2017年07月

 今週も盛りだくさんで、何からお話したらいいかわからないくらいです。
 先週日曜日は、アルメニアボランティア仲間がうちに集まって、またまたバーベキュー大会。今回はステーキを焼きました。月曜日は、朝7時からシルカシアで授業をして、一旦アルメニアに戻り、荷物を抱えてバスでフィランディアに午後の研修に出かけました。火~木は、シルカシアで授業。木曜夜は大学で行われた管楽器のコンサートをマリアナとそのお母さんと一緒に聴きに行きました。金曜日は家で研修の準備。そして本日土曜日は、キンディオ大学で県下の教員研修です。その中からフィランディアのお話をしましょう。

 フィランディアは、キンディオ県北部、サレントの西側にある町で、とてもきれいです。アルメニアからはバスで45分くらい。キンディオは小さな県なので、遠いところでも1時間以内で行けてしまいます。町の中心にあるボリーバル広場の周りには、教会や町役場やレストランや警察署などの建物が集まっています。
P7240209
これがフィランディアのカテドラル。大聖堂というより教会と言った方がいいですね。この辺り一帯がボリーバル広場。広場の中央には公園があります。このカテドラルの前で待っていると、約束の時間よりちょっと遅れた12時50分にサンホセ校のコーディネーター、スルマが車で迎えに来てくれました。
P7240221
広場の一角。写真撮影用にこんなものが置かれていました。
P7240213
レストランが連なっています。右の奥のレストランで昼食を取りました。コロンビアらしい色使いです。
P7240215
レストランの入り口のドアに貼られていたのがこれ。フィランディアの絵地図です。下の方にJICAのマークがあるのがわかりますか? 左側にはOVOPと書かれているんですが、それは、One Village One Producto(一村一品)という意味で、その昔、大分県の平松知事が提唱した「一村一品」が、ここコロンビアで生きているんです。フィランディアの一品は観光です。JICA専門家が時々やってきますが、言葉だけが独り歩きしてなかなか中身が伴うのは難しい気がします。地図の下の方にある丸い屋根の建物は展望台です。
P7240232
これがMirador(展望台)です。内側1階部分に巨大な蝶の絵が描かれていて、最上階から見下ろすととてもきれいです。ここからの見晴らしは絶景。でも、今回は見学は無し。その横をぬけてしばらく行ったサンホセ校まで直行です。
P7240233
サンホセ校の内部。ここの左側に教室が見えました。この学校には先生が9名いるそうです。たぶん1学年1クラスでしょう。17校のSEDEと呼ばれる分校を抱えています。それぞれ1人の先生が幼稚園から5年生までの子どもたちを教えています。この日はそんな分校の先生方が10名参加してくれました。フィランディアの中心校は2校あって、サンホセはその1つです。もう1校は5校の分校を抱えているそうです。先生方はとっても大変です。子どもたちは、分校でさえ遠くて通うのが大変なんだそうです。道も悪いから多くがジープで通っているそうです。
研修は1時から4時までの3時間。これまで作った教材・教具をいろいろお見せしながら、どのように授業を進めたらいいか、私が提案して、その後みんなで一緒に考えました。楽しい時間でした。
P7240234
広い研修室。写真を撮ってくださっている方を入れると10名です。やっている最中は写真を撮る暇がありませんでした。皆さんとってもいい方ばかり。一時帰国から戻ったら、ぜひ分校にもお邪魔しようと思っています。
P7240242
帰りにドライブインで、スルマにコーヒーをごちそうになりました。カフェ・キンディオのチェーン店です。ここ、すごく見晴らしがいいんですよ。フィランディアは静かで落ち着いた町です。またぜひ来たい場所です。

おまけをいくつか。
P7230202
ステーキ大会の残骸。いつも久米さんが肉を仕込んできてくれます。超柔らかくて、炭火だから特においしいんです。ベランダで火を起こす時に煙が出たのを上の階の人が心配したらしくて、アパートの警備のお兄さんが様子を見に来ました。ベランダでバーベキューしているのを見て、「ああ、そうでしたか」。原因がわかれば大したことではないようです。翌日朝出かける時に「夕べはすみません」と謝ったら、ホントに大したことはないような返事でした。「気にしなくていいよ」って。今後は、始める前にひとこと言っておこうと思います。
P7230204
アルメニアの日没直後。山田JVがうちのベランダから撮りました。
P7270261
キンディオ大学で行われたコンサートの様子。演奏しているのはアルメニアの若者たちです。左端の椅子に座ってトランペットを吹いている男の子はどう見ても小学3年生くらい。しっかり吹けていました。入場無料でした。
P7280008
今日の教員研修の様子。ボードの釘に輪ゴムをかけて図形を作っているところです。自分たちが実際にやってみないと生徒には教えられませんからね。
P7280017
おまけのおまけ。全部終わって、あわてて撮ってもらいました。やっぱりなんだか不自然ですよね~。

