前回の続きとして、蒸留工程から見ていきます。

仕込み棟の奥にあるのが、モルトウイスキーの蒸留棟になります。
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余市蒸溜所との違いとしては、
  • ポットスチルの形状が、途中に膨らみのあるバルジ形
  • 水蒸気の通る管を使って加熱するスチーム式
  • 温度調節はコンピューター管理
という特徴があります。
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スチーム式にする事で加熱のムラが少なくなり、比較的癖の少ない原酒が抽出できるというのがニッカの話です。スコットランドの蒸溜所でもスチーム式が大半を占めるようになっています。

なお、コンピューター制御は1976年から導入されていて、食品の製造工程への導入としては初めてだと言われています。

古くからの伝統を継承する余市と、最新の技術を駆使する宮城峡という点でも、個性の異なる原酒を造る上で対照的にしていると言えるでしょう。

一方で共通するのは、ネックの部分に飾られる注連縄です。
元々造り酒屋の家であった竹鶴家の伝統をここでも継承しています。

ビジターセンターの方まで戻り、その先に進むとモルト原酒の貯蔵庫があります。
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貯蔵庫ではダンネージ式で2段に樽が並べられている様子を見学できます(見学用なので原酒が熟成されているとは限らないでしょうけど)。
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2段積みにする理由としては、建物の気温差によって上下の熟成の度合いを少なくしようとする目的があると思われます。この点は余市と共通しています。

これにて見学は終わり、ゲストホールにて無料の試飲が行えます。
この試飲では、スーパニッカ、宮城峡、アップルワインが飲めます。

一方で有料のセミナーでは、シングルモルト宮城峡のほかに3種類の異なる性格の原酒、カフェグレーンを試飲して、その違いなどを感じる事ができます。

このほかゲストホールには有料の試飲所もあり、セミナーで飲める3種類の宮城峡も飲めます。

さらに、ゲストホールにはショップが併設してあり、蒸溜所限定のウイスキーが購入可能です。