ベクトルがよく分からない?初めから教えます!数Bベクトル入門(1)

ベクトルを初めから!ベクトル入門 第1回

 

@2018/05/01ベクトル入門シリーズの進め方とindex更新。

 

このサイトを始めてから、ベクトルについて調べてたどり着いてくれた方が結構います。

また、特に文系の生徒で「よく分からない」という分野の筆頭がベクトルです。

そこで、なぜベクトルが分からないのか?分からないところが分からない!

という人向けにベクトル入門シリーズを書く事にしました。

(順を追ってステップアップ出来る様にしますので、理系で一応使えるけど・・と言う方もサラッと目を通していって下さい「必要なところだけ」じっくり読んでもらうなりはてブ!しておくなり自由にこのサイトを使っていって下さい)

 

今回は第1回目として

「ベクトルが特殊な理由」

「実は数学が苦手な人ほどベクトルを習得すべき理由」

「ベクトルの基礎の基礎」

を書いていきます。

ベクトルが特殊な理由

さて、文系数学のほぼ最後にいきなりよくわからない矢印が登場します。多くの人がここで悩む訳ですが、それにはいくつか理由があるのです。

それは、これまで習ってきた数学・算数は「スカラー量」と言って、数の大きさだけ扱っていました。

しかし、

ベクトルだけはこれまでのどの分野とも違う「ベクトル量」(そのままです)を扱っているのです。

はベクトル量とは何か?

ベクトル量は数の大きさだけでなく、向きも同時に扱うのです。

つまり、これまでの数学=1つの文字に1つの情報(数の大きさ)だったのに対してベクトルは=1つの文字に2つの情報(場合によっては3つ)も含まれるのです。

この新しい定義がベクトルの理解を大変にしている原因であり、逆に最大の利点でもあるのです。

 

この基礎的な理解が出来るかどうかで、単元全体の理解が大きく変わります。

例を挙げてみましょう。

あなたが今A駅の駅前にいるとします。友達の家に向かいます。

 

スカラー量(以下スカラー君):「A駅から500メートルの場所が僕の家だよ」

どうやらスカラー君は数の大きさの1情報しか喋れない様です。

しかしこれではA駅の周りの半径500メートルの円上のどこにあるか分かりません

 

ベクトル量(以下ベクトル君):「A駅から東に500メートルの場所が僕の家だよ

これなら確実にベクトル君の家にたどり着けそうですね!

理由は「東に」と「500メートル」という二つの情報が与えられるからです。

この違いがベクトルのメリットなのです。

 

数学が苦手な人程ベクトルを習得すべき理由

数学を苦手としている人は図形問題(数学A)が弱いことが多い傾向にあります。

これは、補助線が思い付かないといった「”閃き”と思われているもの≒センス」が無いと感じているから

という側面が大きいと経験上感じます。

少なくとも高校数学レベルでは”閃き”ではなく「場数」を踏めばいいのですが、苦手科目の苦手分野で場数をふむと言うのは大変苦痛なものです。

小学校の算数で未知数「x」を使うことが許されず、つるかめ算や時計算等々に苦労した人も多いでしょう。

ところが中学校に入り、「x」を使えるようになると〇〇算など使わないようになります。

同様に図形問題においても「x」のような道具が存在します。

すでに紹介していますが、、それが「ベクトル」なのです。

そして数学3の範囲では「複素数平面」も道具に加わります。

図形が閃き無しでほぼ計算で解き進めていけるようになる

これが、数学が得意でない人程ベクトルを習得すべき理由です。

 

ベクトル基礎の基礎

さて、性質とメリットが分かったところで、ベクトルを一から学んでいきましょう。

これまで我々はというものを学んできました。線にはいくつかの分類があり、

直線・半直線・線分・そして「有向線分」が挙げられます。

直線というのは、両端が無く永遠に続いていく線の事です。

半直線は、半分直線の名が示す通り、片方の端は固定されていますがもう一方の端はこれまた永遠に続いて行きます

線分は、直線の真逆と言っても良いでしょう。両端が決まっており、当然長さも決まっています

 

有向線分=ベクトルだ!!

では最後の有向線分はなんでしょうか?あまり聞きなれないですが、これこそベクトルの事なんです。

(以下の説明が難しいと感じたら、『線分の片方に矢印を付けたもの』が自由に動く=ベクトル)と取り敢えず理解しておいて下さい。

有向線分(=ベクトル)は、端は固定する事なく、自由に座標上を動いても同じだが、向きとその長さは決まっている線分のことを言います。

向きが有る(有向)+長さが決まっている(線分)の組合せだからです。

 

ちなみに、ベクトルの矢印の先の点を終点と言い、もう一方の端である点を始点といいます。

 

有向線分

 

色々なベクトル

ベクトルの相等

先ほどベクトルは、端は固定する事なく、自由に座標上を動いても同じ  と書きました。ですから向きと長さが同じであれば、

座標上のどの場所にいても同じベクトルで有ると言えます。これをベクトルの相等と言います。

単位ベクトル

単位ベクトルとは、長さ(大きさ)が1で有るベクトルの事を言います。

逆ベクトル

逆ベクトルは向きが逆で長さが同じベクトルの事です。

零ベクトル

零ベクトルは、始点と終点が同じベクトルの事です。始まりと終わりが同じと言うことは大きさが0です。

ベクトル1

次回はベクトル次の壁「係数和1の法則」を掲載して行きます。今回の様に本当にはじめから解説していくので、これまで毛嫌いしていた人も是非お読み下さい。

 

2018年3月17日追記:ベクトルの一次独立って何?「わかった!」を増やします~数bベクトル入門2 

2018年3月27日追記:位置ベクトルの解説記事(ベクトル入門3)

2018年5月1日追記更新:ベクトル入門シリーズindexを更新しました。

特に係数和1の法則の記事を先に理解してから、

→位置ベクトルの記事

→一次独立の記事の順に

ご覧頂いた方が理解しやすいです。

 

ベクトル入門シリーズINDEX↓よりぜひご覧下さい。

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