最近コアラが登場しないじゃないかって? そういえば最近ソファーかベッドで寝てばかりですね。次は必ず…。




 

 今日午前中は中学校の研修会が行われています。先週の予定では、私が模擬授業をする予定だったのですが、山田JVが代わってやることになりました。やったーと思ったら、月曜日午後に、フィランディアでの研修に1人で行くことになったので、「あっそう」という感じです。けっこう準備に時間がかかるんですよね~。

 今週は18日にシルカシアで、19日にはカラルカで、教育省の担当官4名をお招きして研修会が開催されました。シルカシア研修には授業のため参加できませんでしたが、19日のカラルカ研修には私も出席しました。シルカシア研修には一般の先生方も参加したようですが、カラルカではキンディオ県下54校のコーディネーターが参加していました。一般の先生は1名だけでした。いつものことながら朝7時から1時まで。休憩30分をはさんでみっちりやります。コーディネーターというのは、日本でいえば副校長あるいは教頭と同じような役職の方です。

 その研修で、カウンターパートのマルタさんが算数プロジェクトの紹介をしました。私が作成したコロンビアの算数カリキュラムのコンセプトマップも一部紹介されました。プロジェクトチームのマグダさんも一緒です。割り当て時間は15分と聞いていたのに、話し始めると止まらないのがマルタさん。予定の2倍以上とってしまいました。私もこれまでに作った教具を紹介しました。
 その後、ワークショップが行われました。教育省の方が、いくつかの問題点(教員の新旧交代、県のカリキュラム提案不足、教員育成・フォローアップ不足、校長の教育能力低下、義務教育離脱者、などなど)を提示し、テーブル毎に解決策を話し合います。その後いくつかのグループが発表して、それぞれが紙にまとめたものを提出して終了です。教育省も現場の意見が欲しいんですよね。特にキンディオ県は今とても元気ですから。

P7190091
サンホセ校の入口を入ったところで。帰る時に撮ったものです。サンホセは女子校です。カラルカの中心街からちょっと離れていて、生徒たちはスクールバスで通っています。校内は広くてとってもきれい! 会場は写真の右手にある建物の2階にあります。どこに行っても、子どもたちが寄ってきます。日本は彼らにとってあこがれの地なんですね。
P7190077
教育省のマウリシオさんが、教育省の方針などの話をしています。壁の近くに並んで座っている3名も教育省の方々です。左からセバスティアンさん、リカルドさん、アンヘニアさん。リカルドさんは数学の担当官です。
P7190080
マルタさんの発表。2学期分の仮教科書を紹介しています。毎日の教材作成がとても大変なので、ボランティアが活動している学校用に、JICAコロンビア支所が、私たちの作成した教科書原稿のコピー代を支援してくれました。普通紙コピーの予定だったのですが、キンディオ大学の印刷部の方が見かねて、弟さんがやっている印刷屋さんで、同じ金額で本の形にしてくださったんです。手間のかかる作業だったんですよ。本当にありがたいことです。子どもたちがどれだけ喜んだかしれません。
P7190084
立って話しているのがマルタさん。手前が私が作った教具の一部です。一番左のテーブルに座っているのが教育省の方々。

さて、ここからはおまけです。
カラルカは、アルメニア市の東側に位置していて、アンデス中央山脈に接しています。カラルカの東側に接するビルヘンという町には、ペーニャ・ブランカという岩山があって、そこに登ると、カラルカやアルメニアが一望できるんです。ついでにちょっと足を延ばして登ってみました。上り1時間半、下り1時間の道のりです。てっぺんは2430m。アルメニアが1600mですから、約800m上ったことになります。
P7200173
これがペーニャ・ブランカ。
P7200166
向こうに見えるのがアルメニア市です。

