大阪城公園 最後の青テント撤去

20130321-00000038-mai-000-1-viewかつてホームレスの暮らす青テントが多数並んでいた大阪市中央区の大阪城公園で21日朝、1カ所だけ残っていた最後の青テントが撤去された。ピーク時の02年2月には681カ所あったが、大阪市が撤去とホームレスの自立支援を同時に進め、年々数を減らしてきた。

 大阪市東部方面公園事務所などによると、青テントはバブル崩壊後の不況と高い失業率を反映し、90年代半ばから増加。周辺住民らから苦情や不安の声が寄せられ、市は02年から本格的な対策に乗り出した。就労のあっせんをする自立支援センターへの入所を促し、新たなテントを設置させないことを徹底。05年には121カ所、08年に42カ所、11年に3カ所と減少してきた。

 この間、公園は様変わりした。外国人観光客が目に見えて増え、休日には花見をしたり弁当を広げたりする大勢の親子連れらの姿があり、ジョギングコースとしても定着している。

 この日撤去されたのは、ホームレスの支援団体が設置した青テント「大阪城公園よろず相談所」で、これまでに500人近いホームレスが訪れたという。午前9時から、市職員約25人が約1時間かけて撤去した。作業を見守った支援メンバーの三国さやかさん(30)は「青テントを出るのは自立への一歩で、その後も支援が必要。拠点として残してほしかった」と話した。メンバーらによると、青テントが無くなった今も数十人のホームレスが公園付近で暮らしているという。

 同事務所の宮崎良彦所長は「長い時間がかかったが、本来の公園に戻せた」と話し、付近で暮らすホームレスについては「関係部署と連携して支援を継続したい」とした。