「働く留学生」がこのまちを支えている

「留学生アルバイト事情」最前線をいく

チムニーのベトナム人留学生のキッチン研修風景。外国籍スタッフはベトナム、中国、ネパールの出身者が多い(写真:チムニー株式会社)
コンビニ、外食産業、流通……。いつの頃からか、東京で働く外国人を見かけることは日常の風景になった。特に、日本人と接する機会の多い、接客業で働く外国人の多くが留学生で、その数は増え続けている。留学生を戦力とすべく、新たな試みを行う2つの企業の現場から、働く留学生を見つめる社会の「まなざし」を探る。

最近、居酒屋やファストフード、コンビニなど、「接客業」で働く外国人の姿を見かけることが多くなった。地方の農家や自動車工場といった「東京の日常からは見えにくい場所」ではなく、「東京の日常の真ん中」で働く外国人たちの姿。彼らの存在は、変わりゆく東京や日本の未来を象徴しているかのようだ。

データを見てみよう。現在、日本で働く外国人労働者の数は約128万人(2017年10月末時点、厚生労働省調査)。2008年の49万人から、ここ10年弱で、一気に2.6倍にまで増えている。地域別に見ると、東京都で働いている割合が全体の3割を超え、全都道府県でダントツの1位。隣接する神奈川、埼玉、千葉まで含めると、1都3県で全国の外国人労働者数の約45%を占める。

学校で学びつつ、週28時間まで労働できる

さて、彼ら外国人労働者の中でも、特に「接客業」で働く者の多くが、「留学生」であることをご存じだろうか。留学生は2017年5月時点で26.7万人。その数は5年前の16.2万人、10年前の11.8万人と比較して、やはり大幅に増えている。そのうち中国、ベトナム、ネパールなど、93%がアジア諸国出身だ。彼ら留学生は、日本語学校や専門学校、大学などで学びつつ、同時に「資格外活動」として週28時間まで労働することが認められている。

本記事は『東京人』2018年6月号(5月2日発売)より一部を転載しています(書影をクリックするとアマゾンのページにジャンプします)

東京に住む私個人の実感としては、留学生の存在が「接客業のアルバイト」として、日常の中で「あたりまえ」になったのは、ここ1、2年のことだ。果たしてその間、この国では何が起きていたのか。なぜ、最近になって突如として「働く留学生」が増えたのか。留学生の採用を進めていくうえで、学生側、企業側はどのような困難に直面し、どのように乗り越えようとしてきたのか。留学生の採用に現場で関わる人々に、話を聞いた。

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  • NO NAME2c0590c2fe53
    >日本はかつて移民で大失敗しています。それが朝鮮人の受け入れです。
    在日朝鮮人の殆どは朝鮮戦争が怖くて日本になだれ込んできた、いわば不法入国者です。よって移民ではありません。

    >在日朝鮮人は日本にとって、百害あって一利なし
    その通り。
    up18
    down4
    2018/5/2 17:47
  • NO NAMEbedd25723b9a
    働く意欲のある外国人は移民として認めてもいいと思います。
    働く意欲のない外国人は絶対に移民として受け入れてはダメです。
    日本はかつて移民で大失敗しています。それが朝鮮人の受け入れです。
    在日朝鮮人は日本にとって、百害あって一利なし、でした。
    同じ過ちを繰り返すべきではありません。
    up16
    down5
    2018/5/2 17:37
  • NO NAME39d4ab696a9c
    国際水準から見ても極端に低いと言われる「最低賃金」を大幅に引き上げてみてはどうかね。非正規労働者と外国人労働者を増やして、人件費を引き下げようという、雇用者側の目論見ばかりで政治が動いているのはなんとかすべきだと思う。

    それにしても、日本の野党は何をやっているのか。底辺の声をもっと汲み上げ、労働者の生活を守るため、身を粉にすべき時と思うが。
    up11
    down0
    2018/5/2 16:51
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