サンホセ校の近くには大きな植物園があって、2時間半のエコツアーが出ています。その近くには刑務所もあるんですよ。
教科書作成は、教育省の認めるところになりました。任期は1年を切っています。一時帰国から戻ったらやることは山積み。でも今は考えないことにします。



 昨日15日(土曜日)、アルメニア市を除くキンディオ県の3年担任と5年担任の先生方を対象とする教員研修が、キンディオ大学50周年会館で開催されました。主催者はキンディオ県教育局です。朝7時から10時までが1コマ目。10時半から13時までが2コマ目で、それぞれ50名弱×3会場に分かれて行われました。だから、各学年約150名の先生方が参加したことになります。朝7時からと言っても、時間通りには来ないので、1コマ目は少し長めに設定してあります。納得です。こういう研修はたいてい、算数と言語(国語)の2科目がセットになっています。というのも、毎年10月末に実施されているPruebas Saber(学力テスト)の実施科目が、この2つだからです。3年担任の先生方は、1コマ目に算数研修を受け、2コマ目に言語研修を受けます。5年担任は、その逆で、1コマ目に言語研修を受け、2コマ目に算数研修を受けるパターンです。

 算数チームは与えられた約2時間半を半分に分けて、①模擬授業による指導法の研修と若干の教材づくり ②学力テスト対策、の研修を行います。私は①を担当し、3会場のうちの2会場で、前半と後半、掛け持ちで、同じ内容の研修を行いました。まず、会場Aで模擬授業をして、学力テスト対策の担当者にバトンタッチ。その後すぐ会場Bに移ります。会場Bでは先に試験対策をやっているので、交代して模擬授業を行うというやり方です。会場Cは、山田JVが担当しました。2コマ目も5年担任に対して、同じやり方で行いました。だから私は出ずっぱりだったんです。
P7150009
3年の模擬授業はこれ。三角形を分類して、最終的に正三角形と二等辺三角形と一般の三角形に分けていきます。4種類の長さのストローを使って9種類の三角形が作れるようセットしてあります。グループごとに台紙に貼り付けて作った三角形を分類していきます。自分のクラスの子どもになったつもりで理由もちゃんと考えて分類するように言ったところ、理由として、辺の長さ、色、大きさ(大、中、小)、方向などが出てきました。意見を戦わせながら一番正確な辺の長さに持って行こうと思ったのですが、質問そのものが出ないんです。仕方ないから最終的に1つずつ、こちらが主導して辺の長さに持っていくことになりました。ここの先生たちって、こういう授業をしてないんですね。いつも問題の解き方は1つ。教えこみ型なので、意見を戦わせるということには慣れていないようです。
P7150014
グループごとの作業はこんな感じでやりました。
P7150017
こちらは別会場、1コマ目の後半のグループ。
子どもになったつもりでと言わなかったら、辺の長さに注目した分類ばかりが出ました。スムーズにやれたんですが物足りない! でもここの先生方にはその方がいいのかもしれません。教材として、カラー用紙を使って六角形を作りました。ストローを使った三角形や四角形の作り方も紹介しました。
P7150035
次は5年担任対象の分数の足し算と引き算。ここの先生たちは理論と方法だけ教えるので、子どもたちはなかなか理解できないのです。具体物を使って目で見て納得できるような方法を提示しました。
この後、本当は面積の学習教材を作る予定だったのですが、先生方が定規を持ってきていなかったので、急きょ折り紙で六角形を作ることになりました。
P7150043
これ、もう少し大きい紙で作れば教室で図形の学習に使えます。半分に折れば台形になるし、1つ1つは正三角形だし、2つなら平行四辺形です。折り方でどうにでもなります。実は授業より、こっちの方が受けたかもしれませんね。ここの先生方は、このような折り紙を子どもたちにさせるのを好みます。もっと授業用の教材の工夫をしてほしいんですが…ね。2コマ目後半のグループでも同じようにやりました。写真が撮れなかったのが残念です。
P7150054
後ろがキンディオ大学の50周年会館。右から、山田JV、彼のカウンターパートのマグダさん。私のカウンターパートのマルタさん。私です。

