suzu@kick diary

とあるキックボクサーの九転び十一起きな物語が現在、進行中です。

たくさん歩いて歩いて

次どこを歩きたいともしも希望を聞かれたら、ロマンチストではまったくないのだけど、夜空にさんぜんと輝く星空を見に行き、そしてその下を歩きたい。

f:id:suzukiyuta3104:20180411165305j:plain

数年前、アルプスの山に登りに行ったとき、車内で仮眠を取ってから出発しようかという段取りになって車で友達と一緒に眠っていた。
深夜、トイレに行こうと思って深くはない眠りから起きて外に出た。
そして空をふと見上げるとそこにはたくさんの星たちが見渡せる限りどこまでも、おおきな空に輝いていた。

「うわああああ」と思わず僕は声をあげた。
それはまったく予期してないことであったので驚きはでかかった。

口をぽかんと開けたまま上空の満点の星空を見上げながらその場にしばらく立ち尽くした。
まるで星たちに手を広げて大きく包みこまれたように、真っ暗な闇のなか一つ一つの小さい星たちが光を僕にぴかぴかと送ってくれていた。

すごく綺麗だった。寒さも忘れていた。そしてとても静かであった。
空気が澄んだ山奥の高い場所でみるとこんなにも星たちはきれいなのか。

僕以外、少なくとも動物はいるのかもしれないが、人間は誰もここにいない僕だけの星空。
こんなにも輝いていることを今この場で知っているのは同じ地球上にいながら僕だけなんだ。
そう思うと自慢げでもあり、不思議な思いでもあった。

もちろん今まで見た星々も綺麗だった。
地元で見た冬の夜に輝く星なんかはアルバイトの帰りに見てその日の疲れを忘れさせるほどに十分綺麗であった。
だけど、あのアルプスの真っ暗な山中でみた星は遥かそれ以上だった。

僕が住んでいる東京の都心部エリアではまず絶対に見ることはできない。
思えば東京で強く輝く星を見た記憶がない。
それはよく言われるように明るすぎる街が夜闇をうすいものにしてしまうからだろう。
夜中、家の近くにあるコインランドリーの乾燥機に洗濯物を出しに行くときにいつも空を見上げるが広大な空のなかで数えるほどの霞む光しか見つけられない。
同時にこの空が一面星明かりに照らされた景色だったらなと夢見る。

あのしんと静まりかえった透明で綺麗な僕しか知らない夜の星空。
写真を撮ったり、大きく空気を吸い込んだりしながら僕だけの空の下を星明かりのなか歩きたいと思うのです。