アイマスMRに行ってきました |
2月の半ばくらいに「しばらく動画の事は忘れよう」と思い立ち、 何もしなくなったらあまりにヒマになってしまったため、 ちょっとこれは何か見聞しなきゃならんなぁ、なんて考えて。
そんな赤ペンの心の隙間にするっと入ってきたのが 「宇宙よりも遠い場所」だったりするわけなんだけど、 年度が替わって4月に入り、ちょっと映画やらなにやらを 見に行くキャンペーンを展開していました。
その時に見た映画の話はまた今度書きますが、その一環として 横浜・DMM VR THEATERにて開催中のアイマスMRも見てきました。 GWの予定がまるでなかったってのもあって・・・(苦笑)。
http://idolmaster.jp/event/dmm_theater.php
5月中の週末に開催されているので、まだ見てない人の参考として ちょっと感想というかレポートを書いておこうと思います。
行ってきたのは5/3、貴音主演公演の2回目。 あずささんがいないから貴音に、という流れはアイマス2以来だ(笑)。 褒めるだけでも貶すだけでもない内容になると思うので、 まぁあくまでも参考になればという程度でよろしく。
2008年の3rd Live以来10年ぶりのアイマスライブだ! なんて思って臨んだんですが、その感覚は少々違ってたな、 というのが総括的な感想です。では。 とりあえず技術的な話は割愛。3Dモデルを実際のステージに 立体的に投影して、擬似的にライブステージを再現するもの、 という程度の知識で十分でしょう。初音ミクでやってたヤツに近いのかな。 HMDをつけないでVR的映像を楽しめるという事ですな。
会場のDMM VR THEATERはキャパが400名弱という小さなハコです。 傾斜の緩い映画館の正面に、スクリーンではなく舞台がある感じ。 当たり前ですが発展途上の技術を実現する実験的な場所という色合いが 強いので、客席側はキレイだけどコンパクトにまとまってます。 舞台裏には色々と詰まっているであろう事は想像に難くありません(笑)。
小鳥さんのアナウンス後、ステージ上にイベントタイトルである 「MR ST@GE!! MUSIC♪GROOVE☆」の文字が出るんですが、 たぶん文章や説明ではわかりづらいであろうこのイベントの事が、 ここを見ればなんとなく理解できるんじゃないかと思います。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、この公演については 「中の人などいない」という体で全てが動いているようで、 そこはひとつ特筆するべきスタンスだとは思うんだけど、 それだとここから先は何も書けなくなるので(笑)、 無粋な?話については目を瞑ってくださいませ。
ライブの構成は簡単に書けば オールスターライブ→主演アイドルソロ→MC→オールスターライブ→主演アイドルソロ と続いて、最後に主演アイドルの挨拶、社長の挨拶とスタッフロールで締め。
オールスターライブパートは、プラスタ・ステラ準拠のアイドルが ユニットメンバーや衣装や曲を変えて立て続けにステージを披露するもの。 私も含めて「カメラ固定バグだw」と多くの古参が言っていましたが、 まさにそれでしたね。
カメラ固定バグについてご存じない方向けに参考動画を。
曲は全てゲームサイズ。恐らくこの部分はゲーム内のデータを そのまま流用してると思います。曲が終わるとステージが暗転して すぐに次の曲が始まる流れです。どうやら公演ごとにこのパートの セットリストは色々変わっている様子。
主演アイドルソロパートになると、ステージ袖からダンサーさんが登場し ソロ曲(貴音は「風花」でした)をフル版で披露。 ここでのモデルはゲーム内の、つまり動きが既にできているものではなく、 恐らくリアルタイムでモーションをつけている専用モデルでしょう。 あのダンスが普段のライブ時と同じかどうかは私にはわからないので どなたか検証願います(笑)。また歌が生歌になっていましたね。
ちなみに、ここと最後のソロ曲のパート、 選曲がなかなか面白い事になっておりまして。 このエントリを書いている5/3時点でわかっているのは、