 今回は何とか終えることができましたが、ここに至るまでとんでもない道のりだったんですよ。前々日(木曜日)になってやっと全体の枠組みが決まったんです。私は1コマ目に2会場をかけもちし、山田JVが1会場(5年内容)を担当。2コマ目はそれぞれ1会場ずつ担当する予定でした。山田JVは2コマとも5年内容をやる予定でした。私が担当する対象学年はその時点でも確定していなかったので、3会場とも3年内容あるいは5年内容になる可能性があったので、前日の金曜日に材料だけは3会場分の用意を進めていました。5月にやる予定で、ストのため流れた研修のために100名分は用意していたので、別に50名分の用意が必要でした。ところが、午後遅くになって、1コマ目は3会場とも3年内容になったと言ってきました。もちろん私は2会場かけもちで、何と山田JVには同じ内容で1会場担当してほしいとのこと。2コマ目は5年内容で3会場。増えたんです。で、私が2会場掛け持ち。山田JVが1会場。3会場分の準備をしていたからよかったものの、なかったら、どうなっていたかわかりません。彼は、そこから3年内容の授業の読み込みをしたんです。結局準備に夜中1時半ごろまでかかりました。山田JVに聞いたら、彼もやっぱりそれくらいまでかかったと言っていました。計画性の無さは天下一品! 今後のために、きつく抗議しておかなければなりません。今回は何とか無事に終わりましたが、この後も、土曜日の教員研修は続いていくので。

 今週は、教育省の数学担当官とのテレビ会議があったり、大学での数学サロン(講義形式でなく、学習会の形になったので気が楽になりました)が始まったり、いつものサン・ホセ校での授業など、てんこ盛りでした。

 最後にサン・ホセ校用に立体の教材を作ったのでご紹介しましょう。おまけです。
P7110065
カートン紙で立体を作って、別に面に合わせてスポンジ素材(もっと目が詰まっています)で平面図形を貼り付けてあります。面の形を調べるのに役立ちます。
P7110070
1年生の授業で使いました。担任が立体を説明しながら面の部分をはがして私に渡します。それを私がホワイトボードに貼り付けつけて数を数えていきます。写真は、その後もう一度確認しているところです。円柱と円すいは今回関係なかったのですが、ついでに切り開いてしまったので、くっつけました。その2つは名前と特徴がわかればいい程度で、側面を調べる必要はなかったんですけどね。

 一時帰国まであと3週間になりました。来週の研修も前途多難です。ふぅ~~~。



 7月4日(火)に3学期が始まりました。ちなみに、コロンビアの学校は4学期制です。サン・ホセ校では、毎日、午前午後の開始時には中庭にクラスごとに並んでからみんな一緒に教室に入ります。始業式のようなものはありません。2週間のお休みあけなんですが、いつもと同じように始まりました。でも、子どもたちは学校に来るのをとても楽しみにしていた様子です。
 1年生の算数は、火曜日と木曜日の7時半から1時間半、ぶっ続けで行われます。1年1組3学期しょっぱなの算数は「図形」。日本だと、身の回りにある箱や筒やボールなどを使って、いろいろな形の特徴に気づく活動から始まります。次に面の形に注目して、三角形や四角形の色板を使っていろんな形を作っていく活動と続きます。具体物を使って立体や平面の図形を感覚的につかんでいきます。2年生になると、円や球の形も扱います。
 コロンビアではどうでしょうか。サン・ホセ校が使っている教科書はカナダ版。靴の箱とサイコロの形の箱を用意して、どんな形か表現するところから始まっています。あれ? 最初の文には「角すい」のことは書かれていませんね。
img333
これは教師用指導書で、周りにいろいろ解説が書かれています。枠内の教科書部分には、バレリアがプレゼントを入れるために買ってきた幾つかの違った形の箱を観察してるというお話と挿絵が描かれています。先生が「立体の面はどうなっていますか?」「これらは簡単にころがる?」「角すいやサイコロの形の面はどんな形?」なんて質問をしていって、最終的にそれぞれ「直方体」「立方体」「四角すい」というという名前ですと教えます。次のページには「六角すい」も出てきています。次の次のページには「円柱」と「円すい」も出てきます。「すい」のコンセプトなんて問題ではないんですよ。絵を見て立体や平面図形の名前が答えられればいいって感じです。

img334
こっちは、アルメニア市で使われているシンガポール版教科書です。一度、「三角形」「四角形」「円」の仲間分けをして、立体に入ります。「直方体」「立方体」「四角すい」「円柱」「球」と同じ形を身近なものの中から探すことをやって、「四角すい」「六角柱」「立方体」を使って、面や稜や頂点の部分を説明しています。さらに各立体の展開図、円柱と円すいの比較などやった後、上のページにたどり着きます。「三角形や四角形を細い棒の周りに回転させるとどんな形になるでしょう」という質問なんです。1年生ですよ! いつもながら畳みかけがすごいですよね。

