2016年12月

大学も学校も仕事納めというのに、私たち算数プロジェクトチームの仕事は終わっていません。今週も月曜日から木曜日まで、カリキュラムの見直し作業をして、23日金曜日午後にはMarthaさん宅にメンバーが集まって会合を開きました。出席者はJV2名と私を含めて11名。あ、Angelicaさんの5歳の息子Matiasくんを忘れるところでした。だから12名。この他にも3名います。

 コロンビアの学校は4学期制で、日本の教師用指導書とコロンビアの指導指針や指導標準の内容、さらに3年生と5年生で毎年実施されている学力テストに対応する内容を盛り込んで作った各学年の指導内容を4つの学期にうまく配置しなければなりません。おまけにその学力テストは3学期の半ばに行われるため、3年生と5年生の内容見直し・配置はかなり難航しました。それでも何とか光が見えてきて、ホッとしているところです。それを元にまずは来年1月16日に始まる1学期分を各担当者が完成させて年末までにMarthaさんに提出するという指令が下りました。もうとんでもない仕事量です。1月末までに2学期分、2月末までに3学期分を提出することになりました。最終学期分はたぶん3月末だと思います。来年1年かけて、パイロットスタディと授業研究と教員への研修を繰り返し、年末には教科書と教師用指導書を出版することになっています。私はしばしの休息。29日にボゴタ経由でカリブ海沿いの港町サンタマルタに移動してそこで年越しです。年が明けたらカルタヘナに移動。海と山とを楽しみ、ボゴタで日本からやってくる家族と合流します。そこから1週間は、アルメニアとボゴタの観光。家族を見送ってアルメニアに戻るとあとはノンストップで…今想像するのはやめておきます。

 会合の後、メンバーがSandraさん(彼女は12月12日)と私の誕生会をしてくれました。クリスマス会も兼ねています。私もちらし寿司と巻き寿司を作って持っていきました。みんな喜んでくれたんですが、JV2人が一番喜んで、お代わりまでしていました。嬉しいですね。

 こちらのクリスマスは、イブまでの9日間をNovena(ノベナ/9日間の祈り)と言って、毎日神様に祈りを捧げます。特に子どもたちは神様に「いい子にしていますからプレゼントをください」的なお祈りをするようです。アパートの隣のLa Vida公園でも9日間子どもたちの歌のコンテストみたいなイベントが催されていました。24日イブの日は、朝からまた巻きずしを作ってfinca(田舎)で過ごすという大家さんにプレゼントと一緒に持たせました。他の人からも一緒に田舎に行かないかと誘われたのですが、そこはWifiがつながっていないので遠慮して、今回は家で過ごすことにしました。というのは、25日は娘の誕生日で、朝6時からの家族との交信を楽しみにしていたからです。というわけで、いただいたいくつものプレゼントといっしょにイブの夜を静かに穏やかに過ごしました。夜中過ぎまでベランダからあちこちで打ち上げ花火が上がっているのが見えて大きな音がして、静かではありませんでしたけどね。日本の友だちともいろいろやり取りしました。そして今朝は6時過ぎから9時ごろまで家族とインターネットを通して一緒に誕生会をしました。家族の元気な顔を見るとホッとします。

 あと少しで今年も終わりです。ここまで、私のつたないブログを訪問してくださった皆さん、ありがとうございます。それではみなさん、よいお年を!
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プロジェクトのメンバーたち。
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Marthaさんが焼いてくれたオレンジケーキ。町で売っているものより格段においしい!
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ろうそくを付け替えて、今度はSandraさんの番。30歳+?
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Marthaさんの作ったラザニア(彼女はベジタリアンなので中身は野菜)。おいしいんですよ。パンとちらし寿司と巻き寿司も添えて、みんなで日本語で「いただきます!」
sushi(すし)+chicharrón(チチャロン/豚肉を揚げた料理)でスチチャロン。みんな、こんな造語を喜びます。今回初出の造語はdesayuno(デサジュノ/朝食)+sayonara(さよなら)をdesayonara(デサジョナラ)。Paulaさん(右端)が大受けしながら口に出した造語です。