春香→「キラメキ進行形」「乙女よ大志を抱け」 真→「tear」「自転車」 貴音→「風花」「Princess Snow White」 雪歩→「Impervious Resolution」「First Step」
響や千早の回はどうなるんでしょうねこれ・・・。
歌が終わるとMCパート。客席の反応をリアルタイムに反映して・・・ っつーか、要するに「普通のMC」です。それが凄い事なんだけど。
MCの話題は公演ごとに決まっているようですが、客席の声を聞いて 毎回細かい内容が変わっていきます。貴音の回ではモノマネするキャラを 客席の声から拾って決めていました。私の時は黒井社長と美希でしたが、 夜の回の「大谷翔平」ってなんなんだよ(笑)というかそれ拾うのかい!みたいな。
この間のアイドルの動きもおそらくはリアルタイムのモーションキャプチャ。 ゲーム内の定型の動きは全然ありませんでした。また喋っている時や 歌っているときの口パクは音声のOn/Offを拾っているだけのようなので、 さすがに口の形までは一致していません。
アイドルがお客を指定してのやり取りもあります。 だいぶ具体的に指し示していたので、ステージ側からの 客席の映像(それも結構クリアなもの)を確認しながら 進めているんでしょう。
MC明けは上記の繰り返しです。最後の挨拶では ダンサーを呼び込んで紹介したり、用意されていたセリフ以外にも 客席の声に反応してみせたりといった、細かな反応が見られました。
ザックリ説明するとこんな感じの1時間でした。 最初に書いたように「アイドル自身が出てくるアイマスライブ」かと 思ってたんだけど、それよりはむしろ「ゲーム内ライブが3次元に出てきた」 という印象の方が強かったかな。
ではもうちょっと細かいところのお話を。 いきなりある意味えげつない事を書きますが、全体的に「いいなー」と 感じたのは、客席側の反応。特にアイドルから指名された方々の 戸惑いというか「え、私?!」みたいな様子。私が見た回では モノマネして欲しいアイドルの名前がなかなか出てこなくて、貴音が 「・・・困らせてしまいましたか?」と気を遣うシーンが(笑)。
今回は「ゲームの中のアイドルがそこにいる」という特殊な状況だから 当たり前なのかもしれないけれど、要するにこれ、お客さんの側が 壇上の演者に対して一歩引いているというか気後れしてるというか、 キツい表現をすれば「演者を舐めている様子が一切無い」んですよ。 閉演後に指名された方が周囲から祝福されている、なんて話もありますし、 なんとも言えない和やかな空気感は、ライブ門外漢の私にとっても 非常に居心地のいい感じがして、そこはありがたかったです。
やっぱり「そこにアイドルがいる」という状況って、なんだかんだで 違和感があるというか、違和感がなくなっちゃったらそれは とんでもない事態になっているんだと思うんだけどさ(笑)、 技術的・精神的な距離感がある事自体が面白いんだと思います。 いい意味で、作り手と受け手の「ごっこ遊びをする一体感」 みたいな関係が成立しているような気がします。
そもそも、声をあてる人と動く人と実際のビジュアルは 全部異なる存在になっているのに、それを「せーの!」で リアルタイムに動かすなんて正気の沙汰じゃないよ(笑)。 それを実現するためのコストや労力に比して、どのくらいの メリットが(作り手の側に)存在するのかって話で。
だからこのやり方が近い将来にもっと広がる、なんて事は 到底考えられないわけです。技術的なブレイクスルーでもない限り。 そうじゃなかったらそれこそ普通のライブやって演者さんに 頑張ってもらう方が遥かにお手軽だろうと(笑)。
とは言え、そういった「技術的革新と興行活動の狭間にあるもの」 として、今こういうものが見られるのは非常に興味深いと思います。 そもそも、単純な「いい演技」「いい動き」「いいモデル」だけじゃなくて それらを同時に連動させてライブで見せるためのノウハウや練度や習熟度合いを 要求したり実現できるコンテンツがいくつあるのか。