 サン・ホセ校には、教育省から教科書が配布されているので(キンディオ県内で教科書が配布されている数少ない学校の1つです)、適宜使わなければなりません。特に教科書とは別に配布されている作業用ノートは、使っているかどうか時々チェックが入るそうなので大変なんです。それでも担任の先生は、プロジェクト・チームが作っている教師用指導書も参考にしながら、子どもたちの思考に無理がないよう工夫しながら進めています。
 木曜日に2回目をやりました。今回は観察させていただいて、必要に応じて助言する形です。内容はというと、いろいろな立体の名前(球、円すい、直方体、立方体、四角すい)を復習した後、折り紙で箱を作りました。
P7060009
四角い紙を、対角線で折って半分にしたところ。
P7060012
かわいいでしょ。みんな髪にリボンつけてます。
P7060015
最終的に、日本でもよく知られた箱の形が出来上がったんですが、子どもたちは何のために箱作りをしたか気がついているのかな? 2つの箱をくっつけると立方体になるんですけどね。箱を作っただけで終わりました。この国の図形分野は、この他にもたくさん問題があります。日本版が普及すれば、かなり解消されるはずです。1年生の作業は時間がかかります。私もずっと机間を移動しながら、折り方を指導しました。日本のTTですね。

 おまけです。サン・ホセ校もリブレ校もシルカシアという町にあります。学校帰りに町を少し歩いてみました。
P7060018
市場(メルカド)の建物の中です。肉屋さん、野菜や果物屋さん、レストランなどが入っています。
P5300395
町の中心部からちょっと登ると展望台があります。
P5300401
展望台の上から。バックはシルカシアの街並み。遠くにアンデスの中央山脈が見えます。
P5300410
ボリーバル広場。どこの町にも真ん中にこの名前の広場があります。この広場の周りに、市庁舎(町役場と言った方がぴったりかな?)、警察署、教会、レストランなどがあります。

 来週から大学での講座や教員研修が加わります。一時帰国まで、かなり忙しくなりそうです。

 


 昨年6月29日夜に日本を発ち、30数時間の旅の後、翌30日夕方にボゴタに到着したのが昨日のように思い出されます。1年経ったんですね。あっという間にしてしまうにはあまりに濃い1年でしたが、過ぎてしまえばみんな過去のことになりました。5週間の現地語学研修を経て任地アルメニアに着いたのが8月8日。1年後のその日は、健康診断一時帰国の旅の途中になります(8月9日のお昼過ぎに羽田に到着予定です)。そして、2年目。やることは山積みで、時間を見つけてはカリキュラムの分析に励む毎日です。
 
 ボランティアは、3か月目、6か月目、1年目、1年6か月目、2年目(終了時)に計5回報告書を提出することになっています。本文はそれほどの量はないのですが、添付資料として、様々な書類を提出しなければなりません。1回目には住まいや職場などの周辺状況、2回目には活動計画表(スペイン語版も)。3回目の今回は、活動状況表を提出しました。もちろんスペイン語版もです。1次隊・学校隊員は、報告書提出時期がちょうどコロンビアの学校の折々の区切りとうまく合っているので助かっています。1回目は着任すぐ。2回目は学年が終了した後の年度末で、次年度の計画ができた頃。算数プロジェクトは10年計画に沿って動いているので、その中から自分の計画を抜き出してさらに具体的に記載しました。そして3回目の今回は、年度の真ん中の2週間の長期休暇の間です。下2枚が活動状況表。2回目に出した計画がどんなふうに実行に移されているか一目でわかる形式です。あとはこの年末に4回目を、そして来年6月に最後の報告書を提出する予定です。
img329
img330
下側がスペイン語版。両方とも小さくて見えないのがミソです。スペイン語って、表現が回りくどいので、どうしても長くなってしまいます。

