朝鮮日報

【コラム】韓国の選手の皆さん、侮辱や暴言はやめましょう

【コラム】韓国の選手の皆さん、侮辱や暴言はやめましょう

 長い間米国で生活し、先日韓国に戻ったばかりの大学時代の先輩に会った。この先輩は米メジャーリーグ野球の大ファンで、2人の娘も大の野球好きだそうだ。たとえばロサンゼルス・ドジャースの韓国人選手・柳賢振(リュ・ヒョンジン)が登板した後にその日の投球を分析してもらうと、ちょっとした野球解説者ぐらいの話は聞くことができる。

 その先輩が記者に「米国では仕事が終わると子供たちを連れて野球を見に行くことが趣味だったが、韓国ではプロ野球は見ない」と語った。時速160キロの速球さえごく当たり前で、それを打ち返してホームランにするような選手も珍しくないメジャーリーグに慣れたからだとその時は思った。しかし先輩が語る理由はそうではなかった。

 「娘たちとテレビで韓国のプロ野球をみていると、打者が判定を不服としてよく審判を侮辱する。声は聞こえないが口元や態度でわかる。最初はその選手だけかと思ったが、他の試合や競技をみても同じようなことはいくらでもあった。子供たちにそんな様子は見せられない」

 その言葉を聞いて、これまで何気なく目にしてきたいくつもの場面が気になるようになった。確かに選手たちはいつも興奮して顔が真っ赤だ。ホームランを打たれた投手、三振した打者、エラーをした野手。誰もがここで文字にはできないようなことを言っているのは間違いなかった。「チクショー」程度ならまだ品があるだろう。

 最近はテレビもハイビジョンではなくウルトラ・ハイビジョンの時代だ。画面に映る選手たちの汗腺や鼻毛の数まで数えることができる。しかも様々な角度から撮影するため、中継用のカメラも多い時は20台以上が同時に使われる。これでは天下のジェームズ・ボンドでもスパイ活動ができないだろう。

 これはもちろん野球に限った話ではない。女子バレーボール韓国代表のキム・ヨンギョン選手はある国際試合でプレーが思い通り行かなかった時、1人で何か叫んでいたが、その様子がカメラに映し出された。本人は思わず出た言葉でとても後悔しているそうだ。しかしファンはその後、キム・ヨンギョン選手のことを「食パン姉さん」と呼ぶようになった。悪口を「食パン」と表現するそのセンスは素晴らしい。しかし他人に対する侮辱を簡単になかったことにするのはどうかと思う。

姜鎬哲(カン・ホチョル)記者
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