<おまけ>スペイン語をみてくださっている言語学のAlvaro先生です。今年の大学の講義はすでに終わっているので今週は月曜日から木曜日まで連続で毎日1時間クラスを持ってくださいました。8月着任以来ボランティアでずっと続けてくださっています。物語の本も3冊目。これが終わったら次はもっとレベルを上げて…とおっしゃっているので、まだしばらくはお付き合いいただけそうです。感謝、感謝! だからもっと頑張らないとね! 年末年始の宿題もたっぷりあります。
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Albaro先生の研究室で。

最後にプレゼント!www.youtube.com/watch?v=RTtc2pM1boE で、José FelicianoのFelíz Navidadが聞けますよ。

 12月14日にLos sesenta años(60歳)の誕生日を迎えました。俗に言う「還暦」です。
感覚としては「ああ、60歳かぁ」というくらい。40歳を迎えた時、50歳になった時とそれほど違いはありませんでした。でも考えてみると、60代の1日目をコロンビアの地で迎えることができたということは、実はとても大きな事件です。自然豊かなArmeniaで、算数プロジェクトを核に、様々な人たちと学びあい創り上げていく楽しさは、スペイン語の介在によってさらにふくらんでいきます。これは日本では決して味わうことができないことです。私は語学能力がある方ではありません。新しい単語は何回聞いてもなかなか入ってこない。たぶん言葉が目から入ってくるタイプなので、たくさんの文章を読み込まなければ何回も書かなければちゃんと聞くこともできません。それでも少しずつ少しずつ体に入ってきているのがわかります。60代の初めの時期を、こんなふうに過ごせるとは、なんて幸せなことでしょう!

 それを応援してくれている日本の家族がLINEを通してお祝いしてくれました。コロンビア時間の朝6時と日本時間の夜8時から約2時間の交信です。赤い色のケーキに向かってこっちで「フーッ」すると、日本で吹き消して、家族みんなで食べるという、なんとも不思議な楽しい会になりました。ご馳走がたくさん用意されていました。ケーキ食べられなかったのか、ですって? いえいえ、Armenia や遊びに来ていた他の任地のボランティア仲間たちが準備してくれて、レストランでおいしいお肉を食べて、その後うちに来てくださって、みんなでケーキをいただきました。幸せな1日でした。みなさん、本当にありがとうございました。

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Fogataっていうレストランにて。ここのお肉は柔らかくてホントおいしいんです!
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嬉しいですよね~
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ワイン+ジュースで乾杯!
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これ、日本の家族が用意してくれたケーキです。還暦用に特別あつらえなんですかね。嬉しいですね!
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 タイトルをスペイン語で書くと、「La iluminación de la Navidad」。12月に入ると、公園や広場、ショッピングセンター、家々の窓…どこに行ってもクリスマスの飾り、特に光、イルミネーションであふれています。

 7日水曜日に、Montenegroにあるコーヒー公園(Perque del café)を算数プロジェクトのメンバーと訪ねました。総勢9名。教科書と教師用指導書作成費用の協力をお願いするためです。公園内の事務所で説明をして、結果は「花マル」。すでに銀行からの出資協力も取り付けてあるので、これでほぼ費用の裏付けができました(他にもいくつか回る予定)。公園全体がクリスマスの飾りでいっぱいです。みんなホッとして、昼食を食べた後、せっかくだからといくつかのアトラクションを楽しみました。途中雨に降られたのですが、夕方6時頃から中央特設ステージでショーがあるというので4人は帰りましたが、5人は残って見学。前座で地元コーラス・グループやバレエ団、学校のマーチング・バンドの演奏の後、公園専属ショー・チームによるクリスマスの創作ダンス劇が披露されました。この日のために数か月練習してきたとのこと。ですが、大人のコーラスはすごい不協和音で、スピーカーがひどくて音は割れているし大きすぎるしで、最悪。続くバレエとマーチング・バンドは子どもたちの一生懸命さが伝わってきて、何とかOK! メインの劇は、プロ集団の仕事とは思えないバラバラ感。でも、舞台装置はかなりのものでした。そして最後に思わぬプレゼント! 何連発かわからないくらいたくさんの打ち上げ花火と光のショー。私たちはステージ正面に準備されたVIP席の後方の一番いい位置の席の背にもたれながら素晴らしい光の競演を見ることができました。実はこれが一番よかった!!!
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広大な公園の中。ゴンドラの下に人や動物が見えますが、これ全部ハリボテで、中にライトが仕込まれているんです。
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ここにはジェットコースターも2種あります。これは途中、垂直に上がって垂直に前から下り(落ちる?)るところやトルネードもあるので、遠慮しました(普通のには乗りましたよ)。これに2回乗った猛者もいるんですよ。あーこわい!
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前座の地元コーラス・グループ。これがまたひどい! お姉さんたちはとってもきれいなのに、上手なのは1人で、あとはビミョーに音がはずれている人から完全に外している人までいて喉から絞り出した声が不協和音を奏でていて聞くに堪えないものでした。両脇のスピーカーの音が大きすぎて割れていて、足元からガンガン体に振動が伝わってくるので、しばらく耳をふさいでいました。
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現代創作ダンスは一見きれいなんですが、動きがバラバラ。
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こういった民族舞踊の部分は安心して見ていられます。
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ステージのラスト。この後、このステージの上空に花火が打ち上げられます。動画はいっぱい撮ったんですが、ブログではお見せできないのが残念!
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幻想的でしょ? 上にゴンドラが見えます。あまりに人が多いので、乗らずにみんなで入口まで下を歩きました。
 そうそう、公園内にはこんなのも走り回っていました。
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 以下はおまけです。アパートの横のParque de la vidaのイルミネーション。これ、水に浮かべているんですよ。12月に入って、毎日夕方6時から夜中の12時まで点灯しています。アパートのベランダから見えているんですが、やはり中に入って見ると違いますね。素晴らしい! 今日(8日)はプロジェクトメンバーの新JV高井さんと一緒に来ました。
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イルミネーションが水に映っているのがわかりますか?
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これは近くの別の公園の昼間の様子。夜はなかなかここまで来ることはありませんが、とてもきれいだと思います。町中、国中こんな感じなんでしょうね。夜になると一部の通りにろうそくを中に入れたランタンをズラーっと並べるところもあります。カウンターパートのMarthaさんが、来年は別の町に連れて行くと言っています。日々の仕事の合間に、こんなデコレーションを見るとホッとしますね。

 同期の菅原さんと Medellín(メデジン)に行ってきました。Bogotá公務出張を終えて11月30日にEl Drado空港からSATENAの50人乗りジェット機で、市内にあるEnrique Olaya Herreraローカル空港に着きました。飛行時間は45分程度。国際空港もあるのですが、市内からタクシーで1時間半くらいかかるそうです。そこから宿泊先のホステルSyuhariまではタクシーで10分程度です。料金は10,000ペソ超。日本円で350円くらいでしょうか。途中にあるスタジアムでは、航空機事故で亡くなったブラジル・サッカーチームの追悼式の準備をしていました。その後、ホステルのテレビで放送しているのを見ましたが、観客席を埋め尽くすほどの人数が参列していました。

 メデジンは大都市です。人口約450万人と聞きました。四方を山で囲まれた盆地の中央をメデジン川が南北に流れています。川に沿って南北にNiquíaとLa Estrella間に1路線。真ん中あたりにあるSan AntonioからSan Javierまでもう1路線。そこからゴンドラのMetrocable(メトロカブレ/6~8人乗りのロープウェイのゴンドラが次から次にやってくる)が山の頂上まで、運行しています。メトロカブレはもう1か所、AcebedoからSanto Domingo乗り換えでArvi国立公園まで運行しています。メトロカブレが運行している辺りは急斜面で以前はスラム地帯でしたが、メトロカブレのおかげで住民意識が変わってずいぶん改善しているそうです。メトロの方も、各駅のホームには必ず警察官が配置されているし、市民がメトロがあることをとても誇りに思っていて、とてもきれいで、安全です。市内も、危なそうなところはあるものの(どこの街にもそういうところはあります)、全体としてとても洗練されていて交通機関も安全で生活しやすい街だという印象です。