 コロンビアの食を、1年経った今でもあまり豊かだと感じられません。肉も魚もみんな焼くか揚げるか。それと、揚げバナナにユカ芋にフリホーレスかレンテハという豆を煮るかスープにしたものにご飯。そこにアグアカテかちょっとした野菜サラダ、目玉焼きなどがつきます。これがバンデハ・パイサというアルメニア定食(1つの皿に盛りつけられたもの)なんですが、その辺の普通のレストランで食べると、肉が硬い! とにかくメインの昼食のメニューはほぼこれだけと言っていいんです。
下の写真2枚を見比べてみてください。
P6150026
P6150027
県庁近くのしゃれたレストランのメニューです。上がバンデハ・パイサ(Bandeja paisa)。実はこれ、先日JICAコロンビア支所の皆さんが会議のためにアルメニアに来られた時に昼食で注文されたものです。下がソパ・デ・フリホーレス(Sopa de frijoles/豆のスープ)。私が注文しました。中身は同じで、豆スープが別の皿に分けられているかどうかの違いだけなんです。ビックリしますよね。これに、トウモロコシの粉をこねて丸く延ばして焼いたアレパがつきます。どれもそこそこ悪くないんですよ。何種類もあるジャガイモもスープにしても何にしてもおいしいんですけどね。通りで売っているトルティーリャなどの揚げ物も含めてどれもカロリーがとても高くて、炭水化物に偏っていて、たくさんだと胸につかえてしまうので、自分でいろいろ作って食べてます。コロンビア料理も野菜たっぷりにアレンジしてます。おかげで、この1年の体重変化はほとんどありません。とにかく、ジャガイモ、トウモロコシ、ご飯、豆、バナナがほとんどで、あと、ちょっぴりの野菜と分厚い硬い肉と甘い果物ジュースなんです。だからか、お腹周りが大きな方が多いですよ~。

 アパートから少し南に下って、中心部(セントロ)との間にあるウニセントロという複合施設を歩いてみました。その中にÉxitoという大きなスーパーが入っています。家電からちょっとした家具。寝具、台所用品に洋服、文具、食料品まで何でもそろいます。
P7010019
パソコン、プリンター、大型テレビなど、何でもあります。
P7010021
肉のコーナー。他にもオリンピカ、アラなどのスーパーがありますが、肉コーナーはとにかく臭い! 熟成させてないんですかね。でも、ここは臭いがそんなにありません。左側に魚などの冷凍品コーナーがあります。
P7010024
左が野菜コーナー。白菜もネギももやしも売っています。最近どこに行っても、きのこ類をあまり見かけません。前はよく見かけたのに。時期があるんでしょうかね。右の方が果物コーナー。
P7010027
ジャガイモのコーナーです。向こうにバナナが積んであります。
P7010032
2階には広いフードコートがあります。TemakiとSarkuでは、日本食(巻き寿司)が食べられます。けっこう繁盛しているみたいですよ。
P7010029
他にも靴、洋服、子供用品など、しゃれたお店がいろいろ入っています。アルメニアには、こういった複合施設がいくつかあります。
P7010034
ウニセントロ2階フードコートからアルメニア市の南西方向を見たところ。街並みが続いていますね。向こうに行けば行くほど、貧しい暮らしが広がっていきます。

 帰りに、近くのフンダドーレス広場で何かやっていました。この色、あれ、見たことある!
P7010041
女装した男性たちの集団です。こういう方々にも市民権があるんですよね。ここは。

 現在アルメニアには、9名のボランティアがいます。奥さんも含めると10名。時々集まっては、食べたり飲んだりしています。なんだかんだ言って、アルメニア隊員の結束は固い! 先週もうちでバーベキューをやりました。
P6260002
焼き担当はJV。焼きながら食べてます。明るいうちから火を起こしていたので、鳥さんたちは向こうに見える木からこっちに来れません(木の中にいっぱい住んでいるんです。翌朝、夜が明けるとすぐに餌を食べに来ました)。
P6260004
SVは中でゆったり。食べて飲んでしゃべって。テーブルの真ん中にあるのはパエリャです。ご要望にお応えして、ついにパエリャ鍋を買ってしまいました。サングリアもお手製です。この後、円子さんも登場しました。お肉は久米さんの提供。いつもながら柔らかくて絶品。菅原さんがエビチリを作ってきてくれて、焼きそばやナムルでお腹いっぱい。〆は、久米さんのパウンドケーキです。ごちそうさまでした。アルメニアでの1年は、仲間と仕事に恵まれた1年でした。来週から学校に戻ります。しっかりやらなきゃね。









 
 
  

↑このページのトップヘ