小ざかしい理屈を抜きにしても、単純に古参の方であれば 「かつて夢見た光景」が形になっているわけですし、 機会があれば一度見に行く事をお勧めします。自慢じゃないけど 10年間ライブに行かなかった赤ペンが行ってきたくらいですから(苦笑)。
最後に気になった点を。disというよりは次回以降、 今回主演に入っていないアイドルの公演に向けた、まぁ要するにアレだ、 あずささんの回があったら行きたいから(笑)、その時に改善されてたら 嬉しいなーという意味合いが強いのでご承知置き下さい。
それは、主演アイドル以外の登場するライブパートについて。 さすがに1時間リアルタイムでアイドルを動かすのはしんどいから こういう部分がある事自体はいいんだけど、あまりにも 「ゲーム準拠」過ぎるので、立て続けに見せられると飽きちゃうんですよね。 しかも音源がゲームサイズだから、時間だけじゃなく数も多い。 重度のニコマス脳からすれば、ステラ準拠モデルによるアイマス2以降の楽曲の 正面カメラ固定映像っていう絵面ってだけで満足できるけど(苦笑)、
しかも見に来ている人が「アイドルとのやり取りがある」という 事前知識を持っているわけだから、なかなかそこに辿り着かなくて ちょっと間延びしている印象を受けました。
実際、私が見た回でもこのパートがずっと続いてて、最後の方には なんとなく周りの人たちの反応が薄いというか、曲が終わってから 拍手するまでにちょっと間がありました。普段のライブの様子はわからないけど、 たぶんもっと客席の反応が「打てば響く」みたいな感じなんだろうな、と。 ダンサーさんが入ってきた瞬間「待ってました!」ってなってたのもその証左かな。
モデルの動きに関して、「アイドルが交差したときの奥行き感」について 言及されてる方を見かけましたが、その辺も「ゲーム内の遠近感」と 「実際のステージの遠近感」のズレがあるんだろうなと。 古参ニコマスPがすぐに「カメラ固定バグ」と評したのはその辺と 無関係ではないと思っています。まさかこんなところでアイマス特有の 「絶妙にリアルじゃない嘘の部分」が見られることになろうとは。
MCパートのモデルに関しては、どうしても「難しい事やってるんだろうな」 という意識が先に来るので、気になる点はあってもあまり言及する気には なれないってのが率直なところです。もっとよくできるところがあるのなら、 たぶん殊更に書かずとも作り手の側で積極的に直そうとするだろうと(笑)。
だからこれは不満というよりもささやかなツッコミなんですが、 私が見た貴音回ではこれまた懐かしい?「スカート前面破壊バグ」が 見事に発生していまして(笑)。リアルタイムですぐ修復されてたので たぶん夜の回では起きなかったんじゃないかと思います。 やっぱリアルタイム処理って大変なのね・・・。
そして、これら諸々の事情を全て鑑みれば致し方ない話ですが、 それでもチケット6000円、ドリンク込みで7000円というのは さすがにお財布に優しくない価格である事は否定できないと思います。 最初から「儲け」を出すためのイベントではない事は明白だし、 十分価格に見合った面白いものを見せてもらったとは思ってるけど、 コストパフォーマンスじゃなくてコストそれ自体の問題だからねぇ。
ともあれ、いろんな意味での「手探り感」があるイベントなので、 こなれてくるともっと色々面白い事ができそうな予感はあります。 こういう時、「そういう酔狂にお金を払い待ってくれる」層を 10年以上かけて作り上げたアイドルマスターというコンテンツの 凄さというか恐ろしさを一番感じたりもするわけですが(笑)。
全然エモい話にならなくて恐縮ですが、私の感想はこんなところです。 とにかく「今、あそこに行かないと体験できないもの」である事は ハッキリしてますので、繰り返しになりますが機会があって お財布が許してくれるなら(笑)是非一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
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