湾岸産油国の武器が多国籍すぎるナゼ 非効率のその先に見出すメリットとは
ペルシャ湾岸の産油国の多くは、その軍装備の購入先が実に多国籍なことになっています。洋や陣営の東西を問わないラインアップは仕様が異なることも多く非効率この上ないものですが、もちろん、そこには彼らのしたたかで巧みな意図があります。
湾岸産油国の空軍機はまるで世界の見本市
2018年3月9日、サウジアラビアはイギリス企業のBAEシステムズ社から、ユーロファイター「タイフーン」を48機導入すると発表しました。サウジアラビアは72機の「タイフーン」を導入済みで、これでサウジアラビア空軍のユーロファイター「タイフーン」は、合計120機となります。
サウジアラビア空軍は2011(平成23)年にボーイングから、F-15の戦闘爆撃機型であるF-15Eの最新バージョンF-15SAを84機導入する契約も締結しています。
石油により潤沢な資金を持つサウジアラビアらしい、なんとも贅沢なニュースではありますが、上には上がいるもので、同じ中東の産油国であるカタールは、アメリカからF-15SAの同型機であるF-15QAを36機、イギリスから「タイフーン」を24機、フランスからダッソー「ラファール」を36機それぞれ導入し、さらに一部のメディアはロシアとのあいだで、「フランカー」シリーズの最新型、Su-35の導入交渉を行なっていると報じています。
また3月30日には、すでにユーロファイター「タイフーン」28機の導入を決定しているクウェートが、アメリカとのあいだでF/A-18E/F「スーパーホーネット」28機の導入で合意に達しています。
これらの国々に共通しているのは、戦闘機をアメリカとヨーロッパ諸国の双方から導入している点で、現在でも十分戦力として通用するF-16を保有しているUAE(アラブ首長国連邦)とオマーンも、UAEはフランスからミラージュ2000、オマーンは「タイフーン」を導入しています。
また湾岸産油国ほど資金は潤沢でないエジプトも、アメリカからF-16、フランスから「ラファール」、ロシアからMiG-29の発展改良型であるMiG-35をそれぞれ導入して、空軍力の強化に努めています。
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