【プロ野球】新人の大城が初猛打賞 たくぞうじゃねえよ!2018年5月6日 紙面から
◇巨人8-3DeNA巨人が快勝した。2回に長野、大城の適時打などで3点を先制。3回は失策で2点を奪い、さらに大城の適時二塁打と田口の適時打でリードを広げた。田口は7イニング2失点で2勝目。DeNAは拙守で失点を重ね、4連敗を喫した。 ◇ 由伸巨人に南国から新風を吹き込んだ。1カ月ぶり先発マスクとなったドラフト3位の新人・大城が、プロ初タイムリーを含む初の猛打賞。攻守にわたる活躍で、チームの連敗脱出に貢献した。 ルーキーが、スコアレスドローに終わった前夜の鬱憤(うっぷん)を晴らした。球団が2年連続打率最下位の小林の打力を不安視し、ドラフトで指名した「打てる捕手」。その評価に違わず、2回無死一、三塁から二塁後方へ落とすプロ初適時打だ。「落ちろ、と思って走りました」。第2、第3打席でもHランプをともした。 慣れたグラウンドで暴れ回った。「久しぶりでしたけど、嫌な感じはなかったです」。那覇市で育ち、神奈川・東海大相模高へ進学。2010年の3年夏は元阪神・一二三(ひふみ)とのバッテリーで準優勝した。 大城卓三。名前は「たくみ」と読むが、ナインから「たくぞう」といじられる。沖縄育ちからか、性格はマイペース。戸根や吉川大ら同級生のLINE(ライン)グループにもなかなか入らなかった。見かねた同級生や先輩がチームへなじませるため、お笑い芸人・ハリセンボン近藤春菜のお約束のギャグ「角野卓造じゃねえよ!!」を引用したのだ。「たくぞうって呼ばれます…」。恥ずかしそうに頭をかく大城。その反応はやはり鈍くても、ニックネームはすっかり定着し、今やチームの愛されキャラだ。 守備でも、仕事を果たした。これまで小林と組んで防御率7点台だった田口を巧みにリード。7イニング2失点で今季2勝へ導いた。高橋監督は「よくやってくれたと思います」と目を細めた。ちばりよ~。大城の成り上がりストーリーが始まった。 (川本光憲)
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