中国武漢の大学生30人以上失踪事件に奇妙な共通点 臓器ビジネスに狙われた可能性も
あるネットユーザーはこの失踪事件の不可解さに疑問を呈している。「一連の大学生失踪事件は一見したところなんの関連性もないように見えるが、実は恐ろしい共通点が隠されている。ほとんどが20代前半の若い男性で、ほぼ全員が大学生、失踪前に何かを案じていたという点も共通している。一人で出奔し、なにか目的を持っており、親しい人にすら行き先を告げていないことも同じ。飛陽さんら他所の地域の人間がわざわざ武漢を訪れ、着いたその日に姿をくらます。これらすべてを偶然の一致として片づけられるだろうか」
米国のラジオ番組「希望の声」の中で、時事評論家ジェーセン博士は、「この事件をよく考えると本当に恐ろしいことだ」とコメントした。「若くて健康な大学生の失踪をどうしても中国で最も短絡に巨額な利益が得られる人体臓器売買の裏市場と連想してしまい、この事件の裏には、巨大な勢力と厖大な経済利益が絡んでいるだろう」と指摘した。
米国在住の時事評論家横河氏が、次のように分析した。
中国衛生省(厚生省)の元次官で臓器移植関連の責任者を務める黄潔夫氏は、2015年8月に武漢で開かれた臓器移植関連の会議で、「湖北と武漢(の貢献)がなければ、(今日の)中国の臓器移植はない」と中国の臓器移植において湖北と武漢の重要な役割を認める発言をした。これは、武漢には移植の研究や手術用の人体臓器に対して大きな潜在需要があること意味する。
「大学に入学時に、手続きの一環として必ず採血を含む健康診断を行うため、中国では、収監された囚人以外、大人数で生体データが採られているのは、大学生だ。」そのデータを入手できれば、臓器のために「オンデマンド殺人」が十分にありうると指摘した。
中国の臓器移植の件数は2000年に入ってから急増している。その出処が明らかにされておらず、国家ぐるみで良心の囚人、法輪功学習者、ウイグル人などから臓器を摘出・売買しているという疑念を中国政府は今になっても払拭できていない。
少卿さんを含め3人の家族は大紀元の記者に、子どもたちの失踪には臓器移植が絡んでいる可能性があると口にした。だが、そのことについては「考えたくないし、考えないようにもしている」と苦しい胸の内も明かしている。その可能性を踏まえて手がかりを探してみたが、警察当局からの回答は「臓器のドナーはすべて自分から望んで臓器を提供している。殺されて臓器を摘出されるといったことはない」というものだった。家族の力だけではこれ以上の調査はできず、彼らは今、八方ふさがりの状態に置かれている。
(翻訳編集・島津彰浩)