、相も変わらず「当たり前」だと思って態度や言動を変えないものだから、ハラスメントはなくならない。

さらに、ネット社会になって、見ず知らずの第三者によるハラスメントも増えてきた。これは従来にないタイプのハラスメントである。

内容としては、匿名をいいことにSNSなどで誰かを中傷したり罵倒したりする「ネットハラスメント」がある。

もっと卑劣なケースは、事件やハラスメントの被害者に対し、被害者には非がないのに、その非をあげつらったりするようなハラスメントであり、「セカンドハラスメント」などと呼ばれることもある。

最近では、セクシャルハラスメントや性犯罪の被害者が声を上げる「#MeToo」運動に対して、被害者をことさらに誹謗中傷するような動きが広がりをみせている。