校章の形に並べられたキャンドルを囲む住民=七尾市中島中の旧体育館
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野菜工場の進出に伴い、今月中旬から解体工事が始まる七尾市中島中旧校舎と旧中島公民館の「お別れ感謝イベント」が2日夜、行われた。旧校舎の体育館に並べられた1千本のキャンドルで校章が描かれ、卒業生ら約500人が惜別の思いで見守った。
中島中の旧校舎は1964(昭和39)年に建てられ、老朽化に伴って同校が市中島地区コミュニティセンター内に移転する昨年3月まで使われた。隣接する旧公民館はかつて結婚式場としても活用され、約200組の夫婦が挙式した。
旧校舎は午後5時から開放された。体育館には卒業アルバムや文集が並び、住民は手に取って思い出話に花を咲かせり、世代を超えて校歌を斉唱したりした。
フィナーレを飾るキャンドルナイトでは、かつて旧公民館の披露宴で使用されたキャンドルが校章の形に並べられ、住民が点灯した。校舎の落成記念で神輿(みこし)や枠旗が集結したことに習い、地元の壮年団有志が「光の校章」の周りで鉦(かね)と太鼓を打ち鳴らした。中島の祭りのリズムに包まれる中、住民は思い出を懐かしみ、別れを告げた。
自身も卒業生である中島中の井田正輝校長(59)は「旧校舎ができた時と変わらない力がある。生徒や若い人にも受け継いでいってほしい」と話した。