 そんな中、19日にそのSyuhariにチェックインして買い物に出た若者が銃殺されるという痛ましい事件が起こったことは前回書いた通りです。現場はホステルの近くの小さな公園の中で、近くに監視カメラがあり、その画像によると、彼が公園を歩いて行き、その後を2人組の男性がつけて行った。いったん3人は画面から消え、その後、犯人2人が逆方向に走って逃げていき、彼が後を追いかけていき、1人が転んだのでつかみかかり、もう1人が至近距離で(ほぼ直に)銃を撃った。彼はスマホもタブレットも持っておらず、後で確認したところ、パスポートとキャッシュカードなどが入った財布がなくなっていたとのこと。たまたまホステルに居合わせた日本人医師が一報を聞いて駆けつけ、死亡確認したとのことでした。銃弾は2発頭を貫通していて、即死だったそうです。辺りは市民がが普通に平和に暮らしている地域です。なんということでしょう。心からご冥福をお祈りします。
 Syuhariは少なくとも年内の宿泊受け入れは控えるそうです。私たちは随分前に予約していたので泊めてくれました。メデジンにはたくさん外国人向けのホステルがあります。普段ならSyuhariには若い日本人バックパッカーが大勢宿泊しているそうです(私たちは個室でしたが、2段ベッドがいくつも並んでいる部屋もあります)が、今回はとても静かでした。そこで、日本語を勉強しているコロンビア人の若者たち、世界を巡っていたりここで勉強している日本の若者たち、たまたま来られていたオーナーのお母さん、滞在中の日本人医師…いろんな方との出会いがありました。
 
 12月1日には、メデジン在住SVの方に案内していただいて、西側のメトロカブレに乗って頂上まで、その後中心部近くにある小山のCerro Nutibaraに登りました。ここから360°見渡せます。クリスマスのイルミネーションが準備されていて本来は11月30日の夜から点灯する予定だったのですが、航空機事故の喪に服するため土曜日からに変更になりました。この後、菅原さんのコロンビア人の知り合いグスタフさん親子が来てくれて、夜景も見ることができたんですよ。2日は、東側のメトロカブレに乗って国立公園まで行き、3日は、グスタフさん親子がメデジンから2時間ほどのところにあるPeñol岩に740段の階段を登って頂上からPeñol貯水池(ダム湖)を見てきました。すばらしい眺めです。これは必見! コロンビアの電力の30%をここの水力発電で賄っているそうです。
 話は変わりますが、メデジンには金子さんという方が在住しています。この方とは、アルメニアで行われたNikkoryukaiでちらし寿司のデモンストレーションに来られた時に知り合ったのですが、Syuhariにもよく顔を出していて、たまたま来られたので、話していると、実は61年2次隊JVでコロンビアに派遣された方で、訓練も同じ広尾だったということがわかりました。当然私の同期(61年度1次隊)のコロンビア派遣4名とも重なるので知っていました。びっくりです。こんなことがあるんですね。ということで3日の夜、雨が降っていたんですが、車で私たちを市内観光に連れて行ってくださったんですよ。ありがたいことですね。
 山の上の公園内で雨に降られて、通りかかったパトカーに乗せてもらってカブレの駅まで連れて行ってもらったり、そんなこんなで、やっとアルメニアに帰ってきました。とっても濃いメデジン旅行でした。あ、そうそう。メデジン-アルメニア間はADAの19人乗りプロペラ機に乗りました。座席は好きなところに座っていいんですよ。離陸も着陸も時間通り。快適でした。明日から日常生活に戻ります。
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メトロの中。日本と変わりないでしょ? アルメニアにはこんなのありませんよ!
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メトロカブレの中です。とっても快適。
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大都会メデジン。低層の人々への支援はかなり手厚く行われているとのこと。以前のスラム地区にも電気ガス水道が引かれていて、生活保障がしっかりしています。
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Peñol岩。1枚岩で地上に出ているのは1/3程だそうです。高さは約200m。頂上まで740段。オーストラリアのエアーズロックと比較されることが多いそうですよ。
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こんなところを登るんですよ。グスタフさんによると、以前は木造だったそうです。
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頂上からの景色。いくつもの島がダム湖に浮かんでいます。360°こんな感じです。
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ダム湖のほとりにあるGuatapeという村。以前、ゲリラが度々食料調達のために村を襲撃していました。ウリベ政権になってそれがなくなって、村人たちは自分たちの村を何とかよくしたいと、いろんな色で家を塗ったところ、それが評判になって一大観光地になったとのこと。観光客が大勢来ています。
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これがADAの19人乗りプロペラ機。Muy puntual。

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