休暇に入って1週間が過ぎました。休暇にはストの影響はありませんでした(あとがこわい!)。大学も前期(2月~5月)が終わり、2か月間のお休みに入って、キャンパスはとても静かです。後期は8月から11月の4か月間。大学ってどこもこんなものなんですかね。おかげで、言語学のアルバロ先生にも時間ができたので、私もここのところ毎日研究室に通って、一緒に「Zoro」を読み進めています。久しぶりのゆったりした時間です。まずはJICAに提出する報告書の作成、カリキュラムの見直しをすすめて、あとは後期から大学で講座を担当することになったのでその準備など、ゆっくりゆくりやっています。ということで今回は特に変わったことがないので、この国のことについて少し触れてみたいと思います。
コロンビア共和国は新しい国と言われます。といっても、長く先住民が住んでいた所を1500年代にスペインが征服し、1810年代から1820年代はじめにかけて現在のコロンビアとベネズエラ、エクアドル、パナマ、あとペルーとガイアナ、ブラジルの一部を含むグラン・コロンビアが成立。その後の各地域の分離を経て1886年に現在のコロンビアが独立しました。1960年代中ごろから始まった内戦(私がパラグアイに赴任していた頃が一番ひどかったのではないでしょうか)のために、ゲリラと麻薬の国という印象がとても強く、今回の赴任前には多くの方から「大丈夫?」と聞かれました。前ウリベ政権と現サントス政権の努力で治安が格段によくなり、ゲリラ組織との和平交渉もかなり進んできています。警察や軍の組織もしっかりしており、特に都市部や観光地での警備体制は厳重なので、危ないと言われながらも、ここ数年の観光客の増加は目を見張るものがあるとのことです。概要はこれくらいにして、この国の自然について少しお話しましょう。
コロンビアには6つの自然区分があります。⑴アンデス地域 ⑵カリブ海岸低地地域 ⑶太平洋低地地域 ⑷オリノコ地域 ⑸アマゾン地域 ⑹島嶼地域 の6つです。オリノコ川流域平原にはリャノが、アマゾン川流域にはセルバと呼ばれる熱帯雨林が広がっています。アンデス山脈は、エクアドルからコロンビアに入って3つの山系に分かれます。西側が西山脈、真ん中が中央山脈で、エクアドルから続いています。途中から東山脈が枝分かれして、北部のサンタ・マルタ辺りまで続き(その先に5775mのクリストバル・コロン山が鎮座しています)、さらにベネズエラのマラカイボ湖南から東北方向に延びています。東山脈には1985年の大噴火で23000人ものの犠牲者を出した5389mのネバド・デル・ルイス山をはじめとする3000m級の山々が連なっています。中央山脈にはいくつもの5000m級の山々がそびえたっており、氷河が残っているところもあるそうです。首都ボゴタの標高は約3600m。私が住んでいるアルメニアは東山脈の西側に位置するボゴタから中央山脈を越えたところにあります。標高は1600m。この国の人口の大半はアンデス地帯に住んでいます。私も今はアンデスの住人なんです!
太平洋岸は、パナマまで続く麻薬ルートになっているらしく、JICA関係者は渡航禁止です。セルバやジャノ辺りも麻薬地帯なので、レティシア以外は渡航禁止です。地図を見ると、コロンビアは赤道をはさんで北緯12度、南緯4度の間にあります。観光地のカリブ海に浮かぶサン・アンドレス諸島が北緯16度辺りにあるので、それも含めるとかなりの広さです。面積は日本の約3倍。でも人口は日本の半分以下です。
県の数は全部で33。私が活動しているキンディオ県は、上の地図の24。北側の7がカルダス県(県都はマニサレス)。県の東部にはキンディオ県北部を含めて5000m級の山々をもつ国立公園があります。その北側がアンティオキア県で、県都メデジンはかつて麻薬組織の本拠地でした。南側の30がバジャ・デル・カウカ県。県都のカリは現在いろんな意味でコロンビア経済の中心と言っていいでしょう。ただし、業務以外の渡航は禁止です。太平洋岸はダメ、ベネズエラ国境の県はダメ、リャノもセルバもダメ。内陸部も陸路移動はダメ。アルメニア-ボゴタ間はバスで8時間くらいだそうですが、陸路移動は禁止なので、いつも飛行機を使っています。こんなに自然豊かな国なのに、渡航禁止地域だらけでホント閉口です。でも、安全確保のためには仕方ないですね。ここの所、ボゴタで爆発事件が起きたり、あちこちで発砲事件が起きていますし、殺人事件も以前に比べてぐっと減ったとはいえ、その数は先進国と比べてまだまだ高いですから。街で、明らかに麻薬を吸っていると思われる人たちに出会うことがあります。そういったエリアがどこの街にもあるようです。危険を察知する力が必要です。
おまけです。昨日アルメニアの文化センターでランの展示会があるというので、行ってきました。60歳以上、関係者は入場無料です。日本が大好きで、週1で日本語を教えているキンディオ大学基礎科学系学生のマリアナが誘ってくれました。
コロンビアの国花はラン。何種類あるかわからないくらいたくさんのランが展示されていました。即売もされていましたが、日本では考えられないくらい安いんですよねー。
見てください。この華やかさ。色も大きさも模様もこれまで見たことがないものばかりです。
今回は、ランと、自然事業の展示で、こんなブースもありました。右側の実がどんぐりに似てるでしょ? でも長さが4~5cmあるんですよ。左側の方にはもっと大きなどんぐり(に似た実)がありました。何でしょうね。
キンディオ大学のブース。植物標本が展示されていました。向かって左側がマリアナ。右が彼女のお母さん。同い年なんですよ。頭の上の横断幕の上の方に鳥が描かれていますが、名前は、コリブリス(coribriz)。ピカフロール(picaflor)またはチュパフロール(chupaflor)とも呼ばれます。
コロンビア共和国は新しい国と言われます。といっても、長く先住民が住んでいた所を1500年代にスペインが征服し、1810年代から1820年代はじめにかけて現在のコロンビアとベネズエラ、エクアドル、パナマ、あとペルーとガイアナ、ブラジルの一部を含むグラン・コロンビアが成立。その後の各地域の分離を経て1886年に現在のコロンビアが独立しました。1960年代中ごろから始まった内戦(私がパラグアイに赴任していた頃が一番ひどかったのではないでしょうか)のために、ゲリラと麻薬の国という印象がとても強く、今回の赴任前には多くの方から「大丈夫?」と聞かれました。前ウリベ政権と現サントス政権の努力で治安が格段によくなり、ゲリラ組織との和平交渉もかなり進んできています。警察や軍の組織もしっかりしており、特に都市部や観光地での警備体制は厳重なので、危ないと言われながらも、ここ数年の観光客の増加は目を見張るものがあるとのことです。概要はこれくらいにして、この国の自然について少しお話しましょう。
コロンビアには6つの自然区分があります。⑴アンデス地域 ⑵カリブ海岸低地地域 ⑶太平洋低地地域 ⑷オリノコ地域 ⑸アマゾン地域 ⑹島嶼地域 の6つです。オリノコ川流域平原にはリャノが、アマゾン川流域にはセルバと呼ばれる熱帯雨林が広がっています。アンデス山脈は、エクアドルからコロンビアに入って3つの山系に分かれます。西側が西山脈、真ん中が中央山脈で、エクアドルから続いています。途中から東山脈が枝分かれして、北部のサンタ・マルタ辺りまで続き(その先に5775mのクリストバル・コロン山が鎮座しています)、さらにベネズエラのマラカイボ湖南から東北方向に延びています。東山脈には1985年の大噴火で23000人ものの犠牲者を出した5389mのネバド・デル・ルイス山をはじめとする3000m級の山々が連なっています。中央山脈にはいくつもの5000m級の山々がそびえたっており、氷河が残っているところもあるそうです。首都ボゴタの標高は約3600m。私が住んでいるアルメニアは東山脈の西側に位置するボゴタから中央山脈を越えたところにあります。標高は1600m。この国の人口の大半はアンデス地帯に住んでいます。私も今はアンデスの住人なんです!
太平洋岸は、パナマまで続く麻薬ルートになっているらしく、JICA関係者は渡航禁止です。セルバやジャノ辺りも麻薬地帯なので、レティシア以外は渡航禁止です。地図を見ると、コロンビアは赤道をはさんで北緯12度、南緯4度の間にあります。観光地のカリブ海に浮かぶサン・アンドレス諸島が北緯16度辺りにあるので、それも含めるとかなりの広さです。面積は日本の約3倍。でも人口は日本の半分以下です。
県の数は全部で33。私が活動しているキンディオ県は、上の地図の24。北側の7がカルダス県(県都はマニサレス)。県の東部にはキンディオ県北部を含めて5000m級の山々をもつ国立公園があります。その北側がアンティオキア県で、県都メデジンはかつて麻薬組織の本拠地でした。南側の30がバジャ・デル・カウカ県。県都のカリは現在いろんな意味でコロンビア経済の中心と言っていいでしょう。ただし、業務以外の渡航は禁止です。太平洋岸はダメ、ベネズエラ国境の県はダメ、リャノもセルバもダメ。内陸部も陸路移動はダメ。アルメニア-ボゴタ間はバスで8時間くらいだそうですが、陸路移動は禁止なので、いつも飛行機を使っています。こんなに自然豊かな国なのに、渡航禁止地域だらけでホント閉口です。でも、安全確保のためには仕方ないですね。ここの所、ボゴタで爆発事件が起きたり、あちこちで発砲事件が起きていますし、殺人事件も以前に比べてぐっと減ったとはいえ、その数は先進国と比べてまだまだ高いですから。街で、明らかに麻薬を吸っていると思われる人たちに出会うことがあります。そういったエリアがどこの街にもあるようです。危険を察知する力が必要です。
おまけです。昨日アルメニアの文化センターでランの展示会があるというので、行ってきました。60歳以上、関係者は入場無料です。日本が大好きで、週1で日本語を教えているキンディオ大学基礎科学系学生のマリアナが誘ってくれました。
コロンビアの国花はラン。何種類あるかわからないくらいたくさんのランが展示されていました。即売もされていましたが、日本では考えられないくらい安いんですよねー。
見てください。この華やかさ。色も大きさも模様もこれまで見たことがないものばかりです。
今回は、ランと、自然事業の展示で、こんなブースもありました。右側の実がどんぐりに似てるでしょ? でも長さが4~5cmあるんですよ。左側の方にはもっと大きなどんぐり(に似た実)がありました。何でしょうね。
キンディオ大学のブース。植物標本が展示されていました。向かって左側がマリアナ。右が彼女のお母さん。同い年なんですよ。頭の上の横断幕の上の方に鳥が描かれていますが、名前は、コリブリス(coribriz)。ピカフロール(picaflor)またはチュパフロール(chupaflor)とも呼